連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。
困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。
今週のタイトルは「女の知恵は鼻の先?」です。
「女の知恵は鼻の先」とは女は目先のことにとらわれて、先のこと、大局的なことが見えなくなりがちだということ。
虎に翼第47話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~前回までのあらすじ~
自分の力で稼ぐため司法省で働くことになった寅子。
久藤頼安:通称ライアンの指示の元、寅子は『民法親族編・相続篇の法改正案』作りの一員となりました。
ちょっと胡散臭いライアンですが寅子のことを気に入っている様子、ライアンはこの先寅子にとってどのような影響を与える人物なのでしょうか。
同じ仕事場には大学の同級生、小橋がいます。
相変らず失礼極まりない男・小橋ですが寅子は上手くやっていく事ができるのでしょうか。
虎に翼第47話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~民法親族編・相続篇の法改正~
『民法親族編・相続篇の法改正』それが寅子の仕事でした。
個人の尊厳と両性の本質的平等を基本にした改正案
ライアンに「どう?ずいぶん変わったでしょ?」と聞かれた寅子は「この喜びを分かち合いたかった人たちの顔が次々と浮かんできて」と話します。
今までいろんな人が悩み苦しみ、弁護士佐田寅子に救いを求めてきました。
相談の手紙もたくさん受け取りました。
その人たちを救うことができる世の中になるかもしれない。
明るい兆しがみえてきたような気がします。
虎に翼第47話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~君はどう思う?~
ライアンは寅子に話します。
失敗したくない、波風は立てたくない この仕事を失ったら困る そんな気持ちからか口ごもる寅子は「物事はいっぺんに変わらなくても少しずつでも前進していくのが大切かと。。。」なんだかトラちゃんらしくない優等生の答えだなぁ。
「なんで?」と突っ込むライアン。「例えば苗字の問題」と言い寅子に質問を投げかけます。
寅子は「妻の権利を考慮した素晴らしい法改正かと」と返事をしますが、ライアンはこの改正案はGHQに突き返されてしまったと言います。
GHQは夫の苗字が優先になっている時点で生ぬるい、婦人が家に縛られること全てを変えろと言うのです。
トラちゃんも佐田寅子ではなく猪爪寅子にならないといけないの?
改めてみると法律って当たり前じゃなくて一生懸命誰かが考えてできたものなんだよね。あんまり考えたことなかったなぁ
「ご婦人方の気持ちを無視して女性解放を進めるべきかどうか、君はどう思う?」と寅子に聞くライアン。
寅子は小さくうなずくことしかできません。
以前のように自分が疑問に思ったことを「はて?」と問いかけることが出来なくなってしまった寅子。あの勢いは若さゆえだったのでしょうか。寅子が寅子らしく生きなくちゃ、優三さんが悲しむよ
虎に翼第47話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~謙虚な寅子~
部屋に1人の男性が入ってきてライアンに英語で話しかけます。
ライアンは男性に寅子を紹介します。
男性の名前は「アルバート・ホーナー」、GHQにいて民法改正に関わっています。
つまりさっきの話はホーナーさんが言ってたってことなのね
ライアンは次は謙虚さなしでディスカッションしようと寅子に言います。
寅子は家に帰り仕事の話をします。
直明は謙虚って悪い言葉じゃないよと寅子をフォローしますが、明日からは自分の意見をGHQの人に言わないとと話します。
花江の子どもたちは「トラちゃんが謙虚なんて思ったことない」とケラケラと笑いますが花江は元気がありません。
花江の様子が気になる寅子、話しかけると「直道さんのカタキの国の人とトラちゃんが仕事して仲良くして…」と言います。
そう言いながらも「ごめんね、トラちゃんは家族のために仕事してるのに、忘れて」と謝る花江は「仕方ないわよね、負けたのは日本なんだから。子どもだって受け入れてるのに私だけ同じところに。。。」と言います。無理に笑うことないよと言う寅子の言葉にこらえていた花江の気持ちが溢れ出ます。なんで直道さんは死んでしまったんだろう。日本はなんで負けたんだろう。涙が止まりません。
みんな生活することで精いっぱい、自分の気持ちが追いついていかないことが多すぎます。
頭ではわかっていても直道の命を奪ったアメリカの統治下になること、それを受け入れること。花江も時々やるせなくなってしまうのでしょうね。
虎に翼第47話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~薄っぺらい寅子~
翌日出勤した寅子は桂場に出会います。
仏頂面で「おはよう」と言う桂場に寅子は「採用を決めていただきありがとうございました」と深々と頭を下げ「採用してよかったと思って頂けるように頑張ります」と言います。
寅子が顔をあげると顔を歪ませそっぽをむいたような表情の桂場が。
おいおい、どういう顔なんだい?
