連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。
困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。
今週のタイトルは「女冥利に尽きる?」です。
「女冥利に尽きる」とは女に生まれた甲斐があるという意味です。
虎に翼第36話第8週「女冥利に尽きる」~前回までのあらすじ~
寅子は優三さんと結婚し猪爪寅子から佐田寅子になりました。
優三さんから「ずっと好きだった」と聞いてしまった寅子の気持ちに変化は現れるのでしょうか。
結婚したことで弁護士の仕事に変化が現れるのでしょうか。
寅子が結婚した翌月の昭和16年12月、日本は真珠湾を攻撃しアメリカやイギリスとの戦争が始まりました。
激動の時代を寅子や優三はどう過ごしていくのでしょうか。
第36「虎に翼」第8週あらすじ~穂高先生にご報告~
昭和17年1月、寅子と優三さんは恩師の穂高先生に結婚の報告をしています。
穂高先生はとてもうれしそう、でもそれ以上に嬉しそうな優三さんです。
穂高先生の中では優三さんあんまり印象に残っていない生徒だったんだろうね~
猪爪家と縁の深い穂高先生だし、寅子は穂高先生にとって希望の星だからね~
寅子の仕事も結婚以来立て続けに依頼があり、まさに順風満帆です。
世の中は戦争ムードが色濃くなり、食べるものも少なくなってきました。
はるさんの手帳にも栄養のあるものを食べさせたいと記入がありました。
そんな時代でも結婚の話題は明るい気持ちにさせてくれますね。
優三さんの満面の笑みにみんなが救われます。
第36「虎に翼」あらすじ~戦争の影~
雲野法律事務所に1人の女性が離婚訴訟の依頼にやってきました。
子どもたちをほおっておいて外で借金を作る夫、毎日辛いと泣く女性に「戦っていきましょう」と言う寅子。
依頼を受けても女側からの離婚成立は至難の業だとよねさんが言います。
寅子は「梅子さんの事を思い出しちゃって」と言い、力になりたい、世の中を変える小さな一歩になるかもしれないと思いを語ります。
しかし数日後赤紙が届いたので裁判は諦めると女性は言います。
「赤紙かぁ。。。」轟も仕方ないと言わんばかりです。
よねさんも民亊の案件は減っていくかもと呟きます。
1941年12月、真珠湾攻撃により日本はアメリカ・イギリスに宣戦布告し、太平洋戦争が始まりました。
日本軍は大東亜共栄圏を掲げ、欧米の植民地だった東南アジアの国々を次々と占領しようとします。
多くの人が戦争をすることに疑問など感じませんでした。
戦争をして日本と言う国を守ること、これは“正しい戦争”だとみんなが信じていました。
花江も胸に『大日本国防婦人会』のタスキをつけて外出していました。
戦争は本当に身近なところに迫ってきています。
第36「虎に翼」あらすじ「女冥利に尽きる?」~身重の満智~
寅子とよねさんが事務所に戻ると1人の女性が待っていました。
女性の名前は満智、妊娠中で夫に先立たれたといいます。
- 半年前に歯科医師の夫が4歳の子とお腹の中の子を残し病死。
- 亡き夫の診療所に夫の友人:神田は出張医療所を作り、借り賃を払いそのお金で子どもたちを養うことを仕方なく了承した
- 訴えたのは亡き夫の両親。妾になったと怒り親権を取り上げようとしている
亡き夫の両親からの援助が無いのは孫を手に入れるための手段なのかもしれない、よねさんも満智の話を聞いてそう言います。
お腹の大きい満智は「私の育ちが悪いからもともと結婚には反対されていました」時折辛そうに話します。
寅子は優三さんに今回の依頼内容を話し「いつになったら女の人ばかりが辛い思いをする時代が終わるのかしら」と憤慨します。「トラちゃん、深呼吸。決めつけて突っ走ると思わぬヘマをするから」とアドバイスをする優三さん。ずっと寅子のことを見てきた優三さんだからこそわかる寅子へのアドバイスですが寅子は「私、突っ走ってなんかいません」と言い返します。
なんだか冷静さが失われているよ、トラちゃん
困っている人の力になりたい、女の人が辛い思いをしているのならどうにかにして助けてあげたい。
寅子は女性弁護士として自分の役割を全うしようと意気込んでいます。
寅子の熱い思いを満智が利用しようと企んでいることも知らずに。。。
第36「虎に翼」あらすじ~女の先生って手ぬるいのね~
大きなお腹を抱え、裁判に挑む満智。
何も上手くいかない。。。私にはもう息子たちしかいないの。。と涙ぐみ気弱な声で話します。
裁判が始まりました。
賃貸契約を結んでいる関係にありながら同居をしている、これは母の著しき不行跡にあたり親権ははく奪されるべきだとの訴えに、寅子は亡き夫との子供を宿し体調もすぐれない状態であり、「誘惑したに決まってる!」と言う義父の言葉を敵意と表現し生活のために神田医師をすがるしかなかったと満智の置かれていた状況を説明します
判決は元夫の両親による訴えは棄却、子どもを守り親権を喪失させるまでの不行跡には当たらないと判断が下されました。
裁判を終え喜ぶ満智と寅子に「孫はいなかったものとする。息子が病に伏していたことも死んでから知らされた」と言う義父。
その様子に違和感を感じた寅子は事務所に戻り資料を再度確認します。
