第12話華族の桜川涼子(桜井ユキ)さまと山田よね(土居 志央梨)果たして法廷劇は成功するのか?

連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。

困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。

今週のタイトルは「女三界に家なし?」です。

女三界に家なしとは、女性には心から安らげる場所がこの世の中には全くない、という言葉です。

「女は子供のうちは親に従うもの、成人すれば結婚し夫に従い、老いては子供に従うもの」という考え方ですが、果たして本当にそうなのでしょうか。

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(12)ネタバレあらすじ~前回までのあらすじ~

寅子の家で法廷劇の衣装を作りに来た涼子さま、梅子さん、崔さんは、お茶を持ってきてくれた花江の事を「女中さん」だと勘違いしてしまいました。

花江は「私なんて女中みたいなもんですから」と笑って受け流しますが、寅子には「お嫁に来た人の気持ちなんてわからない」といい「トラちゃんと違ってやることがいっぱいあるの」とすねてみせます。

そのやりとりをたまたま聞いてしまった母はるは「私がやるから寅子を手伝ってあげて」と言って去っていきました。

ムスっとする花江とはるとの関係はこの先どうなっていくのでしょうか。

大学祭で行われる法廷劇「毒饅頭殺人事件」無事に成功させることができるのかも気になります。

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(12)ネタバレあらすじ~華族桜川涼子の日常~

寅子の部屋で法廷劇の衣装を作る涼子さま、梅子さん、崔さん、寅子と花江。

お嫁に来た人の気持ちなんてわからない」と言った花江は黙々と針を動かします

沈黙の中、時計の秒針の音だけが妙に響きます。

なんて気まずい時間。。

無言で針を進める花江ちゃん、ちょっと圧が。。。

涼子さまの執事の岸田が手土産を持って現れました。

寅子の家を出た岸田は猪爪様は帝都銀行にお勤めだそうでホッといたしました」と言い「女子部には様々なお家柄の方が通われているので」と話します。

ですが寅子の家に来たのは学業ではなく裁縫の為、それならば玉にやらせておけばと岸田はいいたいのでしょう。

「お嬢様の一挙手一投足、世間様は大変興味を持つようです」と忠告します。

家に戻ると涼子様の母:寿子の愚痴が止まりません。

「涼子様はお美しいから殿方から引く手あまたで羨ましいと。もう恥ずかしくて…」

婿養子である父:侑次郎が苦言を呈しますが「あなたは黙っていらして!」と一喝されてしまいます。

寿子は涼子様に「桜川家の女として生まれた役目を果たしなさい」と叱られてしまいます。

桜川家は代々男子が生まれず、つまりは『早く婿を取り、後継ぎとなる男子を産みなさい』と母に命令されているのです。

人から羨ましがられるような生活を送っていても心は満たされていないのね。

気の毒な涼子さま。

寅子の家では涼子様が結婚を拒んだ記事を読んだ父:直言が「日々息苦しいだろうな」と話します。

高級な手土産に大喜びの直道、花江はまたしても1人みんなの食事の世話を焼いています。

寅子はやっぱり花江の様子に気づいていません。

華族の家に生まれた涼子様は綺麗な着物を着て美味しいものを食べ、車で移動しお付きのものが荷物を持ってくれます。

贅沢な暮らしはみんなの憧れの的ですが、結婚せずに大学に通う涼子様は「オールドミス」と皮肉を言われることもありました。

そして何より大切なことは先祖から受け継いだ家を守ること

つまり女である涼子様は婿養子をもらい男の子を産むことが桜川家に生まれた使命なのです。

息苦しいと言うよりももはや束縛に近いよね

自分がする行動や話した事などすべてが注目を集めるなんて逃げ出したくなりますよね。

もはや運命として受け入れるしかないのかな。。涼子様。。

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(12)ネタバレあらすじ~山田よねの日常~

上野の歓楽街にある店の中に入っていく山田よね。

薄暗い店内には男性客に給仕するエプロン姿の若い女性。

笑顔で隣に座っている男性客のご機嫌を取っています。

よねは注文されたものを静かにテーブルに運びます。

すると「もっと愛想よく渡せないかねえ」と客から文句を言われます。

法律なんかお勉強しているからそうなるんだよ」と言う客は大声で女は法律なんか勉強しなくても楽に稼げるんだから」と隣に座る給仕の女性の肩を抱き寄せます。

「楽?どこがだよ?」と怒りをぶつけるよね。

傍にいたマスターの増野がすかさず間に入ります。

よねさんはどうしてカフェーで働いているんだろう?

