第13話山田よね(土居 志央梨)はなぜ法律を学ぼうと思ったのか?

連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。

困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。

今週のタイトルは「女三界に家なし?」です。

女三界に家なしとは、女性には心から安らげる場所がこの世の中には全くない、という言葉です。

女は子供のうちは親に従うもの、成人すれば結婚し夫に従い、老いては子供に従うもの」という考え方ですが、果たしてその真意はどこにあるのでしょうか。

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(13)ネタバレあらすじ~前回までのあらすじ~

法廷劇「毒饅頭殺人事件」を演じている最中、男子学生の野次が始まりました。

穂高先生は必死に咳ばらいをしますが誰にも伝わりません。

「どうせ誰も弁護士になんてなれねえよ」

今まで我慢していたよねもその言葉には我慢できず、男の傍に行きました。

男は思わずよねを突き飛ばします。

せっかくの法廷劇が台無しになってしまいそうです。

女子部存続のための法廷劇、客席にはあの帝都新聞の記者もいるのに!

これ以上女子部のみんながバカにされるのは許せないけど、でもどうしたらいいの?

寅子はどうする?みんなはどうなるの?

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(13)ネタバレあらすじ~荒れた法廷劇~

野次を飛ばす学生に詰め寄ったよねは、男に突き飛ばされてしまいました。

寅子も思わず舞台から降りて男子学生をひっかいたつもりでしたが、その相手は寅子を心配し間に入った優三でした。

怒ったよねは男子学生の股間を蹴り上げ、男は悶絶し倒れました。

会場は騒然、帝都新聞の記者はすごいネタが撮れると写真を撮りまくります

穂高先生は「もうやめんか!!」と叫び法廷劇は中止となってしまいました。

もちろん新聞記事としては格好のネタです。

トラちゃんのお父さん、寅子スクラップがまた増えたね

どんな記事でも笑ってくれる父の懐の深さに和まされるわ

全くどうしようもない事態です。

真面目に女子部存続をかけて取り組んでいる寅子たちに容赦なく浴びせられる野次。

耐えて、一生懸命聞こえないふりして劇を全うしようとしているのに「どうせ誰も弁護士になんてなれない」の一言は我慢できませんでした。

舞台を降り男子学生のところに詰め寄るよね。

よねを制止しようとした寅子、寅子を制止しようとした優三。

優三さんはいつでもトラちゃんの味方だもんね

よねは怒りにまかせて思いっきり男子学生の股間を蹴り上げました。

やるねえ、よねさん。

こうなってしまったのは誰のせいなのでしょうか。

野次を飛ばした男子学生のせい?

野次に耐え切れなかった女子部のせい?

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(13)ネタバレあらすじ~騒動の処分~

女子部のみんなに大学側から処分が決定したと言い渡されます。

久保田先輩は「なぜ我々が罰せられるのですか?」と冷静に尋ねますが「これからは女性らしい振る舞いを」と学長に言われます。

寅子は「はて?女性らしい振る舞いとは?」と聞くのですがよねは「暴力をふるったのは私です。処罰は私だけが受ければいい」と言います。

涼子さまは「これは女子部みんなの問題でしょ」とよねに言うのですが、そういう馴れ合いはごめんだと言って学長に判断を迫り立ち上がろうとします。

ですが突き飛ばされてケガを負ったからでしょうか、よねは立ち上がれません。

よねさんは自分が暴力をふるった事が処分の対象であるとすれば自分が罰を受けるべきだと言います

ですが今回の騒動の発端は男子学生の野次。

あることないこと言って法廷劇を妨害し、女子部のみんなにとっては禁句ともいえる「弁護士になれない」という言葉を放ったその行為を処罰しない大学側に問題はないのでしょうか。

