連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。
困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。
今週のタイトルは「朝雨は女の腕まくり?」です。
女が腕まくりしていくら力んで見せても、たいしたことはない。
- 「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~前回までのあらすじ~
- 「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~いずれも無罪~
- 「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~安堵の涙~
- 「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~素晴らしい判決文~
- 「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(21)ネタバレあらすじ~法律とは~
- 「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~グッときた名シーン~
- 「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~知識と教養:当時の司法~
- 「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~次回予想~
「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~前回までのあらすじ~
16人の被告人に判決が言い渡される日がきました。
調書との矛盾点やその矛盾を証明する証拠集めに奔走した寅子や友人たちが固唾をのんで見守っています。
無実を信じる寅子とはるはお互いの手を握りあい、その時を待ちます。
一体どんな判決が下るのでしょうか。
「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~いずれも無罪~
とうとう判決が下される日がやってきました。
「判決を言い渡す。主文、被告人らはいずれも無罪」
どよめき沸き立つ傍聴席、はると寅子も抱き合って喜びます。
振り向いた直言も嬉しそうにうなずきます。
良かった!よかったよ~!
裁判官は無罪とした理由を検察側の証拠は自白も含め信憑性に乏しいと断言しました。
そして検察側の主張するがままに事件の背景を組み立てんとしたことはあたかも水中に月影を救い上げようとするかのごとし、すなわち警察側の主張は証拠不十分によるものではなく犯罪の井実そのものが存在しないと認めるものであると告げたのです。
水中に月影を救い上げる?なんと風流な!
直言が勇気を出して自白を覆したから、寅子たちが証拠を集めたから、はるが毎日直言の様子を気遣い手帳にしるしていたから今日の日がやってきたのです。
まさに家族の愛が真実を導いたのね!
「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~安堵の涙~
一年半に及ぶ長い戦いが幕を下ろしました。
晴れて自宅で祝宴をあげる猪爪家の面々。
直言は「たくさん迷惑をかけてすまなかった。トラ、お前がいたからこうしてみんなと食事を楽しむことができる。父さんを信じないでくれてありがとう」と言います。
一方、日和田は水沼に謝罪をしますが、勝ち目はないと判断したのか控訴を断念し、16人全員の無罪が確定したのです。
直言は台所に行きはるに映画のチケットを手渡します。
あの日、はると出かけることができなかったことをずっと悔やんでいたのですね。あの頃からきっと事件にまきこまれ始めていたのでしょう。
言うに言えない直言も辛かったと思います。
本当に悪かった、できればあの日からやり直したいと言う直言に、はるは抱きつき、子どものように大声をあげて泣きました。
何にも言ってくれなかったから、他に女がいるのかと思ったし、ずっと我慢してたと泣きながら直言に訴えるはる。やっと素直に気持ちを吐き出して声をあげて泣くはるがどれだけ耐えてきたのかわかる素敵なシーンです。
はるさんの涙にもらい泣きしちゃった。
長い戦いが終わり、猪爪家がまたいつもの時間が戻ってきました。
「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~素晴らしい判決文~
猪爪家だけでなく穂高先生と桂場も祝杯をあげています。
穂高先生は「あたかも水中に月影をすくいあげるがごとし」とは素晴らしい判決文だと称えます。
共亜事件の判決文は桂場が書いたものでした。
今夜はお酒が進みます。
穂高先生は「許せなかったんだろ?検察が力を振りかざして司法に干渉してくるのが」と言うと桂場は「そんなもんじゃない、アイツらは私利私欲にまみれた汚い足で踏み込んできた」と吐き捨てます。
通りすがりを装い桂場に圧力をかけてきた水沼貴族院議員。その後ろには日和田がぴったりと付き添い、まるで自分の後ろ盾に水沼がいることをひけらかすかのよう。
なんでも思い通りにできると考える傲慢さと権力を使い司法を牛耳ろうとする浅はかさ、桂場の怒りは屈するとこなど無いという強い信念に変わっていったのです。
「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(21)ネタバレあらすじ~法律とは~
新しい年を迎えました。
甘味処で桂場を待つ寅子、どうしてもお礼をいいたかったのです。
ここに来れば桂場に会えると待ち伏せ作戦のトラちゃん
桂場さん甘いもの好きだもんね、ここならきっと会える!
