連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。
困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。
今週のタイトルは「女の知恵は鼻の先?」です。
「女の知恵は鼻の先」とは女は目先のことにとらわれて、先のこと、大局的なことが見えなくなりがちだということ。
虎に翼第48話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~前回までのあらすじ~
神保教授は寅子に民法が改正され制度が変われば多くの人が混乱する、敗戦で満身創痍のこの国は古き良き美徳が失い、家長制度も華族もなくなる、これではとどめを刺されてしまうと思わないかと尋ねます。
えっ?今この話を私に振るの?
そう思いながらもみんなの視線は寅子に集まります。
薄っぺらくなったと失望する桂場、次は謙虚なしでと話すライアン、寅子の大学時代を知る小橋。
みんなは寅子の返事に注目します。
果たして寅子は何を言うのでしょうか。
スンとするしかない。。。のか。。。な。
虎に翼第48話第10週「女の知恵は鼻の先?」~これはスンだ~
「君もそう思うだろ?」神保教授は寅子に尋ねます。
桂場やライアンの視線が気になりますが、寅子は正直に話します。
「私は新しい憲法を目にした時大変感動しました。民法の草案もです」
すかさず神保教授は返します。「法の知識があるキミならそうかもしれないが国民の全てがそうじゃない。変化を強いられて苦しんでいる国民が民法が変わり家族の在り方までも変わってしまったらキミはどうなると思う?」
泣いている花江ちゃんの姿を思い出しちゃった。。
心が追いついていかない花江ちゃんの気持ちもわかる。
混乱するとは思いますが…と話すのは精一杯な寅子。
うまく言えない、どこかみんなの顔色が気になってしまう。
教授の話に導かれてしまう、自分の意見を話せない。
これは…スンだ。。。
子どもの頃、大人はなんでスンとするのかわからなかった。
スンとなる大人に対してなんで?と疑問を持っていた寅子。
寅子も大人になったって事なのかなぁ。
虎に翼第48話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~大人になった?~
「敗戦国と言えども我が国の国民にあった民主化もあるんじゃないか?」教授は言いたいことを言って部屋を出ていきました。
桂場の怪訝そうな顔、ライアンの表情、教授の誘導に自分の意見が言えない寅子。
寅子は教授の意見に流されてしまって申し訳ないとライアンに謝ります。
ますます顔を歪ませて寅子を見つめる桂場を見て、小橋が割り込んできます。
小橋、アンタは変わってなさすぎだよ。アンタこそその寝ぐせも鬱陶しいツッコミも直した方がいいよ~
虎に翼第48話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~どうして他人事なの?~
政治団体や市民団体、労働組合など様々な立場の人の意見を集めることになった寅子たち。
意見や要望を聞き取り改正案に反映させ、ライアンはGHQとすり合わせをしていきますがなかなかすんなりとはいきません。
寅子は婦人代議士たちの集まりに参加します。
日本の古き良き家族観、美徳が失われると寅子が説明すると女性代議士から「古き良き女性なんて明治時代にできたもの」「女性を縛りつけたいだけ」という意見が飛び交います。
女子部の頃のトラちゃんなら同じように熱い意見を訴えていたよね
「あなたもお偉い先生方にビシッと言っておやりなさいな」と言われ、寅子は小さく「そうですよね」と答えます。
まっすぐ寅子を見つめる代議士の橘さん
寅子のこと、見透かしているみたい
事務所に戻った寅子はライアンに今日の話を聞かれ、代議士の方々が先頭に立って社会を変えてやるという熱意に満ち溢れていて素晴らしいと返事をします。
するとライアンが「どうしてそんなに他人事なの?君だって彼女たちと同じ社会を変える場所に今いるじゃない」と言われてしまいます。
彼女たちと私を一緒に語るのはおこがましいと話す寅子に「謙虚だね」と言うライアン。
そんなつもりじゃないのに。。ね
寅子の思いが上手く伝わったらいいのに。。
一度逃げ出した自分とずっと戦い続けている彼女たちを一緒にはできない、寅子は思い悩んでいます。
いつもお昼ご飯を食べていたあのベンチで、寅子は優三さんの言葉を思い出しています。
「僕の大好きな、何かに無我夢中になっている時のトラちゃんの顔をして、何かを頑張ってくれること」優三さん、私いまどんな顔してますか?何かに一生懸命な顔ですか?あなたが好きな私になっていますか?薄っぺらいことを言って、はて?と言わない謙虚な私。それは私なの?そんな私はあなたが好きになってくれた私ですか?
