第8話東田甚太(遠藤雄弥)の妻峰子(安川まり)は夫の所有物?女の怒りを忘れないため山田よね(土居 志央梨)は裁判を傍聴!

連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。

困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。

夢と希望を胸に明律大学女子部に入学できた寅子ですが、「ヘラヘラしててうっとおしい」と怒鳴られたり 新聞記事には変わり者乙女などと書かれたりで現実は前途多難の様相です。

初めて法律に触れる寅子たち、どんな未来が待っているのでしょうか。

第8話「虎に翼」「女三人寄ればかしましい?」~前回までのあらすじ~

婦人の弁護士資格取得を認める法改正が延期になったことを嘆き号泣する先輩に「次はきっと大丈夫」と明るく元気づけたる寅子や「まぁそんなことだろうと思った」と笑ってごまかす梅子たち。

それを見ていたよねは「めそめそヘラヘラめそめそヘラヘラ!!全員うっとうしい!!辞めちまえ!」と怒鳴り、教室を出て行ってしまいました。

よねを追いかけてたどり着いた先は東京地方裁判所。

寅子は思いがけず初めて裁判というものに触れることになりました。

初めて傍聴する裁判はどんな内容なのでしょうか。

受付の仕方を教えてくれた優しいおじさんの言葉を借りれば「つまんなそうな民事の裁判」ということですが、さっき泣きながら寅子たちの前を通り過ぎたあの女性は裁判と関係があるのでしょうか。

寅子とよねはお互いに何も話さずの関係です、この先どうなっていくのでしょうか。

「虎に翼」「女三人寄ればかしましい?」~初めての法廷~

よねを追いかけて裁判所にやってきた寅子が初めて傍聴した裁判は女性が起こしたものでした。

弁護士は裁判長にいかにひどい仕打ちを受けたかを熱く語ります。

顔に残る傷、右ひざは満足に曲がらず右耳はほぼ聞こえていないと言い、前夫による暴力が原因だと熱く語りますが、男性側の弁護士によると2人は未だ婚姻関係にあると言います。

はて?離婚しているのかいないのか?

7年前結婚した峰子(安川まり)さんは夫:東田甚太(遠藤雄弥)からの日常的な暴力に耐えかね、離婚裁判を起こし勝訴したもののすぐに控訴されてしまいました。

そのため峰子(安川まり)さんは離婚裁判とは別に物品返還請求の裁判を起こしました

傍聴席のよねと寅子に女性なら被告の無念が理解できるのではと話しかける弁護士。

思わず寅子は「はい」と言ってしまいます。

前夫の東田甚太(遠藤雄弥)はそのやりとりを聞いて「ふふっ」と笑います。

女性の弁護をしているのはシソンヌのじろうさんで男性側が長谷川忍さん!

コントみたいだけど2人ともいい味出てるよね!

