虎に翼第49話ホーナー(ブレイク・クロフォード)さんからもらったチョコレート。花岡悟(岩田剛典)と分け合う佐田寅子(伊藤沙莉)

虎に翼

連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。

困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。

今週のタイトルは「女の知恵は鼻の先?」です。

「女の知恵は鼻の先」とは女は目先のことにとらわれて、先のこと、大局的なことが見えなくなりがちだということ。

うーん、確かに。と思ってしまいがちですが、本当にそうでしょうか。将来を見据えて家計管理をしたり子どもや家族の未来を案じることは、先のことを見通しているんじゃないのでしょうか。

「虎に翼」第49話第10週「女の知恵は鼻の先?」ネタバレあらすじ~前回までのあらすじ~

久しぶりに会った花岡は寅子に「久しぶりだね」とほほ笑みます。

2人は以前のようにベンチに座りお昼ご飯を食べます。

あの頃とはいろいろ変わってきた寅子と花岡、久しぶりの再会は2人にどんな影響を及ぼすのでしょうか。

桂場には薄っぺらくなったと野次られ、ライアンからは謙虚だねと言われてしまう寅子の姿は花岡の眼にどう映っているのでしょうか。

「虎に翼」第49話第10週「女の知恵は鼻の先?」ネタバレあらすじ~前も今も全部君だよ~

「弁護士に戻ったんだね」と話す花岡に、今は司法省の民事局で働いていると説明する寅子。

「そうなのか」という花岡は少し残念そうです。

花岡も2人の子どもがいると言い、今は東京地裁で経済事犯専任判事として食糧管理法違反の事案を担当していると話します。

食料や物資を国が統制していた時代、勝手に取引するヤミ商売は罰せられていました。

寅子は自分のお弁当箱のごはんがヤミ米であることが恥ずかしくなり、お弁当の蓋を閉じてしまいます。

花岡のお弁当箱には少しのお米とお芋がひとかけら入っているだけです。

梅本
梅本

花岡は「告発したりしないよ、君は堂々としてろよ」と言いますが、寅子は法を犯しているのは事実だからと食べるのを止めてしまいます。「変わらないね、君は」とほほ笑む花岡、相変わらずの紳士対応ですね。

寅子は心がホッとしたのでしょう。花岡にちょっと愚痴をこぼします。

「みんな私が変わったって言う。大人になったとか謙虚とか
NHK好き主婦(三村和子)
NHK好き主婦(三村和子)

「謙虚⁉」花岡の声も思わず裏返っちゃう!

NHK好き主婦(鈴村春子)
NHK好き主婦(鈴村春子)
そりゃ驚いて聞き返しちゃいますよね~
寅子が心おきなく本音で話せる相手はやっぱり同じ時間を共に過ごした仲間しかいないのでしょう。
自分では変わっていないつもりなんだけどと話す寅子に花岡はこう言います。
梅本
梅本

「前も今も全部君だよ。どうなりたいかは自分で選ぶしかない、本当の自分を忘れないうちに」全部梅子さんの受け売りなんだけどねと笑う花岡、懐かしいと思い出して笑顔になる寅子。

梅子さんの言葉は花岡の心の中でずっと生きていたんですね。
そして自分自身の心の支えとなってきた、仲間を思う気持ちはみんなの心の中にもあると再認識した寅子です。

寅子にも花岡にも一緒に過ごした仲間が必要なんだよね

「虎に翼」第49話第10週「女の知恵は鼻の先?」ネタバレあらすじ~花岡の仕事とは~

寅子は花岡にさっきホーナーさんからもらったチョコレートを半分渡します
「受け取れないよ、それこそ代替食に反する」という花岡に寅子は「あなたでなくお子さんに」と言います。
「ありがとう、猪爪」とほほ笑む花岡。
寅子と別れた花岡は桂場のところへ行きます。
「懐かしい人に逢ったら急に桂場さんの顔見たくなってしまって」と言う花岡に「ずいぶん感傷的だな、良く寝て身体を休めろ」と気遣います。

珍しく桂場さんが優しい言葉をかけてる。。。

桂場は花岡の置かれている立場や状況をわかっていたのかも。

花岡は苦しんでいました。
梅本
梅本
人としての正しさと司法としての正しさがここまで乖離していくとは思いませんでした。でもこれが俺たちの仕事ですもんね
桂場に深々と頭を下げた花岡。桂場は声をかけてあげたいけれど言葉が見つかりません。