そもそも女子部を存続させるために女子部のみんなや涼子様に頼るところがなんか違うんじゃないかと思えるのです。

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(13)ネタバレあらすじ~弁護士を目指した理由~

1人では歩けないよねに手を貸しながら、寅子たちはよねの案内で進みます。

埃っぽい狭い路地には昼間から酔っ払った男たちがあちこちにいます。

カフェー燈台の中に入った寅子たちは店内のいかがわしさに落ち着きません。

寅子はコーヒーを入れるマスターによねさんはここで住み込みで働いているのかと尋ねます。

女給になれたらある意味楽だったのかもね」と言うマスターは「聞く?彼女が何で弁護士を目指したのか、どんなしんどい目にあったのかわかってもらえたら…」と話を続けます

ですが寅子は「よねさんの話をよねさんがいないところでよねさんじゃない人から聞くのは違うと思う」とマスターの話を断ります。

その人がいないところで話す話は本当かどうかわからないもんね

訳あり話って興味本位でつい聞きたがる人もいるしね

マスターはよねの事を寅子たちにわかってもらいたくて話そうとしたようですが、奥からよねが店の準備をしに出てきます。

そして「勝手に勘繰られてもうっとおしい」とグラスを磨きながら自分のことを話し始めます。

多くの女給をみてきたマスターはどんな思いをよねに抱いているのでしょうか。

マスターの風貌はちょっといかがわしい雰囲気ですが、よねの良き理解者のように思えます。

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(13)ネタバレあらすじ~生い立ちを語る~

よねはなぜここで働いているのか、なぜ法律の道を進もうと思ったのか自分の事を話はじめました。

  • 百姓の次女として生まれ、朝早くから薪を取り、水汲み、畑仕事に弟たちの子守、夜は内職と働きづめ
  • 姉はよねの事をいつも気遣って励ましてくれた
  • よねのことを心配してくれていた姉は15歳で女郎として売られてしまった
  • 自分も15歳で売られるとわかり、父に女を辞めて働くと頼んだが無理だった。

父の元から逃げ、たどり着いたカフェー燈台でマスターに「女を辞めたんだ。雑用でもなんでもする、人一倍働く。だからお願いします」と土下座し頼みました。

マスターはよねさんのことちゃんと理解してるんだね

こんな話、よねさん自身に言わせたくないって優しいマスターだね

こういう時代もあったんですね。

たった15歳で1人で働くことを決めたよね。

頼れる人もなく、すべてを自分で決めて生きるしかなかったよね。

よねさんに心安らげる場所はあるのでしょうか。

そんな余計なことを考える時間があれば一生懸命勉強に取り組んで一日も早く弁護士になることがよねさんの生きる意味で目標なのでしょう。

自分たちの生い立ちと比べてあまりにも違い過ぎるよねさんの告白に、言葉を失う寅子たちです。

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(13)ネタバレあらすじ~グッときた名シーン~

今回クローズアップするのは、よねさんが自分の生い立ちと法の道へ進むと決めた理由を話すシーンです。

ボーイになって何年か経った後、姉が置屋の主に騙されていることを知ったよねは、そのお金を取り戻す方法を調べましたが自分の力ではどうにもできませんでした。

そんな時ひとりの弁護士を名乗る男がよねに近づいてきました。

力になろうか」と言う男はお金なんていいんだとよねの腕をつかみよねの頬や耳を触ります。

それがどういう意味か、よねは覚悟を決めたのでしょう。

普通は公序良俗に反する行為に対する賠償請求は敗訴することが多いはずだと寅子たちは思いました。

ですがその弁護士は脅しをかけ相手からお金を取り返したとよねにみせます。

男は成功報酬を抜き取りながら「また困ったことがあったら言ってね」とよねの耳元でささやき帰っていきました。

その後置屋を追い出されてしまった姉は男を作り、いなくなってしまいました。

姉を助けたかった、姉が身体を犠牲にして作ったお金を取り戻したかっただけなのに結局姉はどこかに行ってしまいお金も渡せない。

男はよねに「法に勝る力なし」と言っていました。

店にあった新聞で明律大学に女子部ができることを知ったよねは姉に渡せなかったお金を使い必死に勉強し大学に入学したのだと言います。

よねさん、自分の生い立ちをどこにでもある話だと淡々と語ってる

貧乏な生活のため売られていった姉、トラちゃんたちの住んでいる世界ではありえない話だろうね

 

