虎に翼第70話 親は栄二(中本ユリス)の味方なの?穂高先生(小林薫)が寅子(伊藤沙莉)に伝えたかったものとは?

虎に翼

大切な穂高先生(小林薫)を送り出す退任式の最中、佐田 寅子(伊藤 沙莉)は穂高先生の言葉に高まった怒りを抑えることができませんでした。

花束贈呈の大事な役割を多岐川幸四郎(滝藤賢一)に託し会場を出ていってしまった佐田 寅子(伊藤 沙莉)

まるで娘が父親とケンカをするように、言葉を選ばず怒りをストレートにぶつけてしまいました。

穂高先生(小林薫)と寅子の関係はこんな形で終わってしまっていいのでしょうか。

虎に翼第70話親は栄二(中本ユリス)の味方なの?穂高先生(小林薫)が寅子(伊藤沙莉)に伝えたかったものとは?~前回までのあらすじ~

栄二(中本ユリス)の心を開くことができない中、寅子(伊藤沙莉)は穂高先生(小林薫)が最高裁判事を退任すると聞きました。

桂場(松山ケンイチ)に手伝ってくれと言われ、うっかり引き受けてしまった寅子。

気まずい気持ちのまま退任記念の祝賀会に出席します。

桂場(松山ケンイチ)、久藤(沢村一樹)、多岐川(滝藤賢一)と一緒に運営を手伝う佐田 寅子(伊藤 沙莉)は、穂高先生(小林薫)の最後の挨拶の言葉を聞いて思わず会場を出ていってしまいます。

虎に翼第70話親は栄二(中本ユリス)の味方なの?穂高先生(小林薫)が寅子(伊藤沙莉)に伝えたかったものとは?~立派な出がらし~

家庭局では昨日の穂高先生の退任祝賀会での佐田 寅子(伊藤 沙莉)の様子を多岐川がみんなに話します。

想像できるかもしれないけどその何倍も悲惨な雰囲気だったよ~

法曹界の歴史に残るって変人の多岐川に言われちゃぁねぇ~

落ち込む寅子の前に、なんと穂高先生(小林薫)が現れます。

どうしよう。昨日あんなにタンカを切ったのに。。。

「元気ですか?」
NHK好き主婦(三村和子)
NHK好き主婦(三村和子)

何か話さないと。。。ってそりゃ無理がある。。。

NHK好き主婦(笹木たえ)
NHK好き主婦(笹木たえ)

穂高先生、勇気あるっていうかさすがだ、あんな風に言われたらもう会えなくなるよ普通

家庭局のみんなは席を外し、2人きりになる穂高先生と佐田 寅子(伊藤 沙莉)

穂高先生は静かに寅子に話を始めます。

すまなかったね、私は古い人間だ。理想を口にしながら現実では既存の考えから抜け出すことができなかった。だが君は違う、既存の考えから飛び出して人々を救うことができる人間だ。誇りに思う、これを伝えたかった。

佐田 寅子(伊藤 沙莉)も話します。

先生が古い人間とは思わない。尊属殺の最高裁判決の先生の反対意見読みました先生の教え子であることは心から誇りに思っています。

「後は君たち若い者に託したよ」と言い椅子に座る穂高先生(小林薫)、こんなに背中小さかったっけ?

寅子は「てっきり怒られるのかとばかり」と穂高先生の背中に話します。

それなりに好いていてくれてると笑う穂高先生(小林薫)に寅子もつい笑ってしまいます。

佐田君、気を抜くな君もいつかは古くなる常に自分を疑い続け時代の先を歩み立派な出がらしになってくれたまえ
梅本
梅本
良かった、昨日が穂高先生との最後にならなくて。寅子も穂高先生もお互いの事を好きすぎて気にしてかばって考えて大きなお世話を焼いて干渉して。いろいろあってもそれなりに好きでいて、最後に本当に伝えたかった想いを口にすることができて。
笑顔を見せて話をすることができて良かった。
いつか佐田 寅子(伊藤 沙莉)も年老いて穂高先生(小林薫)と同じような想いを共有する日が来るのかもしれません。

虎に翼第70話親は栄二(中本ユリス)の味方なの?穂高先生(小林薫)が寅子(伊藤沙莉)に伝えたかったものとは?~栄二の味方~

栄二(中本ユリス)との面談の日がやってきました。

調停委員の2人は母親が傍にいる方が落ち着くかと尋ねますが栄二(中本ユリス)はうつむいたまま口を開こうとしません。

どうでもいい?佐田 寅子(伊藤 沙莉)は話しかけます。

梅本
梅本

本音で言えばご両親にこだわる必要はないと思う。というかご両親にあなたを任せたくないあなたを大人になるまで見守るのは大人全員の責任。でも親に愛されたいと思うのは自然なこと、だから正直に教えて。寅子の言葉はなんでこんなにもすんなりと心に入ってくるのでしょう。不思議です。