優三さんと話をしたい、逢いたい
叶わない願いに切なくなる瞬間です。
虎に翼第48話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~再会~
寅子は廊下でばったり穂高先生に出会います。
寅子が弁護士を辞めて以来、久々の対面です。
久しぶりに話し寅子の現状を知り驚く穂高先生。父や夫、兄も亡くなり子どもを母親に預けて働いているのは家族を養っていかなくてはならないため。いろんな感情を抱えて働く寅子に穂高先生は何も言えません。
狭い法曹界、桂場や小橋だけでなく穂高先生にも再会してしまいました。
一度自分から退いた世界に再び身を置くことになった寅子の気持ちは複雑です。
上手く自分の考えを伝えきれていない現状、疑問に思っても深く追求できない自分、薄っぺらで偽りの姿で働く自分。
このままでいいのだろうか、ベンチで座っていると優三さんの言葉が頭をよぎります。
お昼休み、ベンチで佇む寅子の前に1人の男性が現れます。
狭い法曹界、どこかで誰かに出会うようになっているのでしょうか。
虎に翼第48話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~グッときた名シーン~
寅子が家族を養うために一生懸命努力をし、民法改正という大きな仕事に取り組んでいる中、思うように意見を言えずに悩む姿が印象的な回でした。
男性ばかりの中で女性が働くだけでも大変なのに、あたかも自分の意見が全女性の意見のように受け取られたり、あなたは法の知識があるから一般女性とは違うと言われたり。
知識のある人であっても他人の意見に寛容ではない相手に口ごもってしまう寅子。
これはスンだ。。。
大人になったわけじゃない、謙虚にしている訳ではない。
自分自身が一番よくわかっている、こんな自分は自分らしくない事を。
もしも優三さんが生きていれば私はどうしたらいいのか、自分の思っていることを沢山話すでしょう。
2人で話していくうちに少しづつ自分なりの答えを見つけていく事ができたはず、でも今は寅子自身の力で道を歩んでいくしかない。
自分の背負っているもの、自分の目指すものと現状との食い違いに落ち込む寅子。
今私はどんな顔しているの?何かに一生懸命な顔ですか?
あなたが好きな私になっていますか?
この自問自答がきっといい結果につながると思います。
がんばれ、トラちゃん。
トラちゃんが好きに生きればいいんだよ。
虎に翼第48話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~知恵と教養:女性の参政権~
女性の参政権について調べてみました。
日本では1890年明治23年、選挙によって国民の代表が選ばれるようになりましたが、選挙に立候補したり投票することができる「参政権」を持っているのはたくさんの税金を納めた男性だけでした。
この頃を制限選挙と言います。
大正14年(1925年)には納税要件が廃止されたのですが参政権は満25歳以上の男性が対象でした。
女性が参政権を得るまでの経緯を簡単に追ってみました。
- 1920年 治安警察法改正、衆議院議員選挙法改正の請願と共に婦人参政権(選挙権)を求める請願をする
- 1921年 女性の政談集会への参加を認める
- 1923年 婦人参政同盟が創立
- 1924年 婦人参政権獲得期成同盟会(婦選獲得同盟)が発足したが女性の参政権・公民権・結社権(婦選三権)は認められず
- 1928年 婦選支持候補者への応援
- 1933年 市政を監視するため東京婦人市政浄化連盟を設立
- 1937年 婦選獲得同盟の市川房枝や矯風会のガントレット恒子らを中心とした日本婦人団体連盟(婦団連盟)が成立
戦後、衆議院議員選挙法が改正され男女平等の完全普通選挙制度が確立し、女性も満20歳以上であれば選挙権が与えられるようになりました。
そして昭和21年4月10日、戦後初めての衆議院議員総選挙が行われ、約1,380万人の女性が初めて投票し、39名の女性国会議員が誕生しました。
長い間女性が政治に関わるために活動してきた婦人代議士の方の尽力を考えるとおこがましいと思う寅子の気持ちもわからなくもないなと思いました。
虎に翼第48話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~次回予想~
久しぶりに会った花岡は「久しぶりだね」とほほ笑みます。
以前のように2人でベンチに座りお昼ご飯を食べます。
あの頃とはいろいろ変わってきた寅子と花岡、久しぶりの再会は2人にどんな影響を及ぼすのでしょうか。
桂場には薄っぺらくなったと野次られ、ライアンからは謙虚だねと言われてしまう寅子の姿は花岡の眼にどう映っているのでしょうか。
この記事を書いたライターです。
子どもの頃からのテレビっ子。翌日学校でドラマの話をするのが大好きでした。
今も変わらずその延長線で好きを形に残したいとライター活動を始めました。
あったかいほうじ茶を飲みながら、のんびりと好きなことを書いていこうと思います。
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