女を捨て男装しボーイとして働いていたよねは、姉の為に女を使い騙されたお金を取り戻そうとしました。

一番嫌いな女を使ってまでして姉を救ってあげたかったよねさん。

その悔しさが法を手にしその武器で相手をぶん殴ってやるという強い思いになっていったのでしょう。

「私とあんたらは違う、だからもう関わるな」

自分の貧しい生い立ちや姉のためにした事など、寅子たちには聞いたことも考えたこともなかったよねの生きてきた世界。

あまりにも違い過ぎる学生たちに自分と関わると迷惑をかけてしまうかもしれないとよねは思ったのでしょう。

寅子たちを拒絶したのではなく守ろうとした言葉のように思えます。

寅子たちはよねに何を言ってあげたらいいのでしょう。

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(13)ネタバレあらすじ~知識と教養:連続テレビ小説おしん~

よねさんの貧しい生い立ちを知り、SNSでは過去にNHK連続テレビ小説で放送されたおしんを思い出す”とか”おしんを超えた”など大きな反響となりました。

今回は連続テレビ小説「おしん」について調べてみました。

「おしん」は1983年(昭和58年)にNHK連続テレビ小説として放送れたテレビドラマです。

当時非常に話題となり、平均視聴率は52.6%、最高視聴率は62.9%とテレビドラマの最高視聴率記録となりました。

戦中と戦後の混乱期をたくましく生きた女性:おしんを小林綾子さん、田中裕子さん、音羽信子さんの3人の女優さんが演じたこのドラマ。

やはり一番印象的なのはおしんが口減らしのために7歳で親と別れ奉公に行くシーンです。

おしんは山形の生まれで9人家族。ここ数年凶作で作物が取れず、地主への借金も増えていくばかり。

父親は口減らしのために7歳のおしんに1年間奉公に出るように言い、その前払いとして米一俵が届きます。

おしんは雪の積もる寒い中、いかだに乗って奉公に向かいます。

母や父を呼ぶおしんの必死な叫びが涙を誘います。

ドラマ「おしん」で描かれた時代は明治40年ですが貧しい東北の村では子供が奉公に出るのは当たり前で、おしんの姉2人も奉公に出ていました。

まだまだ日本は貧しい国でした。

大正12年に起きた関東大震災の影響や世界恐慌の影響で生糸が暴落したり、日本の農村は大打撃を受けます。

昭和恐慌なんて言われてたんだね

天候の影響で凶作に見舞われた農村では、食べるものがない欠食児童の問題娘の身売りが横行したと言います。

貧しい家に生まれたものは一生苦しい生活を強いられ、豊かな家庭に生まれたものはその苦しさに気づかないまま過ごしていました。

よねの周りではありきたりな話でも寅子たちにはショッキングな話でした。

いまからたった110年前の話です。

子どもが働き、体を売って生活を支える、そんな時代も日本にはあったのです。

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(13)ネタバレあらすじ~次回予想~

法廷劇の騒動でケガをしたよね、住み込みで働くカフェー燈台まで寅子たちに連れてきてもらいました。

なぜここでよねは働いているのか、なぜ男装をしているのか、法律の道を目指すようになった理由をよねは「ありきたりだ」といいながらよね自身の口から話します。

騒動の処分は自分が背負うというよねは「私とあんたらは違う、もう関わるな」と言います。

壮絶なよねの過去を知り言葉を失う寅子たち。

何をどうしたらいいのかわかりません。

梅本
梅本

よねさんが働きながらめちゃめちゃ勉強して女子部に入学できたのはすごい。みんなとは本気が違うとよねさんが言いたくなるのもわかる。よねさん、立派な弁護士になれるように頑張って!

 

 

 

 

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