汐見圭(平埜生成)の奥さんはヒャンちゃん(ハ・ヨンス)でした。
ヒャンちゃん(ハ・ヨンス)は名前を変え汐見香子として生活していました。
狭い法曹界、どこかで誰かがつながっているようです。
激動の時代、みんなそれぞれいろんなことがありました。
崔香淑のことは忘れてと言われても思い出は消すことはできません。
みんなの心の中に優しくて明るい笑顔のヒャンちゃん(ハ・ヨンス)は生きています。
そして長い人生、またいつかはお互い目を見て話せる時が来ることを信じたい、そう思います。
第55話家庭裁判所設立と壁の絵に描かれていたもの~前回までのあらすじ~
酔って寝てしまった汐見圭(平埜生成)を多岐川幸四郎(滝藤賢一)と自宅に送り届けた佐田 寅子(伊藤 沙莉)。
出迎えた汐見圭(平埜生成)の妻・香子は佐田 寅子(伊藤 沙莉)の女子部の同級生:崔香淑でした。
ヒャンちゃん(ハ・ヨンス)と声をかける佐田 寅子(伊藤 沙莉)に怪訝な顔で「その名前で呼ばないで」と突き放す香子。
ヒャンちゃん(ハ・ヨンス)の様子に戸惑う佐田 寅子(伊藤 沙莉)、はるからは「生きていればいろいろある」と諭されます。
翌日、汐見圭(平埜生成)から事情を説明された佐田 寅子(伊藤 沙莉)は何か自分にできることはないかと尋ねますが、立ち聞きしていた多岐川幸四郎(滝藤賢一)にできることはないと断言されてしまいます。
汐見圭(平埜生成)さんと繋がっていればまたいつかは香子に会える、話をすることもできるかもしれない。
今は家庭裁判所の設立が急務なのです。
第55話家庭裁判所設立と壁の絵に描かれていたもの~純度の高い正論~
昭和23年12月、東京少年少女保護連盟の学生たちが家庭裁判所設立準備室にやってきました。
寅子が直明に頼んで学生のみんなの純粋な言葉を届けようと思ったのです。
そう話す直明の言葉に「1人でも多くの子どもたちを更生させて救いたい」と話す浦野と「ご婦人や子どもたちを救えることにやりがいを感じている」と言う浦野。
直明は「お二方とも見ている方向は一緒ということですね」と上手くまとめます。
キラキラした瞳で熱く思いを語る直明、これこそが重みのある真実だね
2つの組織が団結することでより多くの子どもたちを救うことができる。
直明の言葉に感動する多岐川幸四郎(滝藤賢一)、深くうなずく汐見圭(平埜生成)。
なぜか稲垣までが感極まって泣き出すなんて。。。笑
互いに手を取りあい団結することができるのは本当に素敵なことです。直明の純粋で汚れの無い瞳に浦野や檀の心も動きます。「学生たちの手本となるべきなのに、管轄や名前で衝突している場合じゃない」今こそ団結する時だ!大人のやるべき姿勢を見せる時です!
あんなに難航していたのに、なんだかおもしろいように簡単にまとまってしまいました。
仕事が進むことはいいことですが、直明に全部いいところ持っていかれてしまったみたいな気もします。
折れるきっかけが必要だった、だからいい作戦だったと言う汐見圭(平埜生成)や小橋浩之(名村辰)。
そうだね、一度言ってしまった文句はなかなか引き下げられないか。
なるほど、学生に華を持たせ決着させる、なかなかの高等テクニックでしたね、トラちゃん!
そしてこれが桂場が言った『純度の高い正論』の力なのかもしれませんね!
