第10話女子部のみんなが見守る裁判の行方!別室から桂場 等一郎(松山 ケンイチ)も傍聴

かつ連続テレビ小説「虎に翼」は日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。

困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を丁寧に描いています。

夢と希望を胸に明律大学女子部に入学できた寅子ですが、「ヘラヘラしててうっとおしい」と怒鳴られたり 新聞記事には変わり者乙女などと書かれたりで現実は前途多難の様相です。

初めて法律に触れる寅子たちは理想と現実の狭間で大きな壁を感じ悩みます。

彼女たちにはどんな未来が待っているのでしょうか。

「虎に翼」第2週「女三人寄ればかしましい?」(10)ネタバレあらすじ~前回までのあらすじ~

課外授業として峰子さんの裁判を傍聴しに来た女医部のみんなと穂高先生。

原告の訴え通り、母親の形見の着物を取り戻すことはできるのでしょうか。

弁護士は互いに最後の主張を繰り広げます。

裁判官は休廷後判決を下すと言いました。

通りがかった桂場等一郎も別室から裁判の行方をのぞき見します。

裁判官が戻ってきました。

さてどのような判決を下すのでしょうか。

着物は峰子さんの手元に戻る日はやってくるのでしょうか。

「虎に翼」第2週「女三人寄ればかしましい?」(10)ネタバレあらすじ~原告勝訴~

裁判官の心証に委ね、結審を見守る女子部の学生と穂高先生。

休廷後、裁判官は判決を言い渡します。

主文:被告は原告に対し別紙目録記載の物品を引き渡すべし

その言葉に峰子さんの弁護士は声を上げて喜びました。

峰子さんの弁護士も半分以上諦めてたのかな

傍聴席で判決を見守っていた女子部の学生たちも驚き、安堵の笑みを浮かべ喜びあいます。

裁判が始まっても裁判官はまだ迷っているように思えました。

民法を主張する夫側の弁護士、母親の形見の着物を守ろうとする妻

寅子たちもいろんな方法を考えてみたものの、夫側の主張が認められることになるだろうと結論付けるしかなかった裁判が、妻への返還を命令する形で終結しました。

これぞ裁判官の心証に委ねた結果の判決です。

いやー、その根拠 知りたいわ。

「虎に翼」第2週「女三人寄ればかしましい?」(10)ネタバレあらすじ~主文の趣旨~

まさか返還を言い渡されるとは思っていなかった東田は「あり得ないだろ!おい!!」と暴言を吐きました。

裁判官は傍聴人の事を穂高教授に尋ね、「傍聴人は明律大学女子部法科の学生です」と伝えました。

裁判官はそれなら特別に判決の趣旨を述べようと思うと説明を始めました。

民法が夫をして妻の財産を管理させるのは夫婦共同生活の平和を維持するとともに妻の財産の保護を目的とすること。本件のように夫婦生活が破綻を生じた事情において、妻が形見の品や日常生活に必要な品々の返却を請求することに対し夫がそれを拒絶することは法に規定されている権利の濫用と言わねばならず、夫としての管理ばかり主張するのは明らかに妻を苦しめる目的をもってのほかならない。

