連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。
困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。
今週のタイトルは「女の心は猫の目?」です。
「虎に翼」第33話第7週「女の心は猫の目?」あらすじ~前回までのあらすじ~
晴れて弁護士になったものの依頼人から断られるばかりの寅子。
早く一人前に仕事をこなし事務所にも貢献したい気持ちが先走ります。
寅子が弁護をする日がやってくるのはいつなのでしょうか。
花岡は佐賀地裁に赴任し父親の近くで裁判官として働くことになりました。
そして雲野法律事務所ではよねさんが勉強の為手伝いをしに来ています。
寅子はいろんな人に支えられて弁護士としてのスタートを切る…予定です。
「虎に翼」第33話第7週「女の心は猫の目?」あらすじ~すべては手にはいらない~
寅子が家に帰ると懐かしい人がいました。
花江の実家で長年女中として働いていた、いねさんが新潟に帰ることになったのです。
寅子の名刺を見つめていねはこう言いました。
「すべては手に入らないものですよ。今抱えているものが女の幸せより大事なものかどうか、振り返ってみてはどうか」
確かに寅子は弁護の担当を一つも出来ていません。
今日も事務所にみえた女性に寅子は名刺を差し出しますが「男性の方に弁護をお願いしたいのですが」とはっきり言われてしまいました。
雲野も申し訳なさそうに岩居を呼びます。
事務所にいる全員が寅子を見守っているんだけどね。。。
いくらポジティブメンタルのトラちゃんでも辛いよね~
いねさんは花江から寅子の様子を聞いていたのでしょうか。
それとも長年の経験から簡単にうまくいくとは思えないと考えたのでしょうか。
またしても女の幸せという言葉が出てきました。
弁護士の資格を手に入れてもそれだけでは幸せになれないと言うことなのでしょうか。
すべてを手に入れることを望んではいけないのでしょうか
「虎に翼」第33話第7週「女の心は猫の目?」あらすじ~信頼を得るには~
依頼人の女性が帰った後、寅子は雲野に「私ってそんなに頼りないですか?」と尋ねます。
雲野は「結婚前の婦人に頼みたいのは弁護よりもお酌だろうな、君は優秀だしそのうち機会が来るさ」となだめます。
寅子は「行き遅れた私には信頼がない」とへこみます。
雲野の発言に憤慨したよねさんは、竹もとで轟から久保田先輩が法廷に立つことを聞かされます。
そうか、寅子だけじゃなく久保田先輩も苦労してたんだね
日本で初めて婦人弁護士が法廷に立つ、そのことは大きな話題となりました。
法服をまとい笑顔で写真撮影に臨む久保田先輩の姿は、錦田法律事務所の鏡でもあり女性の希望でもあるのです。久保田先輩も苦労していたんだ、良かったという気持ちと羨ましいと思う気持ち、両方の気持ちで複雑な寅子です。
確かに事務所としてはいい宣伝になるもんね
「虎に翼」第33話第7週「女の心は猫の目?」あらすじ~利用されている女性弁護士~
久保田先輩が初めて弁護を務める裁判は、代議士が妾に産ませた子供を実子として戸籍に入れたことに関するものでした。
寅子やよね、轟も久保田先輩の裁判を傍聴し、初めての弁護を見守ります。
しかしながらその内容は久保田先輩が被告人である安岡の名前を呼び捨てにするとその反応にくすくすと笑いが起きる、笹山の言葉を借りれば「面白みのない裁判」でした。
閉廷後取材を受ける久保田先輩、部屋から出てきた帝都新聞の竹中は寅子にシビアな話をします。
竹中は取材もそこそこに帰っていきました。
久保田先輩は取材の中で結婚し懐妊していることを明らかにし、事務所としても良き妻良き母としての久保田を支えていくと話していました。
寅子は自分と久保田先輩の違いはどこにあるのだろうかと考えていました。もちろん先輩も寅子と同じくなかなか法手に立つことができず苦労したのでしょう。ですが結婚もできない自分と結婚し子供まで授かっている久保田先輩。その部分が大きな差になっている、信頼度の違いが表れていると寅子は感じたようです。
「虎に翼」第33話第7週「女の心は猫の目?」あらすじ~僕の婚約者~
久保田先輩が結婚しご懐妊中であることを知り、竹中の言葉の意味がそれぞれの心の中に深く刺さった3人。
なんだか気分も足取りも重く、珍しくよねさんが団子でも食べて帰ろうと言い出します。
すると階段の上で女性が転びそうになり「大丈夫?」と男性の声が聞こえます。
ん?なんだか聞き覚えのある声…驚いた轟は荷物を落としてしまいます。声の主は花岡、爽やかに「みんな揃ってどうしたんだい?」と話しかけます。久保田先輩の法廷デビューを伝える寅子に花岡は…
婚約者。。。展開が早すぎるよ。。花岡さん
確かに所帯をもってこそ一人前だと考える人も多いだろうし親もそう望むよね~ でもでも早すぎるわ~