どっちとも暮らしたくなかったと話す栄二(中本ユリス)に寅子は誰か頭に浮かぶ?と尋ねます

「かつえさん」

かつえさんは父の姉、子どもの頃映画に連れてってくれたと栄二(中本ユリス)は言います。

かつえさんがあなたの味方になってくれるかもしれない
「栄二君が頼る大人は親である必要はないの」
寅子の声に初めて顔をあげて寅子の眼を見て話を聞きうなずく栄二

家事部と少年部が協力して栄二の叔母のかつえさんを探し、かつえさんが栄二の監護者になり親権は父親が持つこととなりました。

かつえさんに促され「ありがとう」と頭を下げる栄二

家事部と少年部の協力によって栄二(中本ユリス)の未来に光が感じられました。

家庭裁判所の理想に少し近づけたと思えた寅子です。

虎に翼第70話親は栄二(中本ユリス)の味方なの?穂高先生(小林薫)が寅子(伊藤沙莉)に伝えたかったものとは?~さようなら穂高先生~

穂高先生(小林薫)が眠るように亡くなられました

竹もとのご主人が桂場(松山ケンイチ)に席を設けてくれました。

桂場(松山ケンイチ)とライアン沢村 一樹、多岐川(滝藤賢一)佐田 寅子(伊藤 沙莉)の4人は献杯を捧げます。

ため息をつき「寂しいね」と口にするライアン沢村 一樹。「しょうがない、人はいずれ死ぬ。だからいつ死んでもいいように全力で生きて全てを出し切るしかないんだよ」と話す多岐川幸四郎(滝藤賢一)

桂場は団子を口いっぱいほおばり酒を流し込みます。

「先生の教えは俺たちに染み込んでる!」まわりに何と言われようと俺の描く理想の為に虎視眈々と突き進むしかない!泣いてる暇などない!

あんこを食べながら桂場(松山ケンイチ)の怒りは留まることを知りません。

俺の理想は司法の独立を守ること!二度と権力好きのジジイどもに好き勝手にさせないこと!法の秩序で守られた平等な社会を作る!

つまり穂高イズムだ!

穂高先生の最高裁への反対意見、読んだだろ! 桂場は寅子に叫びます。

この度の判決は道徳の名のもとに国民が皆平等であることを否定していると言わざるを得ない。法で道徳を規定するなど許せば憲法14条は壊れてしまう。道徳は道徳、法は法である。
穂高先生は最後まで自分の意見を貫きとされた。
時代が変われば人は変わる、今は合憲とされた判断ものちに違憲となるかもしれない。
大多数に流されず自分の考えを熟考し声をあげる、それが穂高イズムだと桂場は言いたかったのでしょうね。
尊敬する穂高先生の思いはみんなの身体や心の中で生き続けることができる。活かし続けることができると桂場は言いたかったんだろうなと思いました。

虎に翼第70話親は栄二(中本ユリス)の味方なの?穂高先生(小林薫)が寅子(伊藤沙莉)に伝えたかったものとは?~優未の気持ち~

穂高先生(小林薫)をみんなで見送った後、佐田 寅子(伊藤 沙莉)は酔いつぶれ家に帰り、着替えることなく眠り込んでしまいました。

翌朝、佐田 寅子(伊藤 沙莉)を見つめる佐田 優未(竹澤 咲子

怒っているのか呆れているのかそれとも何も感じられないのか。

そしてそんな佐田 優未(竹澤 咲子の様子が気になっている猪爪花江(森田望智)

このままではダメになっちゃう。。。

何も気づいていない寅子、優未より仕事に夢中になりすぎていませんか?

虎に翼第70話親は栄二(中本ユリス)の味方なの?穂高先生(小林薫)が寅子(伊藤沙莉)に伝えたかったものとは?~グッときた名シーン~

「栄二君が頼る大人は親である必要はないの」

この言葉がすごく胸に刺さりました。

子どもにとっても親の呪縛から逃れることができる言葉であるとともに、大人にとっても責任を放棄するのではなく自分だけではうまくいかない部分を他の大人や行政機関を頼り助け合いながら子どもをより幸せに近づけていく。

最近では育児放棄、ネグレスト、暴力や虐待などで子どもが命を落としたり危険な目に合わないよう保護する対策もありますがまだまだ難しい部分もあり、悲しい事件が起きてしまうこともあります。

