第3話東京地方裁判所判事の桂場等一郎(松山ケンイチ)が言う「女性は無能力者」とは?

女学校を卒業したら結婚することが女性の幸せだとしてお見合いさせられる寅子、ですが当の本人に全くその気がありません。

女学校を卒業した後、どう生きることが寅子の幸せなのでしょうか。

女はどうあるべきか。

寅子と一緒に自分の生き方、女性の幸せ、人としての幸せを考えてみませんか?

「虎に翼」第1週「女賢くして牛売り損なう?」(3)ネタバレあらすじ~前回までのあらすじ~

優三の通う夜学にお弁当を届けに来た寅子は、声のする教室をのぞき見します。

「実子の長女よりも認知された庶子の方が相続権は上位に至るのは、婚姻状態にある女性は無能力者であるから」

はぁ⁉女性は無能力者?」思わず大きな声が出てしまった寅子です。

そこへ教授が現れ「言いたいことがあればいいたまえ」と笑みを浮かべ寅子に言いました。

寅子は言いたいことを話すのでしょうか、それともすべて我慢して受け入れて、なかったことにしてしまうのでしょうか。

「虎に翼」第1週「女賢くして牛売り損なう?」(3)ネタバレあらすじ~母は無能力者なの?~

「婚姻状態にある女性は無能力者である」との発言に思わず大きな声を発してしまった寅子。

「言いたいことがあればいいたまえ」と言われた寅子は意を決して話し始めます。

女性は無能力者と。それは女性が無能と言うことでしょうか

すると男性が「そうではない、結婚した女性は準禁治産者と同じように責任能力が制限されるということだ」と答えます。

寅子は不服そうに責任能力ありますよ、私の家ではすべて母が責任をもってやっておりますが」と話します。

講義を聞いている生徒はくすくすと笑い出します。

寅子に言いたいことを話すように言った男性は法学博士:穂高重親氏 教室で講義をしていたのは東京地方裁判所判事の桂場等一郎でした。

財産の利用、負債、訴訟行為、贈与、相続、身体に羈絆を受くべき契約、つまり雇用契約を結んで働くことを妻が行う場合は夫の許可が必要であるということ

桂場等一郎の説明に「はて?」と言う寅子は母は法律を守っていないのですかと言い夫の代理人として働いても無能力者なのでしょうかと小首をかしげます。

寅子の疑問は法律を学んでいる男子学生にはまったく理解されず、笑われてしまうのはなぜなのでしょう。

結婚したら妻は夫の所有物と考えられていた時代です。

夫のために家庭を守り家計を節約し生活をすることは当たり前のことで、家庭で一生懸命働く母が無能力者と言われることに非常に違和感がありました。

いくら桂場等一郎から説明を聞いても、あんなに一生懸命な母親でも無能力者と言われてしまうことが理解できません。

穂高博士は寅子に講義を聞いていくように言いました。

そして生徒たちに「すべての国民の権利を保障すべきなのに、これが世の女性の反応だ」と話しました。

戦前の思想に疑問を持ち自分の意見を言えるなんてスゴイ

たしかに母の働きを無能力者と言われると納得いかないよね

寅子の疑問や意見も男子学生からみたら無知で無能だと笑われてしまうのでしょうか

「虎に翼」第1週「女賢くして牛売り損なう?」(3)ネタバレあらすじ~女子部に来なさい~

法学博士の穂高は寅子に「少しはスッキリできたかね?」と尋ねます。

すると寅子は「スッキリはできなかったけどハッキリはしました」と話します。

結婚に心が躍らないのも女が損なのも、母が公の場ではすんとなってしまうのも、漠然と嫌だと思っているすべてにつながる理由があることがわかりました

今は何もできないけど理由がわかれば今までより少しはマシだと笑う寅子。

すると穂高は手を叩いて「いいねぇ君。探求心に向上心がある。うちの女子部に来なさい」と寅子に言います。

明律大学女子部法科、まもなく女性も弁護士になれる時代が来る。君のような優秀な女性が学ぶにふさわしい場所だ」

その言葉を聞いて寅子は満面の笑みを浮かべます。

トラちゃんの笑顔が見たかった~

寅子は自分がなぜ結婚と言うものに興味が持てないのか、母がなぜお見合いの話を持ってくるのか、自分の意見をただ話しているだけなのになぜ文句を言われるのか、それらの奥にある共通点になんとなく気が付いたのでしょう。