父の友人の紹介で知り合い、生まれも近くて意気投合したとなれそめを紹介する花岡。寅子が「ご婚約おめでとうございます」と頭を下げるとそそくさと去っていきます。何も言うことができない轟とよねさんは心配そうに寅子を見つめます。
竹もとでよねさんが「だから佐賀についていけばよかったんだ」とぼそっと言います。
寅子は「私には私でやりたいことがあるんだから」と言って見せますが、じゃあそんな顔しないで食えとよねさんに言われてしまいます。
寅子にしてみれば最悪な1日、久保田先輩の弁護士デビューは明らかに面白がられている印象だし、結婚してご懐妊の久保田には社会的信用があり婚期を逃した自分はしされず、含みを持たせたまま別れた花岡はあっさり婚約している。
こうなれば寅子が選ぶ道は1つしかありません。
「虎に翼」第33話第7週「女の心は猫の目?」あらすじ~グッときた名シーン~
寅子が家に帰ると台所で直言とはるが話をしています。
「久保田さんに先を越されてショックを受けているだろうな」と直言が言うと「そんなことに気を病んでいたら立派な弁護士先生になれませんよ」といいながらも寅子の好きなものを作るはる。寅子を少しでも元気づけたいと思う親心です。
そこに呆然と立ちすくむ寅子、しばらく考えてから土下座をしてあることをお願いします。
寅子は父と母に弁護士を辞めるわけではない、心底くだらないと思いながら結婚しているかどうかを人間の信頼度を図る物差しとして使う人が非常に多いと実感したといいました。
花岡さんはどうなったのか聞くはるに「とってもおきれいな方とご婚約されました」と冷静に話す寅子。
はるさん、やっぱり気にはなってたんだよね~
はるは怒るどころか「親として寅子にとって最大限の良い方を探します」と言いました。
きっとものすごく怒られるだろうなと覚悟していた寅子は驚きます。
夢を追いかける娘をいつまでも支えていけるわけではない、娘の将来を考えてくれる相手がいてくれたらと心の中では悩んでいたのですね。寅子の突然の申し出に涙ぐむはる、娘が行き遅れてしまう体裁を気にしていたわけではないのですね。
親は体裁の為に自分を結婚させたいんだと思っていた若い頃、本当はそうではなくて自分たち亡きあとも路頭に迷うことなく支え合う相手がいることが幸せだと考えていたのですね。
親の深い心を知ってなんだかジーンとするシーンでした。
「虎に翼」第33話第7週「女の心は猫の目?」あらすじ~知恵と教養:戦争の足音~
次第に色濃くなってきた戦争の足音。
「虎に翼」第33話の中にも当時の世相が表現されています。
まずは冒頭の帝都新聞には昭和15年9月27日、日独伊三国同盟条約が締結された記事が映し出されます。
三国同盟により、ヨーロッパとアジアでの新秩序建設に対する指導的地位を三国が相互に承認した上で、この目的のための相互協力とヨーロッパ戦争または日中戦争に参戦していない第三国からの攻撃に対する相互援助を定めました。
子どもたちは軍人の行進を真似て歩き、町中には”日本人ならぜいたくは出来な筈だ!”の看板が立てかけられています。
事務所で雲野が読んでいる新聞にも”武器となって報国”や”工場事業場を主に金属特別回収”などの見出しが並びます。
竹もとでも品数に制限を出されていると話していましたし、花江の実家の女中のいねさんも仕事を辞め故郷へ帰ると言います。
戦争の為、お国が勝つためには国全体が心を一つにして、ある目的に向かって団結することが大切だとして挙国一致という考えが広く普及しました。
また国の全力をあげて戦争を遂行するため、政府が労働力、資金、資源、施設などを自由に統制することや運用することができることを規定した法律があり次第に生活は戦争の為という名目で苦しいものになっていくのです。
久保田先輩の法廷デビューは新聞記者:竹中によれば徴兵制度で男性が減った社会の機能を維持するため、社会機能を維持していくにはこれから女性がその役割を担わなくてはならないと話しました。
挙国一致の総動員体制を宣伝するために久保田先輩は利用されたのだと言います。
確かにそういう考え方、政府の思惑もあったかもしれません。
「虎に翼」第33話第7週「女の心は猫の目?」あらすじ~次回予想~
寅子は弁護士の信用を得るため両親に頼みます。
「私にお見合い相手を探していただけないでしょうか。立派な弁護士になるため、社会的信用度、地位をあげる手段として結婚がしたいのです」
寅子のとんでもない申し出をはると直言は喜んで受けました。
自分たちの亡きあとの娘の将来が心配だったのです。
果たして寅子にお見合いの相手は見つかるのでしょうか。
そして寅子が弁護士として活躍できる日はいつやってくのでしょうか。
この記事を書いたライターです。
子どもの頃からのテレビっ子。翌日学校でドラマの話をするのが大好きでした。
今も変わらずその延長線で好きを形に残したいとライター活動を始めました。
あったかいほうじ茶を飲みながら、のんびりと好きなことを書いていこうと思います。
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