連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。
困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。
今週のタイトルは「男は度胸、女は愛嬌?」です。
「男は度胸、女は愛嬌」とは男にとっては物おじしない“度胸”が、女にはにこやかでかわいらしい“愛嬌”が大事だという意味で使われます。男らしさや女らしさを端的に表す表現でもあります
- 「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~前回までのあらすじ~
- 「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~衰弱する直言~
- 「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~みんなを集めて~
- 「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~今する話、それじゃない~
- 「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~お父さんだけ~
- 「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~グッときた名シーン~
- 「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~知恵と教養:戦後の食糧事情~
- 「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~次回予想~
「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~前回までのあらすじ~
直言は優三さんの死亡告知書を写真立ての中に隠していました。
誰にも言えず隠していましたが、とうとう家族にその事実を知られてしまいました。
戦争が終わっても帰ってこない優三さん、もしかしたら死んでしまったのかもしれないと思いながらも万に一つの望みを持って待ち続けた寅子に、とうとう悲しい現実が突き付けられてしまいました。
思うように決まらない再就職、夫の死、弟の将来。
寅子が抱える問題は大きすぎます。
「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~衰弱する直言~
直言の病状はあまりよくありません。
お医者さんの話では栄養失調と肺炎の悪化で心音も弱まっている、そう長くはないでしょうと言われてしまいました。
直言の死が目前に迫っている、家族みんなに覚悟を決めるように医師は告げて帰っていきました。
「お父さん、ずっと隠してたって事?」直明がはるに聞きます。はるは寅子を気遣って自分から理由を聞くと言いますが、寅子はその件には一切触れず「夕飯の支度をするからお父さんに付き添っていて」とその場を立ち去ります。
トラちゃん、無表情。。。感情飛ばしちゃったのかなぁ。。。
みんな心配してるけど何にも言えないしどうしたらいいのか。。。
寅子にとってもある程度の覚悟は持っていたとは思います。ですが直言が誰にも言わず黙って隠していたのはなぜなのか、いつまでも隠していられる訳などないはずなのにそうするしかなかった直言。寅子がかわいそうだから言えなかったのでしょうか。教えてもらえない事の方が辛いとは考えなかったのでしょうか。
何も言えない寅子はすべての感情を無くしてしまったかのようです。
「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~みんなを集めて~
知りたくなかった事実が突きつけられました。
優三さんは死んでしまっていた。
思い出すのはお別れの日の泣きそうな笑顔の優三さんです。
寅子は感情を無にするかのように黙々とマッチの仕事に精を出します。
意を決したように直言ははるに声をかけ、みんなを呼ぶように言います。
直言の正面に座る寅子、じっと直言の顔を見つめます。
バツが悪そうに寅子の目を見ることができない直言ですが、寅子に質問があると言い出します。
「はい」と寅子が答えると直言は「よかった~」と言い「花江ちゃんは猪爪家の人間だ、いつまでもこの家にいていい。でもこの先誰かいい人が現れたらその人と一緒になりなさい。息子たちは連れて行っても置いていってもいい」と話します。
直言は改めて自分の口からきちんと話しておきたいと思ったのでしょう。
直言の話を黙って聞いていた寅子、もうすぐ亡くなってしまう直言との短い時間を心を閉ざしたまま過ごしてしまっていいのでしょうか。
「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~今する話、それじゃない~
直言の話を聞いていた寅子は「話は終わりましたか?では仕事へ」と部屋を出ていこうとします。
花江は「お父さん、今する話 それじゃないです」と言い、寅子に思っていたことを口にします。
花江の言葉に寅子は再び直言の前に座り直します。
ですがすぐに言葉が出ません。
先に直言が「ごめん、優三君のことすぐに伝えられなくてごめん」と謝ります。
今トラが倒れたら我が家はどうなるだろう、トラの仕事が決まったら話そうと思っていたけど決まらないし。。。っておいおい、お父さん、言い訳が過ぎるなぁ~本心丸出しだよ~
俺は弱い人間、いつもトラに頼りっぱなしで本当にごめんと直言は頭を下げます。
花江ちゃんは「許したくなかったら許す必要ないのよ」と寅子に言います。
花江ちゃん、本当に素敵。大事なことを逃さずにちゃんと言うことができるのすごいことだと思う。
寅子にもちゃんと意見が言えるのが本当の友達の証だよね
このまま本当の気持ちを伝えられないまま直言が亡くなってしまったら、寅子には絶対悔いが残ると思った花江ちゃんは必死に寅子に、直言に伝えます。
戦地に行って亡くなってしまった直道にもっともっと話したいことや聞きたいことがあったのでしょう。
今となっては写真立ての直道に心の中で話しかける事しかできない花江の言葉はとても心に響きます。
「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~お父さんだけ~
直言は寅子に話をさせず、自分の思いを話し続けます。
おいおいおいおい!とんでもないこと言い出したよ!!
