虎に翼第44話佐田優三(仲野太賀)さんはなぜ死んでしまったの?約束した河原で過ごす佐田 寅子(伊藤 沙莉)の心境は?

虎に翼

連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。

困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。

今週のタイトルは「男は度胸、女は愛嬌?」です。

「男は度胸、女は愛嬌」とは男にとっては物おじしない“度胸”が、女にはにこやかでかわいらしい“愛嬌”が大事だという意味で使われます。男らしさや女らしさを端的に表す表現でもあります

男にとって必要なものは度胸なのでしょうか、女は愛嬌さえあればいいのでしょうか。そういう側面も大切ですがそればっかりじゃダメですよね。

「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(44)ネタバレあらすじ~前回までのあらすじ~

言いたいことを言って、一生分の懺悔をして直言は息を引き取りました。

たくさんかわいがってくれていつも応援してくれていた父の存在は寅子の中で大きなものでした。

これからは私が猪爪家を支えていかなくては

寅子は再び決心します。

戦後の物のない時代、仕事を探すことも大変です。

弁護士として再び寅子が法曹界に返り咲く日は来るのでしょうか。

「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(44)ネタバレあらすじ~優三さんは帰ってこない~

直言が亡くなって、生活を支えていくためにみんな苦労をしています。

ラジオは佐世保に復員船が到着すると伝えています。

400名が帰還するとのこと、ひとりひとりの名前を読み上げています。

寅子は最後の優三さんの顔が忘れられません。

もう一度優三さんに逢いたい。

梅本
梅本

もしかしたらひょっこり帰ってくるんじゃないか、優三さんのことだから。そんな風につい考えてしまいます。そりゃ、あんな紙切れだけじゃ信じられないよね。

マッチの仕事をしながら直明は他の仕事を探すと話します。

早く一人前になってこの家の大黒柱になれるよう頑張ると言う直明は、お母さんや姉ちゃんに楽をさせたいと思っていたけど思ったようにはいかないねと笑います。

思ったようにいかないって本当の直明の気持ちって。。。

本当は大学に行きたかったよね、みんなのために働く役人になりたかったと思う。

本当は帝大を出て役人になる夢をもっていたんだから、その希望を叶えさせてあげられない寅子のもどかしい気持ちはわかります。

自分は好きなことをさせてもらって憧れの仕事に就いたのに、辞めてしまった。

その負い目や不甲斐なさもあるでしょう。

でも直言も亡くなってみんな一生懸命働いている、だから家族を少しでも楽にさせてあげたいと考える直明の気持ちもわかる。。なんだか辛くて苦しい時代ですね。

「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(44)ネタバレあらすじ~帰ってきたお守り~

寅子を訪ねて1人の青年が現れます。

軍服を着た青年はカバンの中から白い布にくるまれたお守りを出しました。

寅子が優三さんの為に作ったお守りです。

復員を待つ収容所のベッドが隣だったと話す青年は、自分の病状が悪化した時に優三さんがこのお守りを握らせてくれたと話します。

このお守りにはとてつもないご利益がある、だから絶対助かる

自分は持ち直したが優三さんのご利益を吸い取ってしまったんじゃないか、申し訳ないと青年は謝ります。

ほんの短い間でしたがとても優しい いい男でした 

青年は深々と頭を下げ涙をこぼします。

悲しいけれど優三さんへのお守りはちゃんと役目を果たし、寅子の元へ帰っていきました。

NHK好き男性(藤村茂)
NHK好き男性(藤村茂)

優三さんの様子が目に浮かぶ。。

NHK好き男性(田中正吉)
NHK好き男性(田中正吉)

わざわざ届けに来てくれてありがとう。君もいい男だと思うよ

「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(44)ネタバレあらすじ~心がボロボロになる前に~

はるは寅子に「お父さんのカメラを売ってきました」と言いお金を手渡します。

驚く寅子に「明日出かけてきなさい。自分の為だけに使いなさい」と言い「贅沢ではありません、必要なことです」と言うはる。

花江さんも私もどうしようもなくなったとき、内緒で思いっきり贅沢しました。そうするしかなかった

「心が折れてボロボロになる前にお願いだから立ち止まって優三さんの死とゆっくりむきあいなさい」と言うはる。

梅本
梅本

生活や仕事の忙しさに感情を押し殺しているうちに、いつか自分じゃなくなってしまう。悲しいけれど苦しいけれど愛する人を失ってしまった事は事実。その事実を受け入れるために、相手のことを思い愛おしむ。そういう時間が人には必要だ、そのために使うお金は必要なものだと言います。やっぱりはるさんはさすがだな、素敵な人で立派な母です。

