連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。
困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。
今週のタイトルは「女冥利に尽きる?」です。
「女冥利に尽きる」とは女に生まれた甲斐があるという意味です。
第38「虎に翼」「女冥利に尽きる?」ネタバレあらすじ~前回までのあらすじ~
佐田優三(仲野太賀)さんと恋に落ち、身も心も夫婦となり寅子(伊藤 沙莉)は妊娠、憧れの久保田先輩のように子育てをしながら仕事も精力的にこなそうと誓う寅子(伊藤 沙莉)。
しかし久しぶりに会った久保田先輩は夫の実家に帰り弁護士の仕事も辞めることになると言い出します。
主婦業と弁護士、どちらも100%を求められる、出来る訳ないのにと苦しい胸の内を話す久保田先輩に妊娠のことなど話せるわけもなく、この先女性と法曹界をつなぐのは自分しかいないんだと思い知らされてしまいます。
依頼人からの仕事、久保田先輩の代わりに引き受けた法律相談の連載、いつもであれば精力的にこなせるはずが妊娠による体調の変化もありうまく進みません。
心配そうに見守る優三さん、寅子(伊藤 沙莉)は1人じゃないんだよ。
第38「虎に翼」「女冥利に尽きる?」あらすじ~直道への赤紙~
猪爪家のラジオは昭和18年6月5日に行われた山本五十六の国葬の儀を伝えています。
台所にいる猪爪はる(石田ゆり子)のところに静かに猪爪花江(森田望智)が近づいてきました。
こわばった表情、手に持っているものをみて猪爪はる(石田ゆり子)が駆け寄ります。
そっと猪爪花江(森田望智)を抱きしめる猪爪はる(石田ゆり子)。
猪爪花江(森田望智)の目から涙がこぼれ落ちます。
声をあげて泣く猪爪花江(森田望智)。
はるさん背中しか見えないけど、きっと涙でボロボロだと思う
決して多くはないけれど、いつもより豪華な食事が食卓を賑やかにします。
直言(岡部たかし)の出征を門出とすべく、猪爪はる(石田ゆり子)も猪爪花江(森田望智)も綺麗な着物を着ています。
寄せ書きをした日の丸の旗をタスキがけした軍服姿の直道。
子どもたちに挨拶をし、猪爪花江(森田望智)を見つめる直道、2人は思わず駆け寄って抱き合います。
「俺寝られるかな、花江ちゃんが隣にいなくて」と言う直道に「好きよ、直道さん、絶対帰ってきてね」と言う花江。何度見ても涙があふれます。
戦争に行く、それは日本という国のために自分たちができる最大の奉仕。
赤紙が来て召集される、戦場に旅立つ日がいつかやってきて命を落としてしまうかもしれない。
召集される人も残された家族も決して嬉しいわけではないのに「おめでとうございます」と言い笑顔で見送る、これ以上のスンはないと思うのです。
第38「虎に翼」「女冥利に尽きる?」あらすじ~講演会の依頼~
寅子(伊藤 沙莉)の机の上には膨大な資料が高く積み上げられています。
次から次へと舞い込んでくる仕事、これでは妊娠の事を話すことなどできません。
雲野(塚地武雅)は寅子(伊藤 沙莉)に穂高重親(小林薫)先生からの直々のお願いで明律大学での講演会の依頼が来ていると言います。
えっ。。。今。。。?こんなにもたくさんやることがあるのに
穂高先生の依頼なんて断ることできるわけない。。。
そんな寅子(伊藤 沙莉)を怒りの表情で寅子を見つめるよねさん。
トラちゃんの身体が大丈夫なのか心配です。
第38「虎に翼」女冥利に尽きる?」あらすじ~怒りがしみついている~
大学の教室で講演会の準備をする寅子(伊藤 沙莉)。
ふと教室を振り返るとあの頃のみんながそこにいるようで懐かしい気持ちがよみがえり、そしてさみしさが倍増してきます。
みんなで笑いあって一緒に勉強したのに共に過ごした仲間はもういない、今は私しかいない。私しかいない。。。寅子は呪文のように繰り返しつぶやきます。
寅子(伊藤 沙莉)が会場に向かうと穂高重親(小林薫)先生と桂場に出会います。
桂場は「すごい顔しているぞ、怒りがしみついている」と寅子(伊藤 沙莉)に言います。
寅子(伊藤 沙莉)は「ご心配なく、少し疲れているだけです」と返すのですが、その場で倒れてしまいました。
大丈夫かなぁ。。心配だね。
人に指摘されて初めて気付くことってありますよね。寅子は自分を騙しながら無理を重ねて講演会にやってきました。母校である明律大学での講演会、女性の弁護士として後輩に伝えたい思いがたくさんあったと思います。それなのに桂場に「すごい顔だ、怒りがしみついている」なんて言われ、一体どんな気持ちだったのだろうと考えると苦しくなってしまいます。
第38「虎に翼」「女冥利に尽きる?」あらすじ~なんじゃそりゃ~
目を覚ました寅子(伊藤 沙莉)、講演会のことが気になり飛び起きます。
穂高重親(小林薫)先生は「案ずることは無い、私と桂場君で無事済ませたよ」と言い「貧血ではとお医者様は言っていたよ」と優しく伝えます。
寅子(伊藤 沙莉)は誰にも話せなかったことを穂高重親(小林薫)先生に話し始めます。
すると穂高重親(小林薫)先生はすかさず「仕事なんかしている場合じゃないだろう、君の第一の務めは子を産み良き母になることじゃないのかね」と言います。
えっ?穂高先生までそんなこと言うの?