 

女であることで男よりも低く評価されている

そしてこの違和感に声を上げ、男女関係なく国民全体が同じように保証をされる世の中を実現させるために、寅子には学びが必要だと穂高博士は話したのでしょう。

そして寅子自身もこのモヤモヤした気持ちを解決するために法律の勉強をしたいと考えます。

穂高博士の言葉は寅子の気持ちに一筋の道を示してくれました。

君にふさわしい場所だと言われて思わず浮足立ってしまったね

「虎に翼」第1週「女賢くして牛売り損なう?」(3)ネタバレあらすじ~あまり学をつけても~

家に帰り寅子は父親に「女子部で3年学べば男子学生と同じ法学部に進める、私みたいな優秀な子にふさわしいんだ」と必死に話します。

優三はお見合いに前向きになったのにすみませんと謝るのですが、父は寅子にお見合いをさせることに抵抗があったと言い、はるは自分が説得すると宣言します。

喜ぶ寅子は父と女学校へ行き、先生に内申書を準備してほしいと頼みます。

すると先生は本当によろしいのですか?」と言い大学を卒業する頃には20代半ば、あまり学をつけすぎてもお嫁のもらい手が…と心配しますが父は聞く耳を持ちません。

大丈夫だ、お父さんが何とかすると寅子に言う父。

ですが、はるが香川から帰ってきてもなぜか父は一向に大学の話をしてくれません。

やっぱりはるが怖いのかなぁ

はるを説得させるのは並大抵じゃないからねぇ

寅子が女子部に進学したいと考えたのは、はるが香川に帰っている間の出来事です。

今まで家族の事を考え、将来を案じてきたはるに何も言わずに決めたことが寅子にとっても少し心配でした。

きっと母は進学したいといったら怒るだろう 結婚しないことの言い訳にするために進学を決めたと思うだろう

はっきり自分の意見を話せる寅子ですら、母の説得には自信がありません

寅子にこれ以上学を身につけさせたらお嫁のもらい手が無くなってしまうかもしれない。

まさに”女賢くして牛売り損なうのことわざのように 女は、利口のようでも大局を見通す力が無く、目先の欲にとらわれて、かえって事を仕損じるとでもいうのでしょうか。

はたして寅子の考えはことわざの通りなのでしょうか。

「虎に翼」第1週「女賢くして牛売り損なう?」(3)ネタバレあらすじ~お母様のご機嫌~

寅子はイライラしています。

父は香川から帰ってきた母に女子部を受験する話をまったくしません。

せっかく穂高博士に君のような優秀な女性にふさわしいと言ってもらえたのに、もどかしくて仕方ありません。

今からお母さんに話してくると息巻く寅子に花江が現れて待ったをかけます

花江は寅子に法律の勉強がしたくても今はちょっと待ってほしい、無事に結婚式が終わるまでははるのご機嫌を損ねないようにしてほしいと言います。

そして直道に一目ぼれをした花江はお見合いが進むのを待っていたと話し、どうしても欲しいものがあるのならしたたかに生きなさいと寅子に言うのです。

花江は卒業前に結婚することが夢だと話していましたが、本当は直道の事が好きだったのですね。

自分からアプローチなんてできない時代だもの。

花江は自分の初恋が成就するよう願い祈ってきたんだね

女学校卒業前に結婚する、それも自分が一目ぼれした相手と結婚して幸せな家庭を築きたい

花江はおっとりしているようでも自分の夢を現実のものにするために、いろいろ努力をしてきたと言います。

それを知った寅子は「えげつない」と言いますが花江は寅子に「欲しいものがあればしたたかに生きる」ことも大事だと話します。

だからこそ今は母はるのご機嫌を損ねないよう、直道との結婚式が無事に行われるように協力してほしいと話すのです。

おっとりのんびりしているように見える花江は実はしたたかで賢い女性なのですね。

花江ちゃん、きっとトラちゃんの良き理解者になるはず!