裁判官の言葉を聞いて峰子さんは微笑み、そして肩を震わせて涙を流しました

女子部の誰もが着物の返還は無理であろうと考えていた判決が全く逆の結果となり、寅子も嬉しそうに微笑みます。

よかった~と喜ぶ学生たち

小窓から覗いていた桂場等一郎は不満そうだね

裁判官は今までの裁判の様子から夫の主張は『権利の濫用だと言いました。

穂高先生は学生たちにこう言いました

人間の権利は法で定められているがそれを濫用、悪用することがあってはならない。新しい視点に立った見事な判決だった

「こういった小さな積み重ねが世の中を変えていくんじゃないのかね」

笑顔でうなずきながら穂高先生の話を聞いていた寅子たちです。

裁判官による法の解釈は峰子さんの主張を認めるものとなりました

婚姻中妻の財産の所有権が夫にあるのは、妻に管理能力がないからではなく夫婦共同生活の平和を維持し妻の財産の保護を目的としていると裁判官は考えました。

妻側が恥ずかしい保護を受けているのではなく夫側が妻を守る行動全般に含まれるものだと裁判官は考えたのですね。

権利の濫用とは正当な権利を持っている者であっても、その権利を行使することが、他者に多大な損害を与えたり社会的概念から逸脱していると判断される場合のことです。

妻の財産の所有権を主張したり離婚裁判を控訴したりする夫の行動は妻を苦しめようとする気持ち以外に考えられない、つまりは権利の濫用であると裁判官は判断したのです。

つまりは権利を主張した嫌がらせだってことね

法律の中には多くの可能性が潜んでいる、だからこそ裁判に携わる人たちには広く世の中の事を知り公正な立場にたち偏らず多くの声を心に留める事が必要なのでしょうね。

「虎に翼」第2週「女三人寄ればかしましい?」(10)ネタバレあらすじ~甘すぎる判決~

思いがけず勝訴となった判決に喜ぶ女子部のみんな。

穂高先生も「新しい視点に立った見事な判決、こういった小さな積み重ねがゆくゆくは世の中を変えてくんじゃないか」とみんなに話します。

しかし山田よねは「甘すぎます」と静かに怒りを表します。

「あの男が彼女への非道な仕打ちの償いをすることもない。反省もしない。また他の女に同じことを繰り返す

「きっと天罰が下るわよ」となだめる梅子によねは「本来法律は力を持たない私たちがああいうクズをぶん殴ることができる唯一の武器」と悔しさに顔を歪ませます。

静まり返る学生たち。

法とは規則なのか武器なのか。これもまた正解は無し」と話し、穂高先生は知り合いと待ち合わせがあると帰っていきました。

穂高先生の得意技が出た!

待ち合わせって桂場等一郎なの?わざと裁判を見せたのかな

法律に正解はないのだから規則であると考えるか武器であると考えるかに正解はないと思います。

視点の違いは考え方の違いであるし、育ってきた環境や性格にも影響されていると思います。

たしかに暴力をふるい未だ身体に影響が残るような傷跡を残した夫に裁きはありませんでした。

夫に罪を背負わせたいと思いながらも、裁きを受けても夫が改心するかはわかりません。

よねさんが言うように判決が甘すぎるという気持ちはわからなくもないかな

「きっと天罰が下る」とか言って自分たちを慰める事しかできない、スンとすることで気持ちをおさめることしかできなかったのですね。

「虎に翼」第2週「女三人寄ればかしましい?」(10)ネタバレあらすじ~心強かった~

退廷した寅子たちは東田が峰子に怒鳴っているところに遭遇します。

「俺は絶対お前と離婚しないからな。お前だけ幸せになるなんて絶対許さない!」

「もう私にかかわらないで下さい」と着物を胸に抱き頭を下げる峰子に東田が暴力をふるおうとします。

ちょっと待った!!!」寅子が叫びます。

階段を駆け下り峰子の前に立ちふさがる寅子。

東田が寅子を叩こうとしますが警備員が現れ逃げていきました

峰子は寅子に話しかけます。

「この前もお友達と一緒にいらしてましたよね。ありがとう、心強かった」「まだまだ裁判は続くでしょうが、この着物があれば祖母と母に守られていると感じる」

峰子は胸に抱いた着物をさすり、まるで母親や祖母に抱きしめられているかのようです。

寅子は深々と頭を下げ、お元気でと見送ります。

トラちゃんのガンバレ、ちゃんとわかってくれてたんだ

今日は大勢女の人が来てくれたことも力になっただろうね

寅子や穂高先生が傍聴席にいたことが判決に影響を与えたとは思いません。

ですが学生たち誰もがあきらめざるを得ないと思っていた結果が覆りました。

くたびれて価値がないと夫側の弁護士に馬鹿にされた母親の形見の着物を愛おしそうに抱きしめている峰子さん。

報われた想いはずっと峰子さんの支えになると思います。

峰子さんが「心強かった」といってくれた言葉で、寅子は盾になろうと決心したのでしょう。

「虎に翼」第2週「女三人寄ればかしましい?」(10)ネタバレあらすじ~グッときた名シーン~

今回は感動的でした。

峰子さんを夫から守るため2人の間に立った寅子に「殴らせれば良かったのに。そうすれば暴行罪の現行罪の現行犯で逮捕出来た」と話すよね。

法律で悪い奴を殴りつけてやるというよねの主張です。

寅子は言います。

「法は悪い人を殴る武器だと言ったけれども、私は弱い人を守るもの、盾とか笠とか温かい毛布とかそういうものだと思う」

よねが「わかりあえないな、お前とは」というと涼子様が「そうね、あわないお相手と無理にご一緒しなくても」と言い出します。

はて?それは違うでしょ」という寅子は「私たちは同じ女子部の学生。一個の人格者として認められていない女のくせに法律を学んでいる。地獄の道を行く同志」と言います。

「嫌いなヤツの事を知る時間なんて無駄だろ」というよねに寅子は切り返します。

よねさんのこと、わりと好き。勉強熱心だしはっきり言う所は似ているし、男装姿も似合ってるし。何より知らない誰かのために涙して憤慨するあなたはとっても素敵!