すると桂場は「勘違いするな、私は法を司る裁判官として当然のことをしただけだ」と言い団子を食べます。
この店での言い争いが無ければ寅子は明律に入学できなかった、寅子はその時からずっと考えている自分が考える法律について桂場に語ります。
私は法律は守るための盾や毛布のようなものだと考えていて、友人は戦う武器だと考えている。今回の件で法律は道具のように使うものではなくて法律自体が守るものだと思う。
例えていえばきれいなお水のような、水源のようなもの。変な色をつけられたり混ぜられたりしないように守らなくてはいけない。きれいなお水を正しい場所に導かなくてはいけない。
真剣に寅子の話を聞く桂場は「君は裁判官になりたいのか?君の考えたは非常に…」と言い口ごもります。
「そうか…ご婦人は裁判官になれなかったね」と続け、高等試験はやめたほうがいいと言い残し店を出ていきました。
店を出た桂場はなんだか嬉しそうに少し微笑んでいるようにみえました。
桂場にとって寅子はどこまでも気になる人です。
いくら穂高先生に「私がしっぽなんかふる訳ないでしょ」と言っても、寅子が今まで桂場が知り合ったことのない女性であることに間違いはありません。
「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~グッときた名シーン~
今回ははるさんの涙です。というかはるさん、可愛すぎです!
気丈でしっかり者で料理はおいしく掃除も洗濯もきちんとこなす主婦の鏡のような存在のはるが、直言が逮捕されてからすっかりやつれてしまいました。
それでも家族の為に毎日家事をこなし直言を支えてきたはる。
直言を信じ、穂高先生を信じて見守ってきた裁判で無罪を勝ち取ったことももちろんうれしかったでしょうが、身内から犯罪者が出るのは困ると縁を切られた丸亀の実家のことや子どもや孫の将来、そしてまた再びみんなで食卓を囲む日常を取り戻すことができたことがはるにとって何よりの嬉しさだったと感じました。
そして同じように直言も思っていてくれたこと、あの日からもう一度やり直したいと言ってくれたことではるのこらえてきた感情がすべてあふれてきたのです。
直言に抱きつき大きな声をあげて泣き出すはる。
自分が怖いから本当の事を言ってもらえないんじゃないか、もしかしたら直道が言ったように女がいるのかもしれない、どうしたらいいんだろうか誰にも相談できなかった胸の内を全て直言に吐き出します。
そんなはるを優しく抱きとめて、気持ちを聞いてあげる直言。
子どもをなだめるように背中を優しくポンポンしてあげる直言、やっと事件から解放されたとみんなが感じる幸せの時間でした。
「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~知識と教養:当時の司法~
今回は当時の司法について少し調べてみました。
弁護士法が改正されて女性が弁護士を目指すことができるようになったのは昭和8年。
旧弁護士法にあった「日本臣民にして民法上の能力を有する成年以上の男子たること」の項目が削除されたのです。
実際に明治大学専門部女子部を卒業した女性3名が高等文官試験司法科試験(現在の国家公務員採用試験)に合格したのは昭和13年。
その3名は寅子のモデルとなった三淵嘉子さんと中田正子さん、久米愛さんです。
- 三淵嘉子さんは弁護士となりその後日本初の女性判事および家庭裁判所長となった人。
- 中田正子さんも日本初の女性弁護士の一人で、鳥取県弁護士会長、日本弁護士連合会理事などを歴任した人です。
- 久米愛さんも日本初の女性弁護士の一人で弁護士となり大学教授も務め国連に参加し、日本の女性運動において指導的な役割を果した人です。
3人は試験合格後1年半、弁護士事務所で無給の修習を行い、弁護士試補試験に合格し、1昭和15年に日本で最初の女性弁護士が誕生しました。
弁護士は弁護士法の改正で女性に道が開かれましたが、裁判官や検事については、もともと女性はなれないという直接的な規定はありませんでした。
ですが当時の民法では女性は婚姻により無能力者になるとされていたことから、国の仕事は任せられないと考えられていました。
また、当時の資格試験である司法官試補採用の告示には「日本帝国男子に限る」と記載されていたこともあり、桂場は「ご婦人は裁判官になれない」と発言したのですね。
「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」(25)ネタバレあらすじ~次回予想~
共亜事件の被告人16人全員無罪を勝ち取り、慌ただしかった学生生活も終盤に差し掛かってきました。
高等試験が待っています。
寅子たちの未来はどうなっていくのでしょうか。
学校を卒業した後、5人の選ぶ道はどんな道なのでしょうか。
この記事を書いたライターです。
子どもの頃からのテレビっ子。翌日学校でドラマの話をするのが大好きでした。
今も変わらずその延長線で好きを形に残したいとライター活動を始めました。
あったかいほうじ茶を飲みながら、のんびりと好きなことを書いていこうと思います。
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