峰子(安川まり)さんの弁護士は彼女の身体は傷だらけで、身体だけでなく精神的にも金銭的にも苦労が絶えなかったと語ります。

今であれば暴力をふるう夫はDV、精神的に苦痛を与えたのであればモラハラだという認識を持っいる人が多くいるに思います。

ですが当時は家長制度により家庭の中でも男性の権力が強く、妻は夫に従うもので夫が送るのは妻側に問題があるからではないかと考えられていました。

そのため女は耐えるしかなく峰子(安川まり)さんのように離婚訴訟を起こす人は多くいなかったようです。

「虎に翼」「女三人寄ればかしましい?」~妻の財産って~

峰子(安川まり)さんの弁護士の話が終わり、前夫の弁護士が席を立ち峰子さんに近づきます。

思わず小さな声で「がんばれ」と言ってしまう寅子

弁護士は家に帰ってこない東田甚太(遠藤雄弥)さんにに促したりしなかったのかと尋ねます。

一度手紙を渡したら酷く怒られたと話す峰子(安川まり)さんに弁護士は「怒られたから終わりなのか。他に努力する方法はなかったのか」と責めるように言い返します。

あなたがもっと居心地を良くするように尽くす」ことはしなかったのかと、まるで帰りたくなかったのは居心地を悪くしている妻の方に責任があるかのような話し方です

弁護士は峰子(安川まり)さんの母親の形見である色留袖を手にして「少々くたびれていて、どうしても取り戻したいものに思えない」と薄ら笑いながら言います。

なんと失礼な!。

この着物は家族の幸せな思い出そのものである、祖母にとっても母にとっても大事なものなのです、と峰子さんは訴えます

ならば新たな思い出を東田甚太(遠藤雄弥)さんと作ってはどうかと話す弁護士。

えっ?どういうこと?

東田甚太(遠藤雄弥)さんが控訴しているのは夫婦生活を続けたいからであり「結婚中、妻の財産は夫が管理するというのは民法が定めたとおりです」と勝ち誇ったように言いました。

何も言えない峰子(安川まり)さん側の弁護士。

峰子(安川まり)さんは涙をこらえ首を横に振ることしかできません。

トラちゃん、眉間にしわが寄ってる。。

笹寿司店主のおじさんはこのような結果がなんとなくわかっていたから「民事のつまんない裁判」だと寅子に説明したのでしょうか。

どのような理由があっても民法が定めたものに従う以外にできることはないのでしょうか。

「虎に翼」「女三人寄ればかしましい?」ネタバレあらすじ~女は虐げられている~

男性側の弁護士が「結婚中、妻の財産は夫が管理するというのは民法が定めたとおりです」と言い「もう一度夫婦生活をやり直すべきでは?」と問いかけて今日の裁判は閉廷となりました。

傍聴席を出ていくよねを寅子は追いかけます。

よねが心配で後をつけてきてしまった事を謝る寅子。

よねに「ここに来たのは弁護士になるために頑張ろうと自分を鼓舞するため?」と寅子が聞くと「身震いするほどおめでたい女だな」とよねは怒りをぶちまけます。

あの裁判をみてどうやって自分を鼓舞できる?着物なんて取り返せるわけがない、法がお前の言う規則なのだとしたら着物は返ってこない、着物は夫のものだから

寅子はあんなにひどい目にあっているのになぜ?と腑に落ちません。

よねは再び吐き捨てるように言いました。

女は常に虐げられて馬鹿にされている、その怒りを忘れないためにここに来ている

現実を知るたびに女が賢くなる必要があると思うんだね

よねはいつ、どんなことで虐げられて馬鹿にされたのでしょうか。

生い立ちや環境など、山田よねについてはまだ何も明らかにはなっていませんが、おそらく強く傷つくことがあり、悔しさややるせなさを感じて生きてきたのでしょう。

怒りはよねの勉学への原動力となり、女性でも男性と同じようになんでもできることをよねは証明したいのでしょう。

家に帰ってから寅子はなぜ峰子(安川まり)さんは着物を取り返せないのか、優三に質問します。

民法第801条:夫は妻の財産を管理す」とあり妻は夫の管理下に置かれており、結婚したら妻は社会的無能力者となり夫は妻を庇護する義務があるため、離婚が成立していないのなら難しい案件だと優三は言います。

そんなのすごく変!なぜ性別で区別するの?母親の形見の着物なのになぜあの男のものになるの?

寅子の疑問は怒りに変わっていきます。

寅子は居間に駆け込んで「罠だよ、罠。結婚って罠。結婚すると女は全部男に権利を奪われ離婚も自由にできないって誰かに教えてもらった?教えてもらってないよね!」と花江や母に怒りをぶつけます。