法に乗っ取り罪を犯している人を処罰しなくてはならないが、果たしてその基準となる法律は正しいのか、現状にあっているのか。

混乱する世の中に全て対応できているとは思えません。

生きていくためにはヤミ取引をすることはやむを得ないと頭では理解できるのに法律との板挟みに悩む花岡、桂場は花岡の苦しみを本当に理解していたのでしょうか。

「虎に翼」第49話第10週「女の知恵は鼻の先?」ネタバレあらすじ~ホーナーさんとチョコレート~

寅子は家に帰り、ホーナーさんにもらったチョコレートを家族みんなで分け合って食べました。
甘~い!と喜ぶ子どもたち。
ちょうどその時、ライアンとホーナーさんが寅子の家にやってきました。
ホーナーさんはどうしても今夜寅子に渡したい、チョコレート1枚では足らないだろうとチョコレートを持ってきてくれたのです。
「チョコレート!?」隣の部屋にいた直人と直治は思わず叫んでしまいました。
チョコレートの言葉に思わず障子を開けた直人たち。
子どもたちの顔をみたホーナーさんは「いろいろ思い出してしまって」と涙をぬぐいます。
ホーナーさんの祖父母はユダヤ人で亡命してアメリカに来たのですが、戦争では大勢の親戚が亡くなったと言います。
「戦争で何も傷ついてない人なんていないですよね」と言う直明。
敵国の人も同じなんだ。。。直明の言葉を聞いた花江の心は揺らぎます。
子どもたちにたくさんのチョコレートを渡すホーナーさん。
花江はホーナーさんに「thank you for childre」と涙をこらえてお礼を言います。
ホーナーさんは「子どもたちの為に頑張りましょう」と寅子を励まします。
「Yes of course!(もちろん)」と笑顔で握手を求める寅子です。
梅本
梅本

チョコレートを食べて嬉しそうな子どもたち。子どもたちの笑顔はみんなを笑顔に変えていきます敵国アメリカ、直明さんの、優三さんの命を奪った戦争の相手。ですが憎むべきは戦争であって人ではない。どの国の人もみんな辛く悲しい思いをした。みんな同じなんです。

花江の気持ちに少し変化が生まれてきました。

「虎に翼」第49話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~不幸にしたのは私だ~

我々は封建的家族制度の残滓を一掃し世界に誇るに足る真に民主的な民法改正が実現されることを希望するものである
寅子は女性代議士のみんなの決議書に自分も署名させてくださいと頼みます。
当たり前じゃないかと笑う橘さんに寅子の顔にも笑顔が戻ります。
NHK好き主婦(鈴村春子)
NHK好き主婦(鈴村春子)

弁護士:佐田寅子ではなく司法事務官 佐田寅子なのね

NHK好き主婦(笹木たえ)
NHK好き主婦(笹木たえ)

立場は違えど気持ちは同じ、心は同志ってことかな?

改めて民法改正審議会が開かれました。桂場も参加します。

ライアンが桂場を番犬として呼んだって。。。笑

さて番犬はどう活躍するのでしょうか?

神保教授は意見書を読んでどなたも根本を理解していないと最初から牽制してきます。
梅本
梅本

なぜ今の家族の在り方を否定する必要があるのかと問う神保教授、それでは国民やGHQが納得しないと反論する穂高先生。はいはい、始まりましたね~かみ合わない会話のスタートです。

  • 憲法で国民の平等をうたっているのなら家長制度は撤廃すべき→妻の苗字を名乗ったら家族の結束やご先祖とのつながりを感じられない
  • 男性に権利が偏っている家制度は均整がとれていない→穂高先生はご婦人びいきだから
そもそも審議の場に女性が佐田君しかいないのも問題
NHK好き男性(田中正吉)
NHK好き男性(田中正吉)

いや穂高先生、今それを言うのかい~

NHK好き男性(藤村茂)
NHK好き男性(藤村茂)

おいおい、そりゃとばっちりだよ~

うーん、意見は平行線のまま、議論になかなか入っていけず、一旦休憩となりました。
寅子は桂場の部屋へ行きます。
NHK好き主婦(笹木たえ)
NHK好き主婦(笹木たえ)

