松任谷由実さんの楽曲からインスピレーションを受けた3つの短編小説がオムニバスドラマとなりました。
第2週は「冬の終わり」
スーパーのフードコートで働く朋己と仙川さんが、店内BGMで流れたユーミンの「冬の終わり」を聞いて話をしたことから何かが動き出すストーリー。
ユーミンの曲を思い出しながら、朋己の気持ちやスーパーで働く人たちの想いを考えながらドラマを楽しみたいと思います。
あなたの周りにもこういう人たちがいるかも
松任谷由実「ユーミンストーリーズ・冬の終わり」2話あらすじ~前回までのあらすじ~
スーパーのフードコートで働く藤田朋己は新しく入ったパートの仙川真帆と全く話ができず、気まずい思いを募らせていました。
家庭では家事も育児も興味がない夫と5歳の息子のワンオペ状態。
先が見えずモヤモヤがたまる中、仙川と同じ時間を過ごす朋己。
話すことが無く気まずい時間に耐えかねた時、店内の有線放送からユーミンの「冬の終り」が流れると仙川の方から朋己に話しかけてきました。
スーパーでの人間関係も一緒に働く西岡さんはもうすぐ退職してしまうし、新しく入った仙川さんとは何も話ができない毎日。
家庭の悩みやちょっとした愚痴などを話す相手もなく、朋己は1人で考えながら毎日を過ごしています。
そんな時仙川さんから話しかけてくれた、それなのに上手に返事が出来ずうまく会話が続かなかった。
もう一度「冬の終わり」が流れたら今度はどんな話をしようか、もう一度仙川さんが「冬の時間」を耳にすることができるように朋己はリクエスト電話をします。
松任谷由実「冬の終わり」2話あらすじ~みつき~
みつきは高校を中退しスーパーの鮮魚売り場でパートとして働いています。
仕事中、制服姿の女子高生を見つけたみつきは厨房に戻って隠れるようにしゃがみ込みます。
パートの定岡さんがその女の子を見て「友達?」と言いますが、みつきは「友達じゃない、元クラスメイト」と言いました。
みつきが通っていた高校は超お嬢様学校で、母子家庭のみつきは体育祭のクラスTシャツ代6000円が払えずコロナを理由に休んだと笑いながら話します。
1週間サボって学校に行ったら居場所も机もなくなってたというみつきは「排除してくれて感謝だよ」と言います。
定岡さんは初めてみつきを見た時、つっぱって見えるけど左右のポッケにハンカチとティッシュが入っててきちんとした良い子だな~って思ったと話します。
「全部ウソだけどね~」と言って笑うみつき。
みつきは高校中退のため、少しとがっているように見えます。
はっきりとものを言ったり、態度で表したりするのでちょっとしたことでも悪くとられがちです。
ですが定岡さんが言うようにポケットにハンカチとティッシュが入っている子は、きちんと親の躾ができているんだろうなと私も感じました。
学校生活がうまくいかなかったと言いながらもみつきは母親にこれ以上負担をかけられないという気持ちがあったのでしょう。
松任谷由実「冬の終わり」2話あらすじ~朋己、鮮魚コーナーに行く~
仙川さんが話してくれた日から2週間、朋己は今日もお客様窓口にリクエストの電話をします。
リクエストはどのチャンネルで何時ごろ聞けるのか、答えてもらえない事を知っていても朋己は窓口係の針ヶ谷さんを頼ることしかできません。
休憩から戻ると店内BGMが突然変わり鮮魚コーナーのタイムセールを知らせるアナウンスが始まりました。
それを聞いていた朋己は鮮魚コーナーに向かい、定岡さんにタイムセールの放送の後に「冬の終わり」を流したいと仙川さんとの話しをします。
突然現れた朋己の様子に近寄ってきたみつきは「それ、友情じゃん」と笑います。
朋己はしどろもどろになりながら「そんなんじゃないです、ただあの空間に油を1滴さしたいっていうか、油をひいて下地を作りたいと言うか…」と説明します。
いや、それが友情だよ~
誰かのために何かしてあげたいってのはもう友達認定だよね
もう一度仙川さんと仕事をしている時に「冬の終わり」を聞きたい、そして今度はもう少し仙川さんとの会話ができるようになりたい
そういう瞬間って誰にでもあると思います。
そんな風に感じては相手との距離を測ったり、新しい会話の糸口をみつけたりしながら人間関係は形成すると思います。
仙川さんと話ができた、あの瞬間をもう一度取り戻したい。
「ただあの空間に油を1滴さしたいっていうか、油をひいて下地を作りたい」と定岡さんに話した朋己はコンタちゃんでの仕事に例えて自分の気持ちを説明したのでしょう。
表現が独特でちょっとわかりにくいかも
だけど熱意は伝わってくるよ