寅子の言葉にキョトンとする花江。寅子が言う言葉の重みはまだわかりません。

寅子はどうしても怒りが収まりません。

布団に枕を何度も投げつけた後、寅子は六法全書を開き何度も読み返していました。

夕食のあと、お酒を飲みながらくつろぐ寅子の兄と花江。

父親は気持ちよくなってうたた寝をしています。

寅子は優三の大学に行き、初めて結婚した女性は無能力者となることを知りました。

女学校では誰もそんなこと教えてくれませんでした。

親も新聞も雑誌も何にも教えてくれてない、なのに法律だから守らなくてはいけない。

そんな罠みたいな結婚をしている人たちは自分たちの置かれている状況をどれだけ知っているんだろう。

それは女が虐げられて馬鹿にされているから教えてもらえてないのでしょうか。

女は自分の置かれている状況すら知ることもない時代だったのです。

「虎に翼」「女三人寄ればかしましい?」~法廷に正解はない~

法改正が延期になったことを新入生たちに説明するため穂高先生が学校に来ました。

君たちが怒り悲しむのは当然だ、だが法は必ず変わる、信じて胸を張って勉学に勤しんでほしいと話す穂高先生。

素直に「はい」と返事をする寅子ですが、山田よねはすっと手を挙げます

いつかは法も変わるでしょう、ですが20年後30年後では話になりません

穂高先生は「どんなに遅くても君たちが卒業するまでには必ず。信じてくれ」と言います。

さすがのよねも「わかりました」としか言いようがありません。

寅子は穂高先生にどうしても昨日の裁判の事を聞いてみたくて仕方ありません。

寅子は裁判の概要を話し、「よねは絶対着物は返ってこないというのですがどうしても無理なのでしょうか。納得がいかないのです」と穂高先生に伝えます。

穂高先生は「さぁどうだろう。法廷に正解というものはないからね」と言い、「君たちならどう考えるか次の授業の前に聞かせてほしい」と話しました。

突然の先生の提案にざわめく生徒たち。

寅子だけが満足げです。

突然の展開に急に法学部らしくなってきたね

弁護士になったつもりで考えよう!

どこか現実離れしていた法律の世界がぐっと身近なものになってきました。

寅子は穂高先生の意見を聞きたかったのに穂高先生は答えを出しませんでした。

それはみんなに考える時間を与えるためなのか、女性ならではの視点を見つけよとしていたのか、単純によねの意見以外に答えが見つからなかったのかもしれません。

穂高先生が言うように寅子たちが卒業するまでには、法改正が進み女性が弁護士資格試験を受験できるようになる。

その日が来ることを信じる事しか寅子たちにできることはないのでしょうか。

第8「虎に翼」「女三人寄ればかしましい?」~グッときた名シーン~

今回の見どころは初めてみた裁判の様子でしょう。

傍聴は静かにとおじさんに言われた寅子ですが、ついつい気持ちが入ってしまって思わず「頑張れ」と口にしてしまいました。

必死に涙をこらえ亡き母の形見である着物を返してほしい、着物は私だけでなく母や祖母にとっても大切な思い出がたくさん残っている品物だと訴える峰子(安川まり)さん。

その着物はあまりきれいではないし高価なものでもない、なぜそこにこだわるのかとでも言いたげな夫の弁護士。

そのやりとりを鼻で笑いながら聞いている夫。

もしかしたら嫌がらせで大事な着物を勝手に処分してしまうかもしれない。

結婚した妻には財産の所有権はないと民法が定めるのであれば、法律が規則であるとするのならば争うことすら意味の無いものだと大半の人が考えるでしょう。

ですが裁判の途中、何度も寅子の頭の中には「はて?」が浮かびました。

  • ケガを負っているのに離婚させてもらえない。
  • 精神的、金銭的にも苦労が絶えない。
  • そんな虐げられている環境なのに離婚はいまだ成立していない。
  • 夫が家に帰りたくなるように尽くしていたのか、努力が足りなかったのではとまるで悪者のように言われてしまう。
  • 大切な家族の思い出、幸せの象徴のような形見の着物の所有権すら認められない