トラちゃん、休憩時間は桂場の大事なおやつタイムだよ~

神保教授と穂高先生は物の見え方が真逆、司法には偏らず相反する意見が必要なんだと話す桂場。
そこへ穂高先生が寅子に話をしに入ってきました。
君に新しい仕事を見つけてきた、無理に法曹の世界にいることはない、苦しくて辞めたこの世界にわざわざ戻ってくるのは相当の覚悟がいっただろうこの道に引きずり込み不幸にしたのは私だ。責任を感じている。
「君に専属の家庭教師になってほしいと言う人がいる、給料は…」と話す穂高先生。
待ってください、と寅子は穂高先生に言います。
「不幸?わたしが?はて。。。はて。。。」
寅子の後ろにいた桂場の顔色が変わります。
梅本
梅本

トラちゃんに「はて?」が帰ってきたよ~

「虎に翼」第49話第10週「女の知恵は鼻の先?」あらすじ~グッときた名シーン~

私は花江ちゃんがとても好きで、花江ちゃんの気持ちについフォーカスしてみてしまいます。

チョコレートを食べて喜ぶ子どもたちをみて嬉しそうな花江ちゃん。

突然現れたホーナーさんを見つけて少女のような悲鳴を上げる花江ちゃん。

障子を開けて自分たちの事を見て涙ぐむホーナーさんを訝し気に見る花江ちゃん。

戦争で大勢の親戚が犠牲になったことを思い出してホーナーさんが涙を流していたんだとわかり、自分と同じように傷つき悲しい思いをしてきたんだと悟った花江ちゃん。

寅子が直道の命を奪った敵国の人と仕事してそのお金で生活することに気持ちが追いついていかない時期もありました。

自分だけじゃないんだ、敵国であっても同じように戦争で辛くて悲しい思いをした人もたくさんいるんだ

実際に目の前にいるホーナーさんをみて花江ちゃんは腑に落ちたのでしょう。

一枚じゃ足りないだろうとわざわざ寅子の家にチョコレートを持ってきてくれたその優しさに涙をこらえて英語でお礼を言う花江ちゃん。

短いシーンでしたが花江ちゃんの心の揺れ動きが感じられる素敵なシーンでした。

「虎に翼」第49話第10週「女の知恵は鼻の先?」ネタバレあらすじ~知恵と教養:チョコレート~

チョコレートの歴史について調べてみました。

日本にチョコレートが伝わったのは江戸時代。

寛政9年(1797年)に長崎の遊女がオランダ人から「しょくらあと」をもらったという記載が日本で初めてのチョコレートのことを記した史料と言われています。

また京都の蘭学者:廣川獬が「しょくらとを」と記しており、溶かして飲む薬と扱われていたようです。

その後1858年にヨーロッパへ派遣された文久遣欧使節がチョコレートの工場を見学していたり、フランスに留学していた徳川昭武の日記にココアを飲んだと書かれているものがあります。

大正時代に入り森永製菓や明治製菓が創業し、カカオ豆からの一貫作業によるチョコレートの大量生産が本格的に始まりました。

ですがチョコレートは当時は高価な非常に高価な贅沢品でした。

その後、チョコレートメーカーが増えてチョコレートの需要は一気に拡大し、活発な広告展開や海外進出なども行われました。

しかし1937年、戦争の影響でカカオ豆は輸入制限となってしまったため1940年~1950年には様々な代用品を使ったチョコレートが開発されました。

カカオ豆の代わりにはチューリップや百合の球根、砂糖の代わりにブドウ糖、ココアバターは植物油で代用し、バニラで風味付けをしていたそうです。

1945年、戦後アメリカ軍が日本に持ち込んだチョコレートをきっかけに再度チョコレートが普及します。

当時の子供たちがアメリカ兵に叫んだという「ギブ・ミー・チョコレート」の言葉は聞いたことある人も多いのではないでしょうか。

美味しいチョコレートが手軽にいつでも食べられる現代は、とても幸せなことだなぁとつくづく感じてしまいました。

「虎に翼」第49話第10週「女の知恵は鼻の先?」ネタバレあらすじ~次回予想~

穂高先生は寅子に「この道に引きずり込み不幸にしたのは私だ。責任を感じている」と話し、新しい仕事先を探してきたと話します。

穂高先生の話を聞きながら、寅子は疑問がわきます。

不幸…?私は不幸なの…?

「はて?。。。」を口にする寅子を見て桂場の眼の色が変わります。

さぁ、トラちゃんにスイッチが入ったみたいですよ!

コメント