子どもを幸せにする、親がその役割を担えればいいのかもしれませんが世の中には大勢の人間が生活しているのです。

子どもが頼るのは親である必要はない

つまり誰を頼ってもいいんだよ。あなたにとって笑って過ごせる未来を想像できるよう

親を選ぶことはできない けれど 大人になるために頼るのはもっといろんな人がいてもいいんだよ

栄二君に伝えたメッセージは今を生きる子どもたちや親にも沁みるメッセージだと感じました。

虎に翼第70話親は栄二(中本ユリス)の味方なの?穂高先生(小林薫)が寅子(伊藤沙莉)に伝えたかったものとは?~知恵と教養:寅子と穂高先生~

穂高先生と寅子の今までを振り返ってみたいと思います。

穂高先生との出会いは寅子が優三さんのお弁当を夜間学校に届けに行った時でした。

桂場の「婚姻状態にある女性は無能力者である」発言に驚き質問を繰り返す寅子、優三もその場を取り繕うため寅子を制止しようとしました。

しかし穂高先生だけが「言いたいことがあれば言いたまえ」と言い、寅子の言葉をさえぎらずに最後まで聞いてくれました。

そして「君は法律家に向いている」と言い、「まもなく女性も弁護士になれる時期がくる。君のような優秀な女性が学ぶのにふさわしい場所だ」と、明律大学女子部法科へ誘ったのでした。

寅子の父:直言の弁護を引き受けた穂高先生は、家族だから知り得ることで検察の証言を翻し見事無罪を勝ち取りました。

なかなか実現できない女性弁護士への厚い壁にくじけそうになったり、女子部存続の危機にさらされた時も、寅子たちの訴えを聞き大学側に掛け合ってくれたりしました。

寅子が優三と結婚し、2人で穂高先生に報告した際にも穂高先生はまるで自分の娘が結婚したかのように嬉しそうでした。

結婚し妊娠した途端、寅子の仕事は多忙になり女性弁護士が自分だけになってしまいました。

誰にも言えないまま激務をこなしていた寅子ですが、明律大学の講演会の直前倒れてしまいます。

「ここで私が立ち止まったら、婦人が法曹界に携わる道が途絶えるんです。だから出産ギリギリまで働いて、産後も可能な限り早く復帰して法廷に立ちたいんです」と主張する寅子に対し、穂高先生は「『雨垂れ石を穿つ』だよ、佐田くん。君の犠牲は決して無駄にはならない。今は一度立ち止まろう」と諭します。

妊婦が働くことに対し理解も制度もない時代、無理をして体を壊してしまったりお腹の子どもに何かあってはと心配しての言葉であろうと思います。

ですが寅子にはどうしても許せなかった。それは穂高先生の言葉だったから。

「つまり先生は、私には石を砕けない、雨垂れの一粒でしかないとお考えなのですか? それがわかっていて私を女子部に誘ったのですか?」

「君の次の世代がきっと活躍する」と話す穂高先生の言葉に「私は今、『私の話』をしているんです!」と怒りを露わにする寅子。

穂高先生は寅子の身を案じて「ここまで十分君は頑張った。よく耐えたよ」と労ったのですが、後日事務所に現われた穂高先生の言葉で妊娠の事実がよねさんにもバレてしまいました。

いろんなことがありすぎて、寅子の心は折れてしまい弁護士を辞めることになりました。

戦後、法曹会館で働く寅子を見つけた穂高先生は「この道に君を引きずり込んで不幸にしたのは私だ……。ずっと責任を感じていてね」と詫びました。

無理に生きづらい法曹界にいなくてもいい、家庭教師の職を見つけてきたと言い出す穂高先生。

寅子は「不幸?私は法律が好きで、この仕事が好きでここにいるんです」と反論し、2人の関係はギクシャクしたままでした。

穂高先生との関係をきちんと修復し最後に花束を手渡し感謝の言葉を述べる、この儀式をもって寅子と穂高先生の関係が元に戻せると桂場は考えたのでしょうが、少し安易だったようです。

穂高先生はとても強い人でした。
自分の信じた道を進み、信念を貫きまわりに流されず時代の行く末を敏感に感じ取ることができる人でした。
自分の事を雨垂れの一滴と言い、まだまだ力不足でやり遂げられなかったものがたくさんあったと感じた穂高先生が謙虚に自分自身を表現した言葉だったのでしょうが、寅子にはその思いを汲み取る心の余裕が無かったのでしょうね。
穂高先生が法曹の世界からいなくなってしまうことが単純に寂しかったのかもしれません。
寅子と穂高先生は親子のような絆を感じる師弟関係で、2人にしかわかりあえない世界があるのだろうと思いました。

虎に翼第70話親は栄二(中本ユリス)の味方なの?穂高先生(小林薫)が寅子(伊藤沙莉)に伝えたかったものとは?~次回予想~

穂高先生の弔いを終え家に帰ってきた寅子をじっと見つめる優未。

家庭裁判所の仕事は寅子にとって大切でやりがいのある仕事ですが、次第に優未や猪爪家の人々の気持ちとズレが生じているような気がしてなりません。

大丈夫。。なのかな。心配です。

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