 

したたかに生きることは自分の考えを持つことだよ

「虎に翼」第1週「女賢くして牛売り損なう?」(3)ネタバレあらすじ~グッときた名シーン~

第3話の中で私が印象に残ったのは寅子の親友、花江の言葉です。

花江は寅子の事をずっと近くで見ていました。

だから結婚が幸せだと思えないことや自分が結婚した姿が思い浮かばない、心が躍らないという悩みを時に茶化しながらもずっと真剣に考えてくれています。

親が子に結婚させたいのは幸せになってもらいたいから、結婚することが親への報い、寅子の母のように結婚したその家で一番になればいい

寅子が結婚をすることに前向きになる様に、結婚したその後も寅子らしくいられるように花江なりにアドバイスします。

特に最近は法律に興味を持った寅子が進学を強く希望していることを感じていました。

寅子の気持ちを尊重しつつ、寅子らしく生きていくにはどうしたらいいか

花江は自分の欲しいものや夢、憧れを手にするために自分はどうしてきたかを話します。

花江は単に結婚がしたかったからではありませんでした。

学校で誤ってバケツの水をかけられてしまった直道が、相手を怒る訳でなく爽やかに笑う姿をみて「この人と結婚したい」と一目ぼれしたからでした。

花江は直道との結婚を実現するために人知れず努力をしていました。

にこにこと笑いおっとりと話す普段の花江も自分が欲しいものを手に入れるためにはしたたかに生きることが大事だと感じていたのです。

単に結婚がしたかった訳ではなかったのでした。

花江は大好きな直道と自分らしく生きる場所を築きたかったのです。

結婚を夢見る少女だと思っていた

花江も自分らしく生きる場所を探していたのね

女性が自分らしく生きるためには賢くしたたかに生きることが大事なのですね。

「虎に翼」第1週「女賢くして牛売り損なう?」(3)ネタバレあらすじ~知識や教養~

寅子の父親:猪爪直言(いのつめ なおこと)役の岡部たかしさんについて調べてみました。

名前 岡部たかし
生年月日 1972年6月22日
出身地 和歌山県
事務所 クリオネ

岡部たかしさんは24歳の頃役者を目指し上京し劇団東京乾電池に所属していたこともありました。

その後演劇ユニット「午後の男優室」や「城山羊の会」など舞台で活躍

2022年テレビドラマ「エルビス-希望、あるいは災い-」の村井プロデューサー役で注目をあびました。

主なNHK出演作について調べてみました。

作品名 放送年月 役名
連続テレビ小説「エール」 2020年 立川敦司役
今ここにある危機とぼくの好感度について 2021年5月 浜田剛志役
17才の帝国 2022年5月 鷲田光役
空白を見たしなさい 2022年6月 オカダ役
夜ドラ「あなたのブツが、ここに」 2022年8月 葛西信夫役
NHK連続テレビ小説「ブギウギ」 2023年10月 アホのおっちゃん役

 

あなたのブツが、ここに」の社長役、よかったな

前作の朝ドラ「ブギウギ」から連続して出演もすごいね

寅子の父:直言は 銀行に勤め、3人の子どもの父として猪爪家を支えます。

妻のはるには頭が上がらず、言いたいことを言うこともできません。

ですが法律を学びたい寅子の夢を応援する優しくおおらかな父親です。

下積み時代も長く、人生経験が役柄ににじみ出る岡部たかしさんに注目してくださいね。

「虎に翼」第1週「女賢くして牛売り損なう?」(3)ネタバレあらすじ~次回予想~

女子部に進学して法律の勉強をしたい寅子ですが、母はるにはその話ができていません。

父親は応援してくれていますが、はるに寅子の進学の話をする素振りすら見せません

やきもきする寅子ですが親友の花江からは兄:直道との結婚式が終わるまでは母の機嫌を損ねないようにしてほしいと頼まれてしまいます。

寅子はどうしたらいいのでしょうか。

梅本
梅本

父親に任せておくべきか、自分で母親に頼みに行くのか

寅子の頭に浮かんだ「はて?」が解決する日は来るのでしょうか?

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