第55話家庭裁判所設立と壁の絵に描かれていたもの~家庭裁判所設立前夜~
こうして家庭裁判所設立が現実のものとなってきました。
しかし次は具体的な問題が山積しています。
まずは東京家庭裁判所のいろんな部署をとりあえず設置する必要があります。
佐田 寅子(伊藤 沙莉)の頼みで4階の宴会場を貸してもらえることになりました。
大晦日、東京家庭裁判所の事務所を作る作業が始まりました。
直明や大学の仲間だけでなく、猪爪家全員が手伝いに!優未ちゃんもお手伝いに来てるんだね、えらいね。
急ピッチで机や棚を運び、次第にそれっぽくなってきました。
思い描いていたファミリーコートのように明るくにこやかにみんなで少年の問題を解決していく場所となっていくのですね。
直明と大学の女の子たちの様子が気になる花江ちゃん。
花江ちゃん、いくつになっても恋バナ好きだね~
直明も佐田 寅子(伊藤 沙莉)のようにこの先の人生を共に過ごすような仲間に恵まれるといいですね。
第55話家庭裁判所設立と壁の絵に描かれていたもの~飾られた絵~
多岐川幸四郎(滝藤賢一)は最後の仕上げだといい大きな風呂敷に包まれた絵を持ってきました。
壁にかけられた絵、それは花岡悟(岩田剛典)の妻:奈津子さんが描いた花岡悟(岩田剛典)が2人の子どもの手にチョコレートを分けあう絵でした。
奈津子さん、桂場さんがたくさん絵を購入してくれてって言ってたよね
「チョコレートのお陰で久しぶりに家族が笑顔になれたんです」そう奈津子さんは寅子に話していました。
じっと絵を見つめる佐田 寅子(伊藤 沙莉)。
法律は縛られて死ぬためにあるんじゃない、人が幸せになるためにあるんだよ。幸せになることを諦めた時点で矛盾が生じる。彼がどんなに立派だろうが法を司る我々は彼の死を非難して怒り続けなくてはならん。その戒めにこの絵を飾るんだ。多岐川の言葉は重く響きます。本当は花岡の死に無念を感じていたのでしょう。バカタレ判事と言ったのは自らの幸せに気づけずに愚痴をこぼしたり助けを求めることができなかったことへの批判だったのですね。
多岐川幸四郎(滝藤賢一)は家庭裁判所の事務所に花岡悟(岩田剛典)の絵を飾るつもりでした。
佐田 寅子(伊藤 沙莉)が分けたチョコレートが花岡悟(岩田剛典)の手から子どもたちへの渡される。
分けあって、分かちあって少しの幸せをみんなで共有する そんな社会が続いていけばみんなが幸せに近づいていける、優しい世界になると感じました。
第55話家庭裁判所設立と壁の絵に描かれていたもの~未来に種をまく仕事~
汐見がみんなに話をします。
凶悪事件から逃げた自分が許せなくて自分を責めていた多岐川幸四郎(滝藤賢一)。
朝鮮から日本に戻り上野の駅に降り立った時、大勢の子どもを見て考えが変わったのだと汐見圭(平埜生成)は教えてくれました。
子どもたちは多岐川の前に立ち、右手を差し出します。何かくれるものはないか、無言で手のひらをみせます。多岐川の手に何もないことがわかると子どもたちはちりじりになって走って逃げて行ってしまいました。何もできない自分、飢えた子どもたちに涙を流すことしかできない今の自分。
子どもたちを幸せにしたい、そのためには死んでも逃げない。残りの人生を全て捧げよう。未来に種まく仕事をしよう。一緒に傍で支えてほしい。多岐川幸四郎(滝藤賢一)は汐見夫婦にそう言いったのです。
大酒飲みで暴言を吐く変わり者と思っていた多岐川ですが、子どもたちの未来をより良くしていくために熱い志を持った人だったのですね。
そして汐見や香子ちゃんと多岐川の絆にも感動してしまうな~
1月1日、家庭裁判所設立準備室の看板は外されました。
多岐川幸四郎(滝藤賢一)は1人、モーニング姿に着替えています。
「この光景はどうしても君たちと一緒に見たかったんだ」
宴会場の表札の上に「東京家庭裁判所」の紙を張り付ける多岐川幸四郎(滝藤賢一)。
多岐川幸四郎(滝藤賢一)と汐見圭(平埜生成)、小橋浩之(名村辰)、稲垣雄二(松川尚瑠輝)、佐田 寅子(伊藤 沙莉)、昭和24年1月1日の朝を忘れることはできないでしょう。
第55話家庭裁判所設立と壁の絵に描かれていたもの~グッときた名シーン~
多岐川が家庭裁判所に飾る絵について話をするシーンは胸アツでした。