よねは「アホか!」と言い残し駆け出してしまいます。

素直によねへ感じている気持ちを話す寅子。

寅子はいつでも自信に満ち溢れ、明るく元気に突き進んでいきます。

いっぽうよねは他人との接触を拒み自分の事も打ち明けようとはしません。

ただ強い意志をもって法律の道を志し、女でいる事で虐げられている状況を打破したいと考えているようです。

よねと寅子の距離感が逆にお互いの環境の違いなどからこの先溝を深めてしまわないか心配です。

「虎に翼」第2週「女三人寄ればかしましい?」(10)ネタバレあらすじ~知識と教養~

今回は民事訴訟法第185条について調べてみました。

『裁判所は判決を為すに當り其の為したる口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果を斟酌し、自由なる心証に依り事実上の主張を真実と認むべきか否を判断す』

法律や証拠だけでなく、社会・時代・人間を理解して自由なる心証の下に判決を下さなければなりません」と寅子は話していました。

優三が話していた『自分なりの解釈』を寅子なりに考えての意見だと思いました。

民事訴訟法第185条の言い回しが少々難しいので、まずわかりやすい言葉に置き換えたいと思います。

  • 斟酌(しんしゃく)→様々な事情を考慮する
  • 心証(しんしょう)→心に受ける印象

噛み砕いて言うと【裁判所とは今までの裁判での話や証拠など、様々な事情を考慮し、それらを聞いて心に受けた印象から話している内容が真実だと認めるか認めないかを判断する】場所である、ということでしょうか。

言ってることはわかるけどやっぱり難しいなぁ

裁判には大きく分けると刑事事件民事事件の2つに分かれます。

刑事事件は被告人(訴えられた人)が犯罪行為を行ったかどうか、刑罰を科すべきかを判断するもの、民事事件は人と人や会社間での紛争を解決するものです。

今回の裁判は事件というわけではなく、峰子さんの所有権についての裁判なので民事事件、つまり民事訴訟法に基づく裁判ということになります。

峰子さんは母親の形見の色留袖の所有権を夫の元から自分へ返還してほしいという裁判を起こしました。

離婚に至るまでの状況や理由、その原因はいったい妻側にあるのか夫側にあるのかから始まり、婚姻関係を解消できたものの再び夫側から訴えられた峰子さんの置かれている環境を考慮し、夫側の主張は正しいものなのか妻側の主張は認められるのかというのが争点です。

様々な事情を考慮し、心に受けた印象からその主張は認められるのかどうかを考えるのが裁判所の在り方である

私たちの生活はすべて法律によって成り立っています。

何気なく安全に生活できるのは法律という礎があるからであり、なにかしら不都合なことや不利益をもたらされた時は裁判という形で決着をつけることができます。

権利を実現させるために法律があり、裁判があるんだね。

法律の知識を得るのはもちろんですが、その法律が言わんとする意味をどこまで理解したり思いを馳せることができるかが重要なのですね。

ここまでの話、法律の素人ですのであくまで個人の解釈です

厳密には違ってるかも。詳しい方、こっそり教えてくださると有難いです。

「虎に翼」第2週「女三人寄ればかしましい?」(10)ネタバレあらすじ~次回予想~

自分たちで考え、実際の法律の現場に触れることができた明律大学女子部のみんな。

「人間の権利は法で定められているがそれを濫用、悪用することがあってはならない。」と話す穂高先生は「こういった小さな積み重ねが世の中を変えていく」と嬉しそうに言いました。

しかしよねはこの判決は甘すぎる、夫はまた繰り返すと言い法律は悪い人を殴る武器だと反論します。

そんなよねの事を嫌いじゃないしもっと知りたいという寅子ですが、よねの心の壁はなかなか崩せません。

家に戻ると「この先結婚に絶望しても絶対私が助ける。私、盾みたいな弁護士になる」と母と花江に満面の笑みを見せる寅子。

一方よねは上野の歓楽街へむかい一軒の店の中に入っていきコップを磨いています

梅本
梅本

いろんな環境で生まれ育ってきた女子部の仲間たち。寅子は自分が恵まれた環境だということにまだ気づいていないのです。一人一人の悩みに法律がどう関わっていくのか、寅子にできることはあるのでしょうか。

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