連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。
困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。
今週のタイトルは「女冥利に尽きる?」です。
「女冥利に尽きる」とは女に生まれた甲斐があるという意味です。
「虎に翼」第8週「女冥利に尽きる?」(39)ネタバレあらすじ~前回までのあらすじ~
久保田先輩や中山先輩が弁護士を辞めるといい、残されたのは自分一人だと思い悩む寅子。
授かった子どものことや辞めていった仲間たちの思いを考えると寅子はどうしたらいいのかわかりません。
仕事も増え、寝不足もたたり大学での講演会を前に倒れてしまった寅子を心配し事務所を訪れた穂高先生。
穂高先生は雲野に妊娠の話もしてしまったのでしょうか。
虎に翼第39話第8週「女冥利に尽きる?」あらすじ~仕事は増えるのに~
轟のところに赤紙が届き、佐賀に帰ると言います。
よねさんはおめでとうございますとは言えず「死ぬなよ」と告げます。
轟は寅子に「これから男たちは兵隊に取られていく、お前の仕事がどんどん増えるぞ」と言われます。
よねさんは寅子に「私もやれるだけのことはするから、お前は1人じゃない」と言ってくれました。
でも素直によねさんの言葉を受け取る自信がありません。
寅子の心は限界だったのでしょう。
優しくみんなが言ってくれた言葉を跳ね返すほどの力が今の寅子にはありません。
そしてやれるだけのことをやるといってくれたよねさんに何も言うことはできませんでした。
これがよねさんが言っていた逃げ道なのでしょうか。
虎に翼第39話第8週「女冥利に尽きる?」あらすじ~二度と戻ってくるな~
寅子は久しぶりによねさんが住む上野のカフェーに足を運びます。
店内は少し様子が変わっていました。
蓄音機からは軍歌が流れています。
寅子がマスターに声をかけると店の奥で女性の相談を受けているよねさんの姿がありました。
軍歌を流し喫茶と町の法律相談で細々とやっていると話すマスター。あの頃のようなきらびやかな店内ではありません。
妊娠のことを黙っていたこと、頼らなかったこと、寅子はよねさんに謝ります。
「勝手に使命感に燃えて辞めていった仲間の思いをだなんてくだらないと思っていた。勝手にしろ」というよねさん。
よねさんの怒りは燃え上がります。「いちいち悲劇のヒロインぶりやがって、自分一人が背負ってやってるって恩着せがましいくせにちょっと男どもにやさしくされたらホッとした顔しやがって。お前には男に守ってもらう、そっちの道がお似合いだよ」いらいらした感情を思いっきり寅子にぶつけます。
黙って聞いていたトラちゃん、思わず涙がこみあげて。。
辛いね。。。苦しいね。。。どれが正解かなんてわからない
「じゃあ私はどうすればよかったの」と聞き返す寅子の目には涙が。
そして「知るか」と答えるよねさんの目にも涙があふれます。
「心配ご無用、女の弁護士は必ずまたうまれる、だからこっちの道には2度と戻ってくるな」というよねさんに「言われなくてもそのつもりよ」と言う寅子。
どうしてこうなっちゃったのでしょう。
こういう選択しかなかったのでしょうか。
虎に翼第39話第8週「女冥利に尽きる?」あらすじ~降参です~
家に帰った寅子ははるに「今日法律事務所に辞表を出してきました、ごめんなさい」と頭を下げます。
「お母さんの言う通り、歩いても歩いても地獄でしかなくて、私なりに頑張りましたけど降参です」と笑顔で伝える寅子。
はるは寅子の気持ちを思いため息をつきます。
荷物を持って部屋に行き、六法全書をを手に取り声をあげて泣く寅子。
ああ、なんて辛い日々。。私も泣けちゃう。。
あの日からずっと支えてくれていた六法全書、苦しい時もみんなで語り合った日々も全部知っている六法全書をしまう日が来るなんて考えたこともなかった寅子。こうするしかなかった答え、それは正解なのか間違いなのかは誰にもわかりません。。
虎に翼第39話第8週「女冥利に尽きる?」あらすじ~平穏な日々~
事務所を辞めた寅子は淡々と静かで平穏な日々を暮らしていました。
仕事を辞めたこと、優三さんは何もいいません。
