虎に翼第57話寅子(伊藤沙莉)の理想は生ぬるい?戦争孤児を救うには?

虎に翼

上野の町で再会した寅子とよねさん、轟、そして小橋、稲垣。

戦災孤児の為にできることは何か、弁護士として家庭局で働く職員としてできることはなんだろう、

飢えと寒さで命を落とす子ども。生活のために犯罪を犯す子ども

このままでは日本に明るい未来が来るとは思えません。

第57話寅子(伊藤沙莉)の理想は生ぬるい?戦争孤児を救うには?~前回までのあらすじ~

昭和24年1月、ついに家庭裁判所が発足しました。

多岐川は設立記念の式典で家裁の「五つの性格」について説明します。

設立記念のパーティーの後、寅子は最高裁長官の星朋彦から新たな辞令を受け、これまでの仕事に加え、東京家庭裁判所判事補を兼務することになりました。

念願の裁判官として、寅子の新しい舞台が始まります。

第57話寅子(伊藤沙莉)の理想は生ぬるい?戦争孤児を救うには?~上野の現状~

思いがけず上野で再会した寅子とよねさん、轟、小橋、稲垣。
生きてて良かったと喜び合う轟ら男性陣に比べて寅子とよねさんはギクシャクしています。
よねさんは子どもたちに食事を提供し、轟は「この寒さじゃまたガキが死ぬ」と言います。
家もなく路上で寝転ぶ子どもたち、どうやって夜を過ごしているのでしょうか。

動く力もないのかも。。。

梅本
梅本
寅子は「わかっている。いま対策を練ろうと」と言いますが、よねさんが「どうせお前らも机の上で理想をこねて結局匙を投げる手に余るガキどもを街から追い出せばいいと思っているんだろう」と批判します。ここでずっと子どもたちを助けてきたのでしょう、自分たちだって苦労しているはず、よねさんの優しさの源は行動力なんでしょうね。
道男もよねさんに同調します。「大人はみんな、俺らを虫けらみたいに扱う
子どもたちもいろいろ痛い思いや行き場のない怒りを感じているのでしょう。
こういう子どもは日本全国に数多くいたのです。

第57話寅子(伊藤沙莉)の理想は生ぬるい?戦争孤児を救うには?~お前に何ができる~

轟は言います。
「道男もタカシも空襲で両親を亡くしてる。頼むから子供らのここに余計な傷を作らないでやってほしい」と胸に手をやります。
すると店の中に入ってくる人が。「勝手に入ってごめんなさい」と汐見が言いますが、よねさんは「誰だ?おっさん」と牽制します。
「今顔を合わせた相手におっさん呼ばわりする奴に名乗る気はない」と中に入る多岐川。
NHK好き主婦(三村和子)
NHK好き主婦(三村和子)

曲者多岐川に負けず劣らずのよねさんだわ~

寅子はよねさんと轟に多岐川と汐見を紹介します。
「よねさん、あなたが」という汐見にますます不機嫌になるよねさん。
NHK好き主婦(笹木たえ)
NHK好き主婦(笹木たえ)

そうか、香子ちゃんのこと話していいのかわかんないし。。

NHK好き主婦(鈴村春子)
NHK好き主婦(鈴村春子)

でも香子ちゃん、汐見にはよねさんのことやトラちゃんのこと、話しているんだね

轟は多岐川に丁寧に頭を下げ「ひもじさゆえに施設から子どもたちが次々に脱走している」と話します。
よねさんは多岐川にも「家庭裁判所もどうせ同じ轍を踏むだけだ」と否定しますが寅子は「決してそんなことにはならないと誓う」と反論します。
安易に誓うなんて言うな、お前に何ができると詰め寄るよねさん。すると寅子も反論します。
私だけでは無理、でもよねさんと轟さんだけでも無理。何万人もいる孤児全員は救えない
滝川は道男の横にしゃがみこう言います
家庭裁判所は愛の裁判所だ。困っているものには必ず手を差し伸べる、拒んだりしない」
多岐川はよねさんと轟の肩に手を置き「地域に根差した支援、素晴らしいじゃないか」とほほ笑み出ていきました。
寅子も何か言いたそうですが事務所を後にします。
梅本
梅本

偶然再会した寅子とよねさん。よねさんには2度と来るなと言われましたがまたここに来ればよねさんに逢える、また2人で同じ道を歩むこともできるはず。今は難しくてもきっと寅子とよねさんならまたわかりあえるはず!

第57話寅子(伊藤沙莉)の理想は生ぬるい?戦争孤児を救うには?~アンタ生ぬるいよ~

警察は戦災孤児を一斉補導し、子どもたちを家庭裁判所に連れてきました。
頭から薬を散布される子どもたち。聞き取り調査を行う寅子たち、必要な場合は審判を仰ぎますがその間の子どもたちが寝泊まりする施設が足りません。
子どもたちを預かり指導してくれる補導先も簡単には見つかりません。

受け入れ先が無ければまた元の場所に戻っちゃうよね

安心できる居場所をみつけてあげたい、理想と現実がかみ合わない。。。

ある日寅子は家庭裁判所にいる道男を見つけます。
顔には殴られた跡があります。
NHK好き男性(田中正吉)
NHK好き男性(田中正吉)

きっと抵抗して殴られたんだよね。。。

小さなタカシは収容先が見つかりましたが道男は行き場がありません。
梅本
梅本

寅子は「私が見つけるから」と道男に話しかけますが「今度サツが来たら全員とっちめてやるよ、そうしたら少年刑務所だろ?アンタの仕事も減るし」と言って出ていきます。引き留める寅子に「俺が消えたら嬉しいだろ?と絡む道男。ほっといてくれと帰ろうとします。

ほっとかないし!」という寅子に道男は「じゃあアンタ何してくれるの?家にでも泊めてくれるの?」とすごみます。
言葉に詰まる寅子に「アンタ生ぬるいよ、あんなにカッコつけてるくせに」と言い捨て立ち去る道男。
NHK好き主婦(笹木たえ)
NHK好き主婦(笹木たえ)

おっと!トラちゃんのスイッチ押しちゃった!