学費を稼ぐためなのかしら。。。

おそらくよねは大学に通う学費を稼ぐためにカフェー燈台で働いているのでしょう。

よね自身は白シャツにネクタイというボーイスタイルで働いています。

当時のカフェーは今で言うキャバクラや風俗店のようなかなりいかがわしい場所です

カフェーで働く女の人は女給さんと呼ばれ、そちらも今でいうバーやクラブのホステスのような仕事をし、給料も客が支払うチップ制の店も多くありました。

よねさん自身が直接男性客に何かされることは少ないかもしれませんがお金の為に男性に媚びを売り話を合わせ楽しい気持ちにさせる女給の様子や身体に触れられたり騙されたりする様子を目の当たりにしながら働いているのでしょう。

女がどんな気持ちでここで働いているのかも知らず、楽に稼げると言い放つ男性客。

よねさんじゃなくても「はて?」という気持ちになる人は大勢いたと思います。

好んで選んだ仕事ではないかもしれないのにね

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(12)ネタバレあらすじ~本気って何?~

法廷劇の衣装ができあがりました。

袖口や裾には細かくフリルが施されていてとてもお洒落です。

台本を読んでいた山田よねは脚本を書いた涼子さまに「なんだよこの終わりかた!」とケチをつけます。

甲子の判決が出た後の締めの言葉が気に入らないと言うのです。

こうなる前に弁護士にご相談を。男性には相談しにくいと思っている方、女子部一同が弁護士となった暁には必ず弱きご婦人たちの味方となります!

民亊訴訟を起こしても情欲を欲した私通の関係で婚姻予約不履行はほぼ認められないと学んだはずだとよねは言うのです。

涼子さまは「先生方が考えてくださった筋書きで…」と反論しますが、よねは「結局男の言いなりか?いい加減にしてくれ。あんたの時間稼ぎにこの場所を使うな」と怒りを露わにします。

静まり返る教室。よねの怒りは抑えきれません。

「結婚から逃れられるんなら何でもいいんだろ?他にも興味本位や主婦の暇つぶしとか、私は本気なんだ。本気で弁護士になって世の中を変えたいんだ」

涼子さまの頭の中には母親の言葉、父親の横顔、執事の顔が浮かびます。

涼子さまは正直に結婚から逃れるためと言うのは事実だと認めました。

すると寅子も「はて?私もそうですよ」と言います。

「動機はどうであれ一生懸命勉強して進む道を探している。それだって本気ってことじゃないかしら」

よねの怒りはマックスに達し「お前らの本気と一緒にするな!」と言いますが寅子は反論します。

「たとえ、あなたの本気が勝っているからって誰かをけなしていい訳じゃないと思うの。本気なんて目に見えないものでどっちが上とか下とかってそれこそくだらない事ではないかしら」

スゴイ!トラちゃんの言ってること素晴らしい!

これって現代にも同じこと言えるよね、くだらないマウントの取りあいとかと同じだよね。本気かどうかなんて他人にはわからないものだし。

確かに今回の「毒饅頭事件」を起こしてしまった甲子さんから相談を受けたとしても裁判で婚姻予約不履行の判決を勝ち取ることが難しいかもしれません。

なのでよねさんは「気軽にご相談を」などと言うことはできないと思うのですね。

勝訴が難しい判例でも希望を感じられる結末を、という先生方の理想にもよねさんがイラつく理由なのかもしれないと思いました。

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(12)ネタバレあらすじ~法廷劇当日~

明律祭が始まりました。

法廷劇への集客に余念がない寅子、その中にはあの帝都新聞の記者の姿もありました。

久保田先輩は大きな声で「婦人が法律に携わることの意味を感じて頂ければ」と想いを伝えます。

寅子は甲子を演じます。

すると客席後方から「こっち向いて~さすがオールドミス、貫禄がありますね」と涼子様へ野次が飛び交います。

惑わされないよう、冷静に法廷劇を続ける寅子たちにまたしても野次が飛びます。

「法廷劇というよりおままごとだな」「かあちゃんにあんな恰好されちゃ恥ずかしいよな」「涼子様こっち向いて~」

「そういえばあの男みたいなやつが上野のカフェーに入っていくのを見たって。そんな奴らじゃなきゃ魔女部に入部しないか」

思わず寅子は立ち上がって大きな声を出します。

退廷なさい!ここは法廷ですよ、慎みなさい!

被告人役の寅子が裁判官のようなことを言ったので男子学生は大笑いして「どうせ誰も弁護士なんてなれねえよ」と茶化します。

その言葉に今まで我慢していたよねの怒りは頂点に達してしまいました。

「おい!お前今なんて言った?」
寅子も叫びます。「撤回しなさい!あなたたちの言葉がどれだけ残酷なことなのかわからないの?