お父さん、隠し事は一切ないことにしたい気持ちはわかるけど、それこそ その話今なの?
直言はこれぞとばかりどんどん自分の気持ちを吐き出します。花岡君と結婚したらまわりに自慢できると思っちゃった、共和事件の時トラがしつこくて腹が立った、はるさんが怖くて残業と嘘をついて飲みにいった、直明が出来過ぎるから自分の子じゃないのかもと思った、花江ちゃんが強くなって嫌だなぁって思った どんどん出てくる直言の懺悔、こりゃ終わりがないぞ。
直言は「苦労ばかりかけて申し訳なくて死にきれない、こんなお父さんでごめん」と謝り続けます。
じっと直言の話を聞いていた寅子は「でもお父さんだけだったよ、家族で女子部に行ってもいいって言ってくれたのは。誰の前でもウチのトラはすごいって、どんな私になってもカワイイっていっぱい言ってくれたのはお父さんだけ」と笑います。
「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~グッときた名シーン~
花江ちゃんの一言が心を動かした回でした。
以前、共和事件で直言が逮捕されたことではるが身内から犯罪者が出ると困ると実家から縁を切られたと直道と花江に話したことがありました。
猪爪家から籍を抜きなさいというはるに直道は「それでお母さんの気が楽になるなら」とあっさり受け入れたのに対して、花江ちゃんがズバッと「それ、今じゃないです」とはるに問いかけたことがありました。
違うとか間違っていると言って咎めているのではないのです、ただそれが他のことよりも優先する内容なのか、今そのことをすべきなのかちょっと考えてみてという提案の仕方がなんだかいいなぁとその時思ったのです。
今回も寅子のことを差し置いて花江のことを心配する直言に対して「お父さん、今する話 それじゃないです」と諭した花江。
今回は直言の命のリミットがあるから花江ちゃんの口調も厳しめです。
自分の事を心配してくれる直言の気持ちはありがたかっただろうけど、なんだか向き合わなくてはならないものに敢えて背を向けているようにも感じてしまいました。
それ、今じゃないという咎め方、全否定ではないから意外とスマートだなと感じたり、きちんと言うべき時を逃さず意見を言える花江ちゃんの強さは頼もしさの証だと思いました。
「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~知恵と教養:戦後の食糧事情~
直言の体調不良は肺炎と栄養失調だと話した医師の言葉から当時の食糧事情について調べてみました。
終戦直後の日本は大変な食糧難に見舞われ、飢えに苦しむ人が大勢いました。
米は食糧管理法ですべて管理されましたが、ヤミ米を求める人も見られました。
東京・上野駅付近での餓死者は1日平均2.5人、その他大都市を含め全国で餓死者や栄養失調による死者が続出したそうです。
各地では「米よこせ運動」が頻発しました。
人々は生きるために、非合法な買い出しや闇市などを利用し、法外な値段で生活必需品を入手するほかありませんでした。
お米の不足は、麦やじゃがいもなどの代替食糧を中心に、輸入食糧で補われましたが、これらも十分ではありませんでした。
家庭の経済事情によって十分に食事をとれず命を落とす子どもたち、今では考えられないような話ですがそれほど昔のことではないことに驚きを隠せません。
「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」(43)ネタバレあらすじ~次回予想~
言いたいことを言って、一生分の懺悔をして直言は息を引き取りました。
たくさんかわいがってくれていつも応援してくれていた父の存在は寅子の中で大きなものでした。
私が猪爪家を支えていかなくては
寅子は再び決心します。
戦後の物のない時代、仕事を探すことも大変です。
弁護士として再び寅子が法曹界に蘇る日は来るのでしょうか。
この記事を書いたライターです。
子どもの頃からのテレビっ子。翌日学校でドラマの話をするのが大好きでした。
今も変わらずその延長線で好きを形に残したいとライター活動を始めました。
あったかいほうじ茶を飲みながら、のんびりと好きなことを書いていこうと思います。
コメント