道男の前に回り込んで立ちふさがり寅子は言います。
アンタそこまで私に心開いてくれてたのね。いいわよ、いくらでも泊めてやるから
売られたケンカは買うのが礼儀、トラちゃん勢いに任せて言っちゃった!
さあ、どうなる?どうする、寅子。

第57話寅子(伊藤沙莉)の理想は生ぬるい?戦争孤児を救うには?~お天道様は見ています~

花江に「私たちに相談もなく連れてきちゃったの?」とお小言を言われる寅子。
ごめんなさいと謝る寅子。「なに?」とすごむ道男。
寅子に連れてこられ、ふてくされたままの道男を見て子どもたちは「コワイ」と怯えます。
花江ちゃんは「それが泊めてもらおうとする人の態度?」とやんわり釘を刺しますが道男は「おばさんは俺が平伏せば満足?」と突っかかってきます。
NHK好き主婦(鈴村春子)
NHK好き主婦(鈴村春子)

おばっ?おばさんって…花江ちゃん地味にショック受けてる。。

母をかばって「こんな人無理、トラちゃん早く追い出して」と言う直人。
しかしはるは道男に向かってこう言います。
「泊めてあげなさい、今夜だけじゃない必要なだけここにいればいいわ」と言い、人生持ちつ持たれつ、助け合いですよ、お天道様は見ています」と孫たちを諭します
「道男、お風呂に入りなさい」と言うはるは、子どもたちにそれぞれお手伝いを頼みます。
NHK好き男性(藤村茂)
NHK好き男性(藤村茂)

はるさん、なんてカッコイイ

寅子ははるにお礼を言います。

梅本
梅本

道男はスリや置き引きとかで捕まった、けどそれは生きていく為でと説明する寅子。はるは「日本中にああいう子がたくさんいるのよね、外で眠っているのよね。。」と悲しそうに話します。トラちゃんが仕事の話をしたり直明のボランティアの話を聞いていても目の前の道男のことは想像できなかったのでしょう。

子どもたちを置いて亡くなった親御さんはさぞ無念でしょうね
初めて現実を目にしたはるさん、子どもを残して死んでしまった親の気持ちを考えると心が痛んだのでしょう。
いろんな人がいろんな見方で戦争孤児について考える、少し生活に余裕が生まれてきたとはいえなかなか現実は厳しいものです。
それでもはるさんは道男を家に置いておくことを許しました。
同じ状況に立った時、自分は果たしてはるさんのようにできるかな。。。

第57話寅子(伊藤沙莉)の理想は生ぬるい?戦争孤児を救うには?~グッときた名シーン~

戦争孤児の実態を知った寅子、道男の出会いがこれからの猪爪家にどんな影響を及ぼすのでしょうか。

貧しいとはいえ猪爪家はもともと品のいい家庭で、子どもたちの躾もきちんとされている家、かたや道男の育ってきた環境は全く違うものです。

怖がる優未、直人は母親を守るためにあえて挑戦的な態度を取ります。

孫たちを守るためにはるさんは道男を預かることを許さないと思っていました。

しかしはるはみんなを制しそれぞれに役割を与え道男を預かることにしました。

「子どもたちを置いて亡くなった親御さんはさぞ無念でしょうね」

はるさんは寅子にそう言いました。

はるさんは親の立場で考えていました。

子供の面倒を最後まで見てあげられなかった、子どもを残して死んでしまった親の気持ち。

戦争で突然の別れ、大人でも乗り越えるのに時間がかかります。

生きていく能力が乏しい子どもたちには大人の手が必要です。

第57話寅子(伊藤沙莉)の理想は生ぬるい?戦争孤児を救うには?~知恵と教養~

はるが子どもたちに言った言葉「お天道様は見ています」、以前はよく聞いた気がするのですが久しく耳にしていないように思い、調べてみました。

言葉の意味は、人間の悪事に対して、ほかの人間が誰も見ていなくても太陽はきちんと見ているのだから、どんな時でも悪事ははたらかぬべきだと説く言葉です。

お天道様がそのまま太陽と捉えたり、神や仏といったものの象徴として扱われることもあります。

また善行も悪行も誰も見てなくてもその行いの報い必ず自分返ってくる、バチが当たるみたいな時にも使っていたように思います。

その意味から誰にも見られていなくても恥ずかしくない生き方をするというニュアンスで使われることもあります。

「誰も見ていないからいいや」と思ってズルをしたり、悪いことをしたり、手を抜いたり、サボったり。

そうしたくなった時に自分自身の心を戒める為に「(誰も見ていないと思っても)おてんとうさま(神様)が見ている。だから悪いこと(ずるいこと)はできない』と考えなさい。

他の誰にもわからなくても自分自身にはわかる。はるさんは子どもたちに本当の意味で善悪を教えたかったのですね。

第57話寅子(伊藤沙莉)の理想は生ぬるい?戦争孤児を救うには?~次回予想~

上野の戦災孤児道男は猪爪家でしばらく生活することになりました。

直明はボランティアの経験がありますが、道男の態度に子どもたちは嫌悪感を露わにします。

特に直人は母:花江を守ろうと道男に敵意を表します。

今までの生い立ちが違い過ぎる道男、猪爪家での生活は大丈夫なのでしょうか。

 

 

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