多岐川が持ってきた絵は花岡の妻:奈津子さんが描いたもの、チョコレートを子どもたちと分け合う絵です。
花岡悟(岩田剛典)が寅子に話した自分らしさ、求める姿、強さと優しさを感じられるような絵です。
当初、花岡悟(岩田剛典)が寅子の同級生だと知った多岐川は法を守るために命を落とすなんてバカだと言い、花岡のことを「バカタレ判事」と罵りました。
寅子は友人を馬鹿にされた、発言を撤回してと多岐川に詰め寄りましたが議論は無駄だとしてそれぞれの意見は平行線のままでした。
その後、多岐川の変人ぶりに翻弄される寅子ですが、ヒャンちゃん(ハ・ヨンス)こと香子のことやファミリーコートに対する熱意などから少しずつ多岐川に対する見方が変わっていきました。
そして多岐川の夢である家庭裁判所に飾ろうと選んだのが花岡悟(岩田剛典)の妻:奈津子さんが描いた絵でした。
パッと見はチョコレートを子供に分けてあげる大人の絵ですが、このチョコレートは寅子がホーナーさんからもらったものを半分渡したものです。
久しぶりに花岡悟(岩田剛典)に会ったとき、寅子は迷いの渦の中にいました。
そんな時「今も前も全部君だよ。どうなりたいかは自分で選ぶしかない、本当の自分を忘れないうちに」と話す昔と変わらない花岡悟(岩田剛典)の笑顔に寅子の気持ちが和み、未来に希望を感じた瞬間でした。
しかし花岡悟(岩田剛典)が苦しんでいたことに寅子は気づけず、花岡は自分を貫いた結果命を落とす事になってしまいました。
彼の生き方を責めることは誰にもできません。
この絵は花岡悟(岩田剛典)の為に何もしてあげられなかった法に携わるすべての人の戒めにと多岐川は言いました。
多岐川自身も自分の無力さ、時代にそぐわない法の改正を求めることができなかった無念を感じているのだと、その気持ちが怒りとなっているのだと感じました。
第55話家庭裁判所設立と壁の絵に描かれていたもの~知恵と教養:宇田川潤四郎氏~
多岐川幸四郎という人物のモデルになった宇田川潤四郎氏について調べてみました。
宇田川潤四郎さんは明治40年生まれ、早稲田大学を卒業し高等試験合格後裁判官になりました。
その後満州に派遣され新京高等法院の審判官兼新京地方法院審判官を務め、後に司法部職員訓練所の中央司法職員訓練所教官も務めていました。
戦争で自分よりも優秀な人が亡くなり、生き残った者の役目として何ができるのか悩んでいたという宇田川氏。
戦後の上野駅で親を失った無数の子どもたちが彷徨う姿に衝撃を受け、子どもたちの生活を守ることが与えられた使命と感じ、未来を担う子どもたちへの支援を固く決意したそうです。
その後京都少年審判所の所長を務めていたとき、学生らに協力を求め非行少年の相談にのったりケアをするBBS運動を始めます。
そして宇田川氏がよく口にしていたのが「個人の尊厳」です。
個人は命があるから尊重せられるべきであり、尊厳なのである。
国民各自がそれぞれの使命を負う尊い存在であることを自覚し、互いに人格を尊重すべきであるという信念を確立しなければならない。
宇田川氏の考えである個人の尊厳が職務を全うした花岡悟の命の尊厳を守ることができなかった多岐川の悔しさにつながっているのだなと思いました。
第55話家庭裁判所設立と壁の絵に描かれていたもの~最終回予想~
短い時間でなんとか形にすることができた家庭裁判所、多岐川は燕尾服に着替え1人お祝いムードです。
これから少年審判所と家庭審判所が一つになり、共同して少年の更生に力を注ぐことになります。
期日までに家庭裁判所の設立にこぎつけたら裁判官にしてくださいと桂場に頼んでいた寅子は約束通り裁判官になれるのでしょうか。
新しい年が始まり、寅子の生活も一新しそうです。
昭和24年、どんな年になるのでしょうか。
この記事を書いたライターです。
子どもの頃からのテレビっ子。翌日学校でドラマの話をするのが大好きでした。
今も変わらずその延長線で好きを形に残したいとライター活動を始めました。
あったかいほうじ茶を飲みながら、のんびりと好きなことを書いていこうと思います。
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