第24話共亜事件の判決が下る?猪爪直言(岡部たかし)の勇気と穂高先生(小林薫)の健闘!

虎に翼

連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。

困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。

今週のタイトルは「朝雨は女の腕まくり?」です。

女が腕まくりしていくら力んで見せても、たいしたことはない

同じように、朝降る雨は、じきに上がるから恐れるに足りない、女の腕まくりと同じように少しも怖くないと言う意味ですが、これは一体何を意味しているのでしょうか?女の強さを甘く見ているのでしょうか

第24話「虎に翼」「朝雨は女の腕まくり?」~前回までのあらすじ~

第一回公判が始まりました。

穂高重親(小林薫)先生は無罪を主張すると言いますが直言(岡部たかし)の気持ちはまだ揺れ動いています。

直言(岡部たかし)は恐怖からか倒れこんでしまいました。

新聞記者竹中は直言(岡部たかし)に「あんたがそんなんじゃまた襲われるぞ」と言います。驚く直言、寅子(伊藤 沙莉)が襲われる?また?ってどういうこと?

医務室から再び法廷に戻った直言(岡部たかし)の目の前で検事は罪状を読み上げます。

裁判官に「罪を認めますか?」と尋ねられた直言(岡部たかし)は振り返り傍聴席の寅子を見て「ごめんな、トラ」と呟きます。

直言(岡部たかし)は何について寅子(伊藤 沙莉)に謝ったのでしょうか。

直言(岡部たかし)は罪を認めてしまうのでしょうか。

闘うんだ、直言!寅子の自慢の父親になるんだ!

第24話「虎に翼」「朝雨は女の腕まくり?」~すべて否認します~

証言台に立つ直言(岡部たかし)は起訴事実について罪を認めますかと裁判官に聞かれました。

傍聴席を振り返り、寅子(伊藤 沙莉)と目があう直言(岡部たかし)は小さな声で「ごめんな、トラ」と呟きます

それは罪を認めるということなのか尋ねられると「いえ、今まで迷惑をかけた娘への謝罪です」と言い「私はすべて否認します」と直言ははっきりと述べました。

誇らしげな穂高重親(小林薫)先生、ざわつく法廷の中「よく言った!」と叫ぶ笹寿司の店主。

梅本
梅本

新聞記者の竹中もなんだか嬉しそうです

直言(岡部たかし)は「取り調べの際、私が罪を認めれば私だけでなく他の人間も罪が軽くなると自白を強要されました」と証言します。

怒った検察官は扇子を机に叩きつけながら「事実無根のデタラメ」だと怒鳴りますが、直言(岡部たかし)は「その扇子、やめてください!」と言い返します。

NHK好き主婦
NHK好き主婦

良く言った!いいぞ、直言!がんばれ!

 

梅本
梅本

父の姿は本当に誇らしい、久しぶりに聞いた父の大きな声に寅子は目に涙をためて嬉しそうに見つめています。

暴漢に襲われても信念を曲げずに真実を、父の無実を願い追い求めてきた寅子(伊藤 沙莉)にこれ以上迷惑をかけてはいけない。

襲い掛かる検察官の扇子を叩く音、威圧感や恐怖に必死に対抗し「やめてください!」と叫ぶ直言(岡部たかし)の思いを感じて感動すら覚えました。

ごめんな、トラの意味がやっとわかってホッとした~

やる時はやる男だ!見直したよ!直言!

第24話「虎に翼」「朝雨は女の腕まくり?」~猪爪はる(石田ゆり子)の手帳~

直言(岡部たかし)は罪を否認し自白は強要されたものだと証言しました。

家に戻り喜ぶ花江ですが、検察はそう簡単に自白の強要を認めないと寅子(伊藤 沙莉)の表情は曇っています。

実際裁判はスムーズにいかず検察は自白を盾に主張を譲ることはありません

寅子(伊藤 沙莉)たちが必死に集めた証拠も改ざんすることは可能だと認めようとしません。

梅本
梅本

直言が謝礼として受け取ったとされる着物ははるがへそくりをためて買ったものであると手帳に書いてあると穂高先生は主張しますが、奥方の手帳など好きなだけ改ざんできるという検察官。はなからはるの手帳など重要視していないと感じます。