会場は騒然となり、男子学生たちにみんなの非難の目が向きます。

よねは舞台を降り「お前の顔覚えたからな」と男に近づくと男はよねを突き飛ばしました。

なぜ男子学生は女子部の学生にちょっかいをかけてくるのでしょうか

女が法律など学んでもわかるはずがないと馬鹿にしているのか、自分たちの地位が脅かされるのではと恐れているのか、妬みや注目されることの羨ましさからなのでしょうか。

それにしても今回の男子学生の行動は、一般の方からも非難の目が向けられました。

自分たちの行動が愚かなものだと気づかない、そのことが一番愚かなことです。

穂高先生も必死に咳払いしてたんだけど

どうして本気でやっているのに野次られなくてはいけないのでしょう。

少しでも法律と言うものに興味を持ってもらえるように考えたのに、女子部存続のために必死に法廷劇を演じているだけなのにこんな仕打ちをうけなくてはならないのでしょうか。

男というだけで、女というだけで区別され権利も与えられない時代でもがいている寅子たちの志は、こんな嫌がらせで終わりを迎えてもいいのでしょうか。

おもわず熱くなってしまう!負けるな寅子!耐えろよね!

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(12)ネタバレあらすじ~グッときた名シーン~

今回取り上げるのはよねが涼子様に向かって言った言葉です。

結婚から逃れられるんなら何でもいいんだろ?他にも興味本位主婦の暇つぶしとか、私は本気なんだ。本気で弁護士になって世の中を変えたいんだ

よねは初めから他の学生たちは遊び半分で真剣に弁護士になりたいと思っている訳ではないと見限っていました。

2年生になり生徒が減り、残っている学生に対してもやはりその思いは変わらないようです。

ましてや家族の涼子さまなど、弁護士になる将来など可能性は低いし主婦の梅子さんや留学生の崔さんにとっても同じことが言えます。

涼子さまが世間の注目をあび、まるで自分も同じように何かしらから逃れるために大学に来ていると思われることに苛立っていたのでしょう。

ですが寅子から思いもよらない言葉が返ってきます。

「動機はどうであれ一生懸命勉強して進む道を探しているそれだって本気ってことじゃないかしら」
たとえ、あなたの本気が勝っているからって誰かをけなしていい訳じゃないと思うの。本気なんて目に見えないものでどっちが上とか下とかってそれこそくだらない事ではないかしら」
寅子の言うことはその通りです。
本気だと判断するのは他人ではなく自分なのです。
そしてその想いに上も下もないのです。
きっとよねさんの心の中に寅子の言葉はずっしりと残ったと思います。
よねさんと寅子たちの関係が深まりお互いの事情にも心が向けられるようになるといいのになと思いました。

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(12)ネタバレあらすじ~知識と教養:カフェーについて~

今回はカフェーについて調べてみました。

コーヒーを飲ませる店が日本で最初に開業したのは1888年、カフエーと名乗る店は1911年(明治44年)東京銀座にできたカフェー・プランタンでした。

当時はインテリ向きでハイカラな店として一般の人には少し敷居の高いお店でした。

大正時代になり女給が白エプロンをするようになり、大正12年関東大震災の後からカフェーが女給のサービスを売り物にするように変わっていきました。

女給の着物や化粧が派手になったり客に身体をすり寄せて会話したり、次第に女給はウエイトレスから今でいうバーやクラブのホステスのような役割へと変化したのです

当時女給さんの収入源は客からのチップだったそう

となると過剰なサービスを行う人もいたのかもね

昭和4年ごろから警察はカフェーへの取り締まりを強化し始め、昭和8年に「特殊飲食店営業取締規制」が出されます。

「洋風の設備があり、女性が客席に座って接待する飲食店」を「特殊飲食店」として、細かい規制・罰則規定を設けたのです。

そして酒類を出さず女給による接待サービスを行わない店は、「純喫茶」と呼ばれるようになりました。

よねさんが働く店は女給は客と身体を近づけ薄暗い店内でお酒を飲んでいます。

女給がどんな思いをして働いているかなぜここで働いているのかを一番よく知っているよねさんだからこそ「女は楽に稼げる」と言う言葉は許せない言葉だったのでしょうね。

「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」(12)ネタバレあらすじ~次回予想~

法廷劇「毒饅頭殺人事件」を演じている最中、男子学生の野次が始まりました。

穂高先生は必死に咳ばらいをしますが誰にも伝わりません。

「どうせ誰も弁護士になんてなれねえよ」

今まで我慢していたよねもその言葉には我慢できず、男の傍に行きました。

男は思わずよねを突き飛ばします。

せっかくの法廷劇が台無しになってしまいそうです。

どうしたらいいの?寅子。

梅本
梅本

女子部存続のための法廷劇、客席にはあの帝都新聞の記者もいるのに!これ以上女子部のみんながバカにされるのは許せないけど、でもどうしたらいいの?

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