初めて傍聴した裁判は衝撃的でした。

よねが言うように女は虐げられて馬鹿にされていると寅子も感じたでしょう。

それでも法を守らなくてはならないのでしょうか。

答えは誰が教えてくれるのでしょうか。

第8「虎に翼」「女三人寄ればかしましい?」~知識と教養~

今回は寅子のクラスメイトについて調べてみました。

強烈な個性を放つ山田よねを演じているのは土居 志央梨(どい しおり)さんです。

土居志央梨さんは1992年7月23日生まれ。京都造形芸術大学映画学科俳優コースに入学後舞台や映画に出演し、体当たりで大胆な演技に注目を集めました。

さっそうとした男装の女性:山田よねは常に表情を崩さず頑なに我を通そうとする女性ですが、柔らかな笑顔が素敵で肌の美しい聡明な女優さんです。

意志が強そうでまっすぐな瞳が印象的

華族のお嬢様 桜川涼子を演じているのは桜井ユキさん。

桜井ユキさんは1987年2月10日生まれ。

2011年から舞台やCMなどの活動を開始し、2015年には映画に8本出演、2019年にはNHKドラマ「だから私は推しました」で主演を務めました。

今回桜井ユキさんが演じている桜川涼子さんは華族のお嬢様です。

お付きの玉ちゃんを従えキレイな着物を着て学校に通う涼子様はなぜ女子部に入学したのでしょうか。

英語が堪能な涼子様に法律はどう関係してくるのかしら?

最年長の大庭梅子を演じているのは平岩紙(ひらいわ かみ)さん。

平岩 紙さんは1979年11月3日生まれ。舞台芸術学院演劇部を卒業し大人計画に所属しています。

多くの舞台や映画、ドラマに出演し、その演技力の高さからシリアスな役もコミカルな役も難なくこなす女優さんで、蓮足テレビ小説では「ちゅらさん」「ゲゲゲの女房」「とと姉ちゃん」にも出演しています。

今回演じる大庭梅子は新入生の中で最年長夫は弁護士で子どもは3人いるという設定です。

今のところ学校以外の自宅での様子はまだ描かれていませんが、夫と同じ弁護士の道を歩もうと考えて女子部に入学したのでしょうか。

家事に子育て、学業と忙しい毎日ですがみんなのためにお昼のおにぎりを欠かさず持ってくるような家庭的な面もあるようです。

 

弁護士の妻なら家で夫を支えるのかと思ったんだけど…

留学生 崔香淑を演じているのはハ・ヨンスさんです。

ハ・ヨンスさんは1990年10月10日生まれ、韓国出身の女優さんです。

韓国でモデル活動をしその後映画やテレビドラマで活躍し、2022年からは日本でも活動をはじめました。

ハ・ヨンスさんが演じている崔香淑という女性は朝鮮半島からの留学生で兄が法律を学んでいた影響で女子部に進学しました。

日本語は堪能だということで言葉の壁はあまりないようですが、外国人であることの差別や苦労などもこの先描かれていくのではと思います。

寅子と同じように法の道を志し明律大学女子部に入学してきた仲間たち。

先輩たちのように辞めていってしまう人もいるかもしれません。

いろんな想いを抱えて進学してきたその夢を叶えることができるといいですね。

第8「虎に翼」「女三人寄ればかしましい?」~次回予想~

初めて裁判を傍聴した寅子にとって、裁判の内容は全く理解に苦しむ事ばかりでした。

裁判の内容は離婚の決着がついていない妻が、母親の形見の着物の返還を求めるものでした。

暴力を振るわれ離婚は勝訴したものの再び夫側から控訴されている状態、つまり離婚が成立していないのであれば財産の所有権は夫にあり妻にはない。

そのため着物が返還されることは難しいと優三もよねもいうのですが、寅子にはどうしても納得がいきません。

寅子は穂高先生に質問しますが「法廷に正解はない」と言い先生も断言しません。

むしろ穂高先生は君たちならどう弁護するかどう判決が出ると思うか、考えてみてはどうかと話します。

いったい寅子たちはどのような答えを導くのでしょうか。

梅本
梅本

初めて傍聴した裁判で寅子は日本の婚姻制度や家長制度の中で生まれた民法における女性の定義に愕然とします。誰にも教わっていないこの事実、寅子が法の理想と現実を知る大きなきっかけの出来事です。

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