教授もライアンも笑顔、スン対スン。これはヤバイ展開かも。。。
教授は改正案を見て一言物申そうと司法省にやってきたのでした。
虎に翼第47話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~グッときた名シーン~
久しぶりの桂場と寅子のやりとりが印象的でした。
今週から『虎に翼』は第2章となる裁判官編が始まり、第10週46話は第1回目放送と同じシーンがいくつか使われていました。
放送開始当初、桂場が寅子を見て「君か」と言ったので2人は以前どこかで接点があった、しかし桂場の態度からあまりいい関係性ではないように思いました。
初めて桂場と寅子が出会ったのは寅子がまだ女学校に通っている頃、法律そのものを知らず疑問に思ったことはストレートに桂場にぶつけていました。
まだ女性が高等試験を受けることもできず、弁護士になるとこも出来なかった時代です。
寅子が道なき道を進み血を流す覚悟を持って法曹界に飛び込むきっかけを作ってくれた桂場ですが、桂場は決して理解者ではなくなかなかの曲者で男尊女卑の考えを強く持っています。
男と女、同等の能力であれば男を選ぶ。それが普通、といいつつもどこか寅子の考え方や行動力には桂場も一目置いていました。
本人は否定しましたが寅子の考え方は裁判官に向いていると話したこともありました。
寅子が1人で背負うにはあまりにも大きな荷物で、辞めるしかなかった弁護士の仕事。
そして戦争も終わり再び法律の世界に寅子が戻ってきました。
ですが戻っていた寅子は当たり障りのない普通のことしか言えない人になっていました。
そのことを桂場は「薄っぺらい人間」と称しました。
もしかしたら桂場も優三さんのようにがむしゃらに何かに一生懸命突き進んでいく寅子に深く興味を持っていたのかもしれません。
「はて?」と疑問を投げかけて納得がいくまで答えを追い求める
失うものなんて考えない、信じた道をまっすぐ進む、自分の意見をはっきりと表現する正直な生き方
もしかしたら桂場だけでなくライアンもそういう寅子を求めていたのかもしれません。
虎に翼第47話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~知恵と教養:GHQ~
今回はGHQについて調べてみました。
GHQとは日本が敗戦した1945年(昭和20年)からサンフランシスコ平和条約が行われる1952年(昭和27年)まで、日本を占領していた連合国最高司令部:General Headquartersのことです。
1945年7月、終戦を迎える1月前にベルリン郊外で日本の戦後処理について話し合ったポツダム会談が開かれました。
ここで日本は無条件降伏し、しばらくの間はアメリカ中心の間接政治をとることが決定し、8月15日ポツダム宣言を受諾し第二次世界大戦は終結しました。
マッカーサーを最高司令官とする連合国軍はポツダム宣言の内容に沿うように日本を占領する組織である極東委員会を設立しました。
GHQの最大の目的は日本の非軍事化でした。
第二次世界大戦において日本を主導していた軍人や政治家を逮捕し極東国際軍事裁判(東京裁判)にかけ東條英機ら7名を死刑に、16名が終身刑となりました。
そしてGHQは軍事的要素が強く、さらに天皇中心の憲法であった大日本帝国憲法に変わり、国民主権・平和主義・基本的人権の尊重を基本とする日本国憲法を作成するように日本政府に命令します。
この憲法により日本は軍を持つことが禁止となり戦争を放棄することとなりました。
またGHQは日本が完全に民主化できるように経済や農業の改革を推し進めます。
その中でもマッカーサーが特に日本政府に推し進めるべき項目とあげたのが五体改革指令です。
「婦人参政権」「労働組合法の制定」「教育制度改革」「圧政的な法制度の撤廃」「経済の民主化」の5つを最重要課題として掲げ、現在の日本の礎となる改革を推し進めていきました。
敗戦をきっかけに大きく変わる日本、今からたった80年前の話とは思えないほどですがそれだけ私たちがあの頃を知らなすぎるのだと思うのです。
虎に翼第47話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~最終回予想~
神保教授は寅子に民法が改正され制度が変われば多くの人が混乱する、敗戦で満身創痍のこの国は古き良き美徳が失い、家長制度も華族もなくなる、これではとどめを刺されてしまうと思わないかと尋ねます。
えっ?今この話を私に振るの?
そう思いながらもみんなの視線は寅子に集まります。
薄っぺらくなったと失望する桂場、謙虚なしでと言うライアン、寅子の大学時代を知る小橋。
みんなは寅子の返事に注目します。
果たして寅子は何を言うのでしょうか。
スンとするしかない。。。のか。。。な。
この記事を書いたライターです。
子どもの頃からのテレビっ子。翌日学校でドラマの話をするのが大好きでした。
今も変わらずその延長線で好きを形に残したいとライター活動を始めました。
あったかいほうじ茶を飲みながら、のんびりと好きなことを書いていこうと思います。
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