穂高先生は呉服屋の帳簿と猪爪はる(石田ゆり子)の手帳に書かれた金額や日付は一致しており、充分証拠となり得ると裁判官へ提出しました。

毎日びっちりと丁寧な文字で書かれたはるの手帳、きちんと読めば改ざんの跡など無いのは明らかで、はるの几帳面さが理解できるものです。

桂場 等一郎(松山 ケンイチ)たち裁判官の公平なる立場で証拠を照合すれば、穂高重親(小林薫)先生の意見に間違いがないことは明らかです。

第24話「虎に翼」「朝雨は女の腕まくり?」~穂高重親(小林薫)先生奮闘する~

穂高重親(小林薫)先生の勢いは止まりません。

検察官は猪爪邸には寄贈品を隠し持っている疑いがあると話すと、穂高重親(小林薫)先生は「疑いがある・推測できる、検察の話はどこかぼんやりとしている」と追求していきます。

NHK好き男性(田中正吉)
NHK好き男性(田中正吉)

穂高先生、話し方は柔らかく優しいけれど着眼点は鋭いね!

梅本
梅本

検察側は自白以外の証拠があまりにも少なすぎる尋問による自白の強要は人権蹂躙(じんけんじゅうりん)にあたるのではないかと主張します。

NHK好き主婦(鈴村春子)
NHK好き主婦(鈴村春子)

日和田ったら今、鼻で笑ったわ!憎たらしい!

直言(岡部たかし)は長時間にわたって革手錠をされて追い込まれたと穂高重親(小林薫)先生が話すと、日和田(堀部圭亮)は自傷防止のための革手錠には何も問題はないと突っぱねて「被告人が当時スゴイ暴れようだったことは鮮明に覚えている」と話します。

ムッとする寅子(伊藤 沙莉)、お父さんはそんな人じゃない。

日和田(堀部圭亮)は「看守が安全のため自らの判断でやったまでの事」と調子よく喋ります。

何かモヤモヤする。。。はて?

「あ!」つい大声が出てしまった寅子(伊藤 沙莉)、穂高重親(小林薫)先生に小さな声で「監獄法施行規則第49条」とささやきます。

監獄法施行規則 第四十九条】
「戒具は典獄、刑務所長の命令あるあらざれば之を使用することを得ず」

「看守は暴れる依頼人をおいて取調室を離れ、署長の許可を得て手錠を持ってきたのですか?」と日和田に尋ねる穂高重親(小林薫)先生。

つまり被告人の身体を拘束する器具の使用には刑務所長の命令や許可が必要なのです。

淡々と質問する穂高重親(小林薫)先生に言葉が詰まる検察官、穂高先生は「取調室にいるあなたの指示なくてそんなことできるわけがない、そうでしょ?」と問い詰めます。

梅本
梅本

「革手錠ひとつで鬼の首を取ったみたいに」とイラつく検察官に桂場は「検察は聞かれたことに答えるように」と戒めます。えっと驚く日和田。

ヤバイ、このままだと不利だ。。。

「連日大勢の取り調べをしているため記憶が定かではなく…」と言い始めた日和田検察官。

すると穂高重親(小林薫)先生は「依頼人が暴れていたのを鮮明に覚えていらっしゃるのに、ずいぶん都合よくお忘れになられるもんですな」とにこやかに尋問を終えました。

NHK好き主婦(鈴村春子)
NHK好き主婦(鈴村春子)

穂高先生、してやったり!イライラした日和田の顔ったら!

第24話「虎に翼」「朝雨は女の腕まくり?」~判決が下る~

穂高重親(小林薫)先生の尋問から世間の注目が変わっていき、警察の高圧的で傲慢な操作方法に批判が高まっていきました。

ですが裁判はそんなに簡単ではありません。

検察は自白を証拠として争い16名の審判は100回を超えるものとなり、判決を待つばかり。

桂場 等一郎(松山 ケンイチ)はとある老人に声をかけられます。

君は実に有能なようだね。君の正義感を発揮する時は今ではない。それに見合う地位に就いた時だ、悪いようにはしない、約束しよう

杖をつき階段を登る老人は水沼(森次晃嗣)、その後ろを日和田(堀部圭亮)がついていきます。

NHK好き主婦
NHK好き主婦

なにこれ?このモヤっとした空気。。。

NHK好き主婦(三村和子)
NHK好き主婦(三村和子)

水沼ってこの共亜事件を仕組んだと新聞記者の竹中が推測する人物じゃなかったっけ?

梅本
梅本

通りすがりに桂場に圧力をかけに来た貴族院議員の水沼淳三郎。日和田が予審が滞りなく進んでいるとの経過を報告していた人物です。政界の影の首領的雰囲気が漂っていて、逆らったら何が起きるのか恐ろしく感じます。どうか桂場さん、圧力に屈しないで!