よねさんに4月に寝たきり、7月に昏睡状態となった前夫との間に子どもをもうけることができるのかと聞く寅子。絶句するよねさん。なぜこんな大切なことに気付くことができなかったのだろう。満智のお腹の子の父親は一体誰なんだろう。私たちは大切なことを見落としてしまった。。
菓子折りを持って事務所に現われた満智、きれいな着物を身にまとい挨拶を終え帰ろうとしたところに寅子がお腹の子について尋ねます。
すると満智は明るく「先生お気づきになってなかったの?てっきり目をつむってくださっているとばかり」と笑いながら「女の弁護士先生って手ぬるいのね」と言います。
あれ?なんだか満智さん今までと全然雰囲気が違う。。。
もしかして満智さんか弱い女を演じてたのかも。。。
何も言えない寅子。満智はにっこりとほほ笑み「これからも頑張って下さいね」と笑いながら帰っていきます。
「明かな過失、失態だ」と言う雲野。自分も以前同じような過ちを犯した事がある。冤罪かもしれない、未だに悔やみ続けている。君の失態が誰かの人生を狂わせたことを忘れてはいけない。
深々と下げた寅子の頭の中にはいろんな言葉が駆け巡ります。
第36「虎に翼」第8週「女冥利に尽きる?」~グッときた名シーン~
今回の中で注目すべきは豹変した満智さんでしょう。
雲野事務所に初めて来たときには地味な着物で髪も簡単に束ねただけ、いかにも苦しい生活をし子どもを養いながら生まれてくる子どものために頑張っている女性のようにみえました。
体調もイマイチすぐれないようで動きもゆっくり、つい気遣ってあげたくなるような様子です。
元夫の両親からも虐げられていたと話す満智、生活の援助をしなければ女が選ぶ道は1つ、そしてそのことを盾に子どもの親権を奪おうとしているとよねさんも推測しました。
苦しむ女性の味方になりたい、梅子さんのように辛い日々を送っている女性がたくさんいる、そう考え満智の話に同情してしまった寅子は不行跡かどうかに着目せず裁判を進めてしまいました。
満智の言葉を借りれば女弁護士は手ぬるくて容易い、情に訴えればなんとかなる。実際判決は満智の思い通り、子どもの親権は満智のものとなりました。
ちょっと考えれば今までの寅子だったらきちんと調べていただろうに、優三さんが「決めつけて突っ走ると思わぬヘマをするから」と話したように、寅子にはどこか気負いがあったのかもしれません。
みんなの思いを背負いみんなの願いを叶えようとする寅子。その強すぎる想いが事を急いてしまったのでしょうか。
優三さんが言ってくれたように深呼吸をして少し落ち着いて冷静になれたらこんなミスしなかったのかも。寅子は悔やんでも悔やみきれません。
”女の先生は手ぬるい”と女の人に言われてしまった。
救うべきは男女関係ないはずなのに、寅子自身が大切なことを見落とすほど意気込んでしまった。
「先生もご存知のはずですよ? 女が生きていくためには、悪知恵が必要だってこと」いったい寅子の何を知っているのでしょう。寅子の悪知恵って何のことでしょう。
満智は単純に”嘘も方便”として言ったのかもしれませんが、満智が言った言葉は寅子の胸に深く突き刺さってしまいました。
第36「虎に翼」第8週「女冥利に尽きる?」~知恵と教養:赤紙とは~
寅子の事務所を訪れた女性は離婚訴訟を考えていましたが、夫の元に赤紙が来たので裁判を取りやめると言ってきました。
ところで赤紙とは一体どういうものなのでしょうか。
赤紙とは、陸海軍による召集令状の一つです。
他にも白紙、青紙、紅紙などがあり、白紙は教育召集・演習召集・簡閲点呼、青紙は防衛召集、紅紙は海軍による充員召集でした。
赤紙・紅紙は入営を命ずる召集であり、白紙は教育や訓練などへの参加を、青紙は空襲などに対する国土防衛のための短期動員をそれぞれ命ずるものでした。
赤紙で召集されるのは、国民兵役にある満17歳から満40歳(昭和18年以降は満45歳)までのほぼすべての男子が対象となっていました。
戦争が勃発すれば、軍隊の規模を拡大するために戦時動員を行う必要があり、予備役や後備役、補充兵役、国民兵役などにある人々に入営を命ずる臨時召集令状、すなわち赤紙が送られるのです。
第36「虎に翼」第8週「女冥利に尽きる?」~最終回予想~
義父と子どもの親権をめぐる裁判に勝訴した寅子でしたが、判決後に依頼人:満智が嘘をついていたことに気付きます。
よねさんの制止を振り切り、満智に尋ねる寅子。
「お気づきになってなかったの?女の先生は手ぬるいわね」とあっさり不貞を認める満智は「女が生きていくためには悪知恵が必要」だと言って笑いながら帰っていきました。
雲野も同じ過ちをしたことがあるといいつつ、君の失態が誰かの人生を狂わせたことを忘れてはいけない。明らかな過失、失態だと苦言を呈します。
私の判断が人の人生を左右する、責任の大きさを実感する寅子はこの先どうしていくのでしょうか。
この記事を書いたライターです。
子どもの頃からのテレビっ子。翌日学校でドラマの話をするのが大好きでした。
今も変わらずその延長線で好きを形に残したいとライター活動を始めました。
あったかいほうじ茶を飲みながら、のんびりと好きなことを書いていこうと思います。
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