「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(44)ネタバレあらすじ~1人で食べる焼き鳥~

寅子は翌日出かけます。

闇市をさまよい焼き鳥2本とどぶろくを買う寅子、思い出すのは「美味しいものは一緒に」と2人で食べた時の優三さんの笑顔です。

お金を置いて食べずに出ていく寅子を店主の女性が「もったいないから持ってお帰り」と焼き鳥を新聞紙に包んで手渡します。

梅本
梅本

何も言わず無表情なままの寅子をみて「しっかりするんだよ、ね」と励ます女性。こんな人を何人も見てきたのでしょうね。優しさに心打たれます。

寅子はあの河原に行きます。

新聞紙に包まれた焼き鳥にむかって「分け合って食べるって言ったじゃない」と文句を言う寅子。

必ず帰ってくるって言ったじゃないと言い、泣きながら焼き鳥を口にします。

焼き鳥を包んだ新聞には新しく制定された日本国憲法が。。。

NHK好き主婦(三村和子)
NHK好き主婦(三村和子)

これ「虎に翼」の第1話のシーンだ。。。

NHK好き主婦(笹木たえ)
NHK好き主婦(笹木たえ)

あの時の寅子の気持ちってこんな状況だったんだ。。。

寅子は新聞の日本国憲法を読みながら、優三さんの言葉を思い出します。

トラちゃんができるのはトラちゃんの好きに生きることです。僕の大好きな何かに無我夢中になっている時の顔をして、後悔せず心から人生をやりきってくれること
優三さんの死を知って心を閉ざしてきた寅子、優三さんと2人で過ごしたこの河原で帰ってこない優三さんに文句を言い、命を奪った戦争を憎み、ようやく涙を流すことができました。
溢れ出る涙とともに思い出す優三さんの言葉や想いに大声をあげて泣く寅子。
辛いけれど、寂しいけれどこういう時間が人には必要なのです。
気持ちは簡単には切り替えられないけど、きっとこの日があったから寅子はまた進んでいく事ができるのでしょう。

寅子の隣にはいつも優三さんがいます。

「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(44)ネタバレあらすじ~グッときた名シーン~

私ははるさんの心遣いにグッときました。
優三さんの死亡を知らされて以来、心を閉ざしたかのような寅子。
無表情で感情を無くし、悲しみだけでなく喜びや楽しさも感じられなくなっているようでした。
家族を支えるためには一生懸命仕事をこなし、少しでも生活が楽になる様に働くことに気持ちを向けていました。
そんな寅子を見て、はるはこのままじゃ寅子が寅子らしくなくなってしまうと思ったのでしょう。
花江に「私に気を使わなくていい、優三さんの話をしていいのよ」と言われても、そっと写真を飾るだけの寅子。
きっと言葉にしてしまうと今までこらえてきた愛情や収拾のつかない感情が出てしまうことが怖かったのでしょう。
大事な直言の形見でもあるカメラを売って、寅子にお金を渡すはる。
戦争で夫を亡くした花江や夫に先立たれた自分も同じように自分の為だけに時間とお金を使って、夫との大切な思い出をかみしめたりする時間が必要だ。
寅子だけじゃない、花江や自分もそうやって夫の死を受け入れて気持ちを整えてきたのだと言い、そういう時間が必要だと話すはる。
本当は形見でもあるカメラ、猪爪家のいろんな日々を収めてきた思い出深いものだけれど、きっと大事な娘が自分を取り戻すためなら直言もいいよって言ってくれるはず。
それぞれの人の寅子を思う気持ちがあのワンシーンの中に込められていて、すごく感慨深いものに感じました。

「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(44)ネタバレあらすじ~知恵と教養:復員船について~

復員とは、軍隊の体制を「戦時」から「平時」に戻し、兵を動員状態から服務待機に戻すことを指し、後には軍務を解かれた兵が帰郷することを”復員する”といいました。

「復員船」は、終戦時に海外に取り残された軍人や一般人の日本への引き上げを担った特別の輸送船です。

旧日本軍の艦艇、日本の船舶、アメリカから貸与された船舶が使われ600万人以上が日本に帰還しました。

ラジオでは復員船で帰還した人の名前を読み上げていました。

寅子のように死亡告知書が届いていても、もしかしたら帰ってきてくれるかもしれないと読み上げる名前を聞き洩らさないようにしていた人も大勢いたのでしょうね。

当時のラジオでは『尋ね人の時間』や『復員だより』『引揚者の時間』と称する番組があり、聴取者から送られてきた連絡不能となった人の特徴を記した手紙を読む番組もあったそうです。

「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(44)ネタバレあらすじ~次回予想~

河原で1人で食べた焼き鳥。

美味しいものを2人で食べることはもうできない。

優三さんの事を思い、大声をあげて泣く寅子。

「トラちゃんが後悔せず心から人生をやりきってほしい」という優三さんの言葉が胸に来乘ります。

焼き鳥を包んでくれた新聞には新しく制定された日本国憲法が載っていました。

好きに生きる。無我夢中になって一生懸命に生きる。

優三さんの願いを叶えるため、私はどう生きたらいいのか

優三さんの人生に恥じないように生きるにはどうしたらいいのか

優三さんの死を受け入れて寅子はどう変わっていくのでしょうか。

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