朋己は曲をリクエストしてもかからないことに焦っていたのでしょうね。
松任谷由実「冬の終わり」2話あらすじ~仙川家~
仙川真帆が買い物から戻るとヘルパーさんが洗濯物を干していました。
用意したお昼ご飯もちゃんと食べずトイレも失敗してしまったようです。
団地のキッチンの横にお父さんのベッドがあり、すぐに様子がわかるように配慮されています。
ヘルパーさんは「気にしないでください、誰だって家族に介護されるのが一番ですから」と言います。
夕飯の片付けをしていると、ジャラジャラと音がします。
父親のベッドには麻雀の牌が入ったガラス瓶にぶら下がっています。
父親からの麻雀の誘いです。
ベッドの上に麻雀卓を置いて真帆は父親と麻雀を始めます。
父親の介護をするために東京から戻ってきたと言う真帆。
おそらく父親はずっとこの団地で1人で生活をしていたようです。
仕事がある日は父親の事をヘルパーさんに頼んでいますが「家族が介護する方がお父さんも喜ぶ」と言われるとどうしても真帆の負担は重くなります。
病気の為うまくコミュニケーションがとれない父親は、麻雀牌が入った瓶を振ることで意思を伝えます。
真帆も父親を勝たせる訳でもなく普通に過ごしています。
「冬の終わり」2話あらすじ~前田さん~
翌日スーパーに出勤した朋己は定岡さんとみつきちゃんから「正社員だけどパート思いで弱者の味方だから」と前田さんを紹介されます。
前田さんは「胸アツです」とほほ笑みながら「私であれば館内放送の後音楽をかけるのは可能です」と言ってくれました。
ただ放送機器が古く、音楽はカセットからでないと流せないと話す前田さん。
朋己が困っていると定岡さんが「息子が置いてったユーミンのカセット、うちにあるかも」と言い出します。
もしかしたらうまくいくかもしれない。
昨日は定岡さんの誘いを断ってしまいましたが、今日はみつきと一緒に定岡さんの家へ行くことになりました。
昨日の朋己の行動からいろんな事が動き出してきたぞ
今まで話した事のない人なのにこんなにも協力してくれるんだ
朋己の必死な想いが定岡さんとみつきの気持ちを動かしました。
そして二人が頼ったのは正社員の前田さん。
優しく微笑む前田さんもみんなの気持ちに共感したのでしょう。
朋己の願いが実現できるかもしれない。
みんなの想いが集結し、「冬の終わり」が再び流れる日がもうすぐやってくるのです。
「冬の終わり」2話あらすじ~グッときた名シーン~
今回のグッときたシーンは朋己とみつき、定岡さんが関わり始めるシーンです。
突然鮮魚売り場に現われた朋己の話をまず黙って聞いている定岡さんとその会話を聞いて入り込んでくるみつき。
朋己はしどろもどろになりつつも正直に仙川さんの事を話します。
CDアルバムも買っちゃってもう一度あの曲を流したいと朋己が話すと、みつきと定岡さんはうれしそうに「それ、友情じゃん」と言います。
きっとみつきと定岡さんはファミレスでどうしたらいいのかをワイワイ喋りながら真剣に考えて前田さんなら何とかしてくれるかもとなったのでしょう。
それこそが『友情』でしょう。
帰り際、みつきは高校のクラスメイト:唯から「私も高校辞めたんだ、みつきにずっと謝りたくって」と声をかけられます。
ですがみつきは不機嫌そうに「友達と約束ある」と言って立ち去ります。
追いかけることもできない唯、みつきは自転車をスピードアップして漕ぎます。
2人にいったい何があったのかしら
みつきを追い抜く定岡さんは「今朝、油さしたし~」と叫びます。
するとみつきは実況中継のように「熟女の意地を見せるか~最終コーナーを曲がった、定岡正子~!」と叫びます。
年齢は離れていても学生のように自転車をこぎながら笑うみつきと定岡さん。
2人の後ろをついていく朋己もなんだか楽しくなってきます。
友情っていうか青春やね~
「冬の終わり」2話あらすじ~次回予想~
前田さんを紹介してもらい、館内放送の後「冬の終わり」をかけてもらえることになった朋己。
カセットテープでないと流せないため、定岡さんの家にあるカセットを探します。
無事にカセットテープは見つかるのでしょうか。
そしてみつきは高校時代の友人:唯ともう一度話をすることができるのでしょうか。
この記事を書いたライターです。
子どもの頃からのテレビっ子。翌日学校でドラマの話をするのが大好きでした。
今も変わらずその延長線で好きを形に残したいとライター活動を始めました。
あったかいほうじ茶を飲みながら、のんびりと好きなことを書いていこうと思います。
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