昭和11年12月、判決言渡期日がやってきました。

固唾をのんで見守る寅子(伊藤 沙莉)、入廷してきた直言(岡部たかし)は寅子に笑って見せます。

傍聴できなかった山田よね(土居 志央梨)たちは階段の下でその様子を見守ります。

優三さんもお腹の痛みに耐えながら判決を待っているよ!

判決が言い渡されます。

どうなる?直言! どうする?寅子。

第24話「虎に翼」「朝雨は女の腕まくり?」~グッときた名シーン~

今回は穂高重親(小林薫)先生の尋問がお見事でした!

検察が自白を盾に被告人に罪を認めさせようとしますが、穂高重親(小林薫)先生と寅子(伊藤 沙莉)たちは調書の裏付けのため証拠を集めました。

直言(岡部たかし)が謝礼として受け取ったとされる着物は猪爪はる(石田ゆり子)がへそくりをためて買ったものであると手帳に書いてあると穂高重親(小林薫)先生は主張します。

そして着物を買った呉服屋の帳簿に記載されている日付けや金額が、猪爪はる(石田ゆり子)の手帳に書いてあるものと一致していることから手帳も十分証拠能力があると述べました。

しかし、日和田(堀部圭亮)は奥方の手帳など好きなだけ改ざんできると言います。

はじめから猪爪はる(石田ゆり子)の手帳など重要視していません。

それこそ朝雨は女の腕まくり、妻の手帳の記録などたいしたことは無い と高を括っていたのです。

NHK好き主婦(三村和子)
NHK好き主婦(三村和子)

女を見くびっていたらバチがあたるわよ。

猪爪はる(石田ゆり子)は直言(岡部たかし)の事を結婚以来ずっと手帳に綴っていました。

それは愛情そのものです。

直言(岡部たかし)の体調が悪いと心配し、ご飯を沢山食べたと喜び手帳に記す、その愛情が調書との不一致を明かにすることができるのです。

穂高重親(小林薫)先生は猪爪はる(石田ゆり子)の愛情の深さをきちんと読み取ってくれたのです。

依頼人に寄り添う弁護士、穂高重親(小林薫)先生の姿は寅子(伊藤 沙莉)にとって理想となるものだったのではないかと思いました。

第24話「虎に翼」「朝雨は女の腕まくり?」~知識と教養:人権蹂躙(じんけんじゅうりん)~

今回は穂高重親(小林薫)先生が主張した人権蹂躙(じんけんじゅうりん)について考えてみました。

人権蹂躙の「蹂躙」はふみにじると言う意味です。

人権蹂躙は人権侵害と同義語で、 人権を無視して不法な行為をしたり、不当に手荒く扱ったりすることや強い立場にある者が、弱い立場の者の人権を侵害することを言います。

いくら取り調べを受ける立場であっても人権は尊重されるべき、この時代にもそういう考えが存在していたことに少し驚き、そして安心しました。

梅本
梅本

直言は長期間にわたって革手錠を付けられ、拘置所で苦しんでいる様子が映っていました。実際に「帝人事件」でも革手錠が「人権蹂躙」として問題になったそうです。

大蔵省幹部や閣僚経験者、政財官界要人が株取引にまつわる不正を問われて起訴された帝人事件ですが、公判の過程では検察による自白の強要自殺防止を名目とした革手錠の使用、劣悪な収容環境が明らかとなり、「検察ファッショ」「司法ファッショ」の言葉がうまれました。

梅本
梅本

ファッショとは、“ファシズム”と同義語で、いわゆるファシズム的な傾向を意味します。

この場合は、時の権力者が司法と結びついていることを批判的に示す言葉です。

1932(昭和7)年の血盟団事件、五・一五事件、1933(昭和8)年の神兵隊事件など、大きな事件が相次いで起こりました。

時代が少しずつ戦争へ傾きはじめていく、竹中はそう言いたかったのかもしれません。

第24話「虎に翼」「朝雨は女の腕まくり?」~次回予想~

16人の被告人に判決が言い渡される日がきました。

調書との矛盾点やその矛盾を証明する証拠集めに奔走した寅子(伊藤 沙莉)や友人たちが固唾をのんで見守っています。

無実を信じる寅子(伊藤 沙莉)と猪爪はる(石田ゆり子)はお互いの手を握りあい、その時を待ちます。

一体どんな判決が下るのでしょうか。

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