自分の夢を勝手に寅子に重ねていたと言っていたのが噓のよう、お腹の子どもの成長を楽しみにしています。
昼間、花江と寅子は縫物をしながら喋ります。
直明からの手紙がないと愚痴る寅子、直道からの手紙の文面が直道らしくなくてつまんないと嘆く花江は女学校時代を思い出すと笑い、「トラちゃんが家にいてくれて嬉しい」と言います。
虎に翼第39話第8週「女冥利に尽きる?」あらすじ~グッときた名シーン~
寅子が弁護士を辞めると決断したシーンは辛くて苦しくてたまりませんでした。
あれほど憧れて、女性を救うために女性が無能力者ではないと証明するために意気込んでいばらの道でも血を流す覚悟で挑んだ法曹界。
必死に勉強し自分の力で弁護士になり、困っている人を男女関係なく救うと誓ったはずなのに、自らの手でその扉を閉じる決断をした寅子。
信じてきた穂高先生の理想を形にすることはできなかった。
仲間の無念を晴らすことができなかった。
助けてくれると言ったよねさんにも呆れられてしまった。
八方ふさがりでどの道を選んだらいいのかわからない。
結局は一番弱い逃げ道を選んでしまった。
そう感じてもう法曹界に戻ることは無いと思い片時も手放さなかった六法全書を片付ける寅子が、今まで見たことのない声をあげて泣くシーンにはなんともいえない複雑な思いを感じました。
虎に翼第39話第8週「女冥利に尽きる?」あらすじ~知恵と教養:猪爪家の間取り~
今回は少し志向を変えて「虎に翼」の美術セットについての記事をまとめてみました。
猪爪家は2階建て。
1階は玄関から入ると右側に直言の書斎があり玄関を上がり2階へ上がる階段のすぐ右側に優三さんの書生部屋、その横に電話室や納戸があります。
優三は元々納戸だったスペースに畳を敷いて下宿をしているという設定だそうです。
当時の書生さんは、玄関にお客さんが来たり、電話が鳴ったりした時にすぐ出られる位置に部屋があったそうです。
優三さんの部屋は玄関から入ってすぐ向かい側にあり、実はふすまを開けると電話室につながっているのだとか。
このからくりはドラマを見ていただけではわからない部分だと思いました。
玄関を上がり左に行くと廊下を挟んで右側が台所、左側がリビングと和室、そしてサンルームとなっています。
当時は和風の家屋の中に洋風のリビングやサンルームがある和洋折衷スタイルが人気でした。
家族が揃って食事をするリビングには大きいダイニングテーブルがあり、暖炉の上には家族写真が飾られています。
結婚式の写真や子どもたちの小さなころの写真などを大切に飾っています。
いまのように簡単に写真を撮ることができなかった頃、写真を撮ることは貴重でした。
その写真を額に入れて飾っている猪爪家は直言が海外で働いていたことが影響しているのでしょうね。
重厚感のある家具や椅子、ランプなど本当に素敵です。
寅子の部屋は黄色がテーマカラーになっていてカーテンや鏡台にも黄色い布を使っています。
敗れたふすまを補修しているのはお店の包装紙、その中にはいつもよく行く「竹もと」の包装紙もあるそうです。
NHKのサイトで猪爪家の間取りをVR収録したものがありました.
猪爪家の素敵なインテリアや間取り、すごくステキで飽きることなくずっと見ていられます。
ドラマと見比べたくなりますよ。
虎に翼第39話第8週「女冥利に尽きる?」あらすじ~次回予想~
子どものことを第一に考え、仕事は引き継ぐと言ってくれた事務所の人々。
寅子には立ち向かう気力も体力もありませんでした。
よねさんには「2度とこっちの道に戻ってくるな」と言われてしまいます。
泣きながら六法全書をしまい込む寅子。
弁護士佐田寅子から主婦になった寅子は翌年女の子を無事出産します。
名前は優未、優三さんから一文字もらいました。
優未の子育てに一生懸命な寅子、毎日奮闘中です。
昭和19年、戦争はまだまだ続きます。
この記事を書いたライターです。
子どもの頃からのテレビっ子。翌日学校でドラマの話をするのが大好きでした。
今も変わらずその延長線で好きを形に残したいとライター活動を始めました。
あったかいほうじ茶を飲みながら、のんびりと好きなことを書いていこうと思います。
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