寅子(伊藤 沙莉)も「お言葉ですが今私が立ち止まれば婦人たちが法曹界に携わる道が途絶えることになってしまいます」と詰め寄ります。
だから出産ギリギリまで働きたい、出産後もなるべく早く法廷に立ちたいと思いを伝えるのですが穂高先生は「世の中そう簡単には変わらんよ、”雨垂れ石を穿つ”だよ」と言います。以前女子部廃部になりかけた時穂高先生は同じ言葉を言い、小さな努力が実を結ぶ時がやってくると言いました。しかし今回は逆のニュアンスのように取れます。雨垂れで石を穿つにはものすごく長い年月が必要だと、たった一人の力ではどうにもならないんだと言っているようです。
穂高重親(小林薫)先生は「君の次の次の世代がきっと活躍してくれる」となだめますが、寅子(伊藤 沙莉)は「私は私の話をしているんです」と語気を荒げます。
すると「大きな声を出すとお腹の赤ん坊が驚いてしまうよ」と諭す穂高重親(小林薫)先生。その言葉に寅子(伊藤 沙莉)は思わず笑って「なんじゃそりゃ」と呟き帰っていきます。
部屋の外には桂場の姿がありました。
いつものように何も言いませんが全てを聞いていたようです。
竹もとの話も偶然聞いちゃったしね
そして轟のところにも赤紙が来ました。
轟は「これから男たちはどんどん兵隊に取られていく、お前の仕事がもっと増えていくぞ」と言います。心配そうに寅子を見るよねさんは「私もやれるだけのことはするから、お前は1人じゃない」と言ってくれますが寅子の気持ちは複雑です。
事務所に戻ると穂高重親(小林薫)先生の姿がありました。
なんだか嫌な予感がする。。。
雲野(塚地武雅)は寅子(伊藤 沙莉)に「講演会で倒れたんだって?」と言い、穂高重親(小林薫)先生が謝罪にみえたと話します。
妊娠のことを家族以外の誰にも伝えていない寅子(伊藤 沙莉)、隠していた訳ではありません。
ただ状況が変わってしまったのです。
第38「虎に翼」「女冥利に尽きる?」あらすじ~グッときた名シーン~
家に帰ってきた佐田優三(仲野太賀)さんを笑顔で出迎えた寅子(伊藤 沙莉)は、事務所でもらってきたのと言い「2人でコッソリ頂いちゃいましょう」と言います。
ちょっと驚いた顔をしたもののすぐに笑顔を見せた佐田優三(仲野太賀)さん、寅子(伊藤 沙莉)の心の中になにか辛いことがあったんだと直感したのでしょう。
「嫌なことがあったら2人でこっそり美味しいものでも食べましょう」と言ったことをちゃんと覚えていた寅子(伊藤 沙莉)と佐田優三(仲野太賀)さん。
2人でこっそり食べる飴、まず先に手渡してくれた飴、この優しい人と一緒に穏やかに暮らしていけたらいいのにと思いながら、今日、穂高重親(小林薫)先生に言われた言葉が悲しくて辛くてなりません。
私をここまで導いてくれた恩師でもある穂高重親(小林薫)先生の口から聞きたくなかった言葉。
立派に子どもを産み良き母になることが仕事よりも優先すべきこと。
信じていたものがガラガラと崩れ落ちるかのよう。
寅子(伊藤 沙莉)は何のために誰のために今まで頑張ってきたのでしょう。
佐田優三(仲野太賀)佐田優三(仲野太賀)さんと2人でこっそり美味しいものを食べる、こんな穏やかな日を過ごしたいと考えることは逃げ道なのでしょうか。
第38「虎に翼」「女冥利に尽きる?」~知恵と教養~山本五十六の国葬
第38話の冒頭にラジオは山本五十六の国葬を報じました。
本当に今まで無知で、どちらかと言えば知らないふりをしていた部分が多かったのですが今更ながら激動の時代だったんだなと思います。
今回は山本五十六という人物について調べてみました。
明治17年4月、旧長岡藩士高野貞吉の六男として新潟県長岡市で生まれた五十六、父56歳の時生まれたと言うことで五十六と名付けられました。
明治34年長岡中学を卒業し海軍兵学校に入学し、明治38年巡洋艦日進に乗組し日本海海戦において左手指と右下腿部に重傷を負いました。
大正5年長岡藩家老山本家を継ぎ以後山本姓となった五十六は、大正8年4月からアメリカ駐在武官として渡米しました。
ハーバード大学に入学し英語を学び、欧米諸国の実態をつぶさに視察したそうです。
大正13年霞ヶ浦海軍航空隊教頭兼副長に就任し後に海軍航空本部長を歴任、今後の国防の主力は航空機にあると確信を持ち、一貫して航空戦力の充実に尽力しました。
昭和9年ロンドン軍縮会議予備交渉の海軍代表として出席した山本五十六は、海軍軍縮条約の締結が日本の命運を決める重大事と考え粘り強く交渉を続けました。
アメリカやイギリスと交渉するにあたって、どこまでなら妥協できるのか、各国が持つ軍艦の数などを把握し緻密に計算式を操り、合理的に交渉していたようです。
しかし、山本五十六の思いとは裏腹に、軍縮交渉は日本と英米の溝が埋まることはなく決裂し、その2年後、正式に軍縮体制から脱退した日本は国際的孤立がさらに深まっていきました。
昭和11年(1936)海軍次官に就任した山本五十六は当時の海軍大臣米内光政、軍務局長井上成美らとともに日独伊三国軍事同盟に断固反対の姿勢を貫きました。
山本五十六は「英米に堂々と立ち向かった英雄」として国民に広く知られていきました。
アメリカとの戦争は回避すべきと考え、国際協調を望みながら思いを果たせなかった気持ちと国家の威信や誇り。
国際協調によって守られる国民の命と日本と言う国の尊厳、いったいどちらが大切なのか山本五十六には責任感の重圧がのしかかってきます。
昭和14年連合艦隊司令長官に就任しても最後まで日独伊三国同盟に反対していたと言われていますが、昭和15年には「英米憎し」の世論に後押しされ三国同盟は締結され日本とアメリカの戦争が始まります。
昭和16年ハワイ真珠湾攻撃を敢行し未曾有の大戦の指揮をとったことでアメリカからは「ヒットラーに匹敵する悪魔」とまで呼ばれていました。
昭和18年ブーゲンビル島上空で米軍機に撃墜されて戦死、開戦の1年4か月後のことでした。
死後、軍の最上級である”元帥”の称号を与えられ、葬儀は国葬となりました。
英雄として崇められていた山本五十六の悲報は国民全体が意気消沈してしまう、そう考えた軍部は国葬を執り行うこととしました。
軍人とはいえ身分は皇族や華族ではない山本五十六が国葬とされたのはとても珍しいことだったようです。
第38「虎に翼」「女冥利に尽きる?」あらすじ~最終回予想~
久保田先輩や中山先輩が弁護士を辞めるといい、残されたのは自分一人だと思い悩む寅子。
授かった子どものことや辞めていった仲間たちの思いを考えると寅子はどうしたらいいのかわかりません。
仕事も増え、寝不足もたたり大学での講演会を前に倒れてしまった寅子(伊藤 沙莉)を心配し事務所を訪れた穂高重親(小林薫)先生。
穂高重親(小林薫)先生は雲野(塚地武雅)に妊娠の話もしてしまったのでしょうか。
寅子(伊藤 沙莉)の身体を心配する周囲の人々と自身に課せられた役目の狭間で苦しむ寅子はこの先どうするのでしょうか。
この記事を書いたライターです。
子どもの頃からのテレビっ子。翌日学校でドラマの話をするのが大好きでした。
今も変わらずその延長線で好きを形に残したいとライター活動を始めました。
あったかいほうじ茶を飲みながら、のんびりと好